消費者金融の歴史(団地金融・勤め人信用貸し・サラ金など)|キャッシングの用語
目次
この記事のまとめ
この記事では、キャッシングの用語の中でも特に―。
などの、一般的なトピックスに加えて―。
などの、古い消費者金融の呼び名や歴史などをまとめていきます。
「年収150万円」のキャッシング
年収150万円以上必要…という条件のキャッシング・カードローンは、どれだけあるのか。一番メジャーなのは「ろうきんカードローン」ですが、それ以外でも、地方銀行のカードローンで下のようなものがあります。
- カトレアカードローン(沖縄銀行)
- 年収150万円以上の県内在住の方
- http://www.okinawa-bank.co.jp/kojin/kariru/cattleya.html
- フリーカードローン(佐賀銀行)
- 年収150万円以上の方
- https://www.sagabank.co.jp/loan/life_free.html
- さいきょうTopCardLoan一本背負(西京銀行)
- 勤続1年以上の前年度年収150万円以上の方
- http://www.saikyobank.co.jp/personal/service/loan/card/topcardloan.html
このように、利用目的自由のフリーローンだとこのようになっていて、さらに利用用途が限定されている目的別ローンだと、下の一覧のようになります。
- 紀陽教育カードローン(紀陽銀行)
- 前年度年収150万円以上で安定継続した収入のある方
- http://www.kiyobank.co.jp/sp/personal/bankloan/education/cardloan.html
- あしぎん教育ローン(足利銀行)
- 安定継続した年収が150万円以上の方
- http://www.ashikagabank.co.jp/loan/calturatan/
- 予約型オートローン(徳島銀行)
- 継続して安定した年収が150万円以上ある方
- http://www.tokugin.co.jp/kojin/kariru/others/yoyaku_auto.html
ざっと調べてみて思ったことは下の通りです。
年収150万円という審査基準は、意外と少数派なんですね。
「オートローン」とは
オートローンとは、下のように言えます。
- マイカーローン
- 自動車ローン
のことです。自動車関連の費用に使える、目的別ローン…ということですね。「クルマ関連」だったら資金使途自由なので、下のようになります。
(もちろん、実際に融資可能となるかどうかは、審査通過するだけの信用度(クレジットスコア)が必要ですが…。)
「自動車学校」のローン
自動車学校でも、自ら「教習所の学費」を、ローンにしている所があります。あるいは、クレジットカードなどでの支払いを受け付けている…という所が多いです。一例をあげると、北海道中央自動車学校だと、下のように書かれています。
- 北海道中央自動車学校
- http://www.hokkaidochuo.co.jp/admission_procedure.html
- クレジットカード・ローン分割払いをご希望の方は、ご相談ください
- 運転免許ローンもご利用可能です
「運転免許ローン」という言葉を、初めて聞いた方もいるかも知れないので、これを解説します。
「運転免許ローン」とは
運転免許ローンとは、文字通り「運転免許証の取得費用」を借りられるローンです。特に人気なのは「ローソン」が提供するもので―。
36回までOKということは、大体3年で完済すればいい…ということですね。
面白いのが、複数の信販会社で審査するというもの。信販会社は保証会社のようなもので、要は「審査担当」の会社です。
- 個人信用情報機関で保管されている個人信用情報以外でも、それぞれの信販会社で「内部ブラック」と呼ばれる返済トラブルの情報を保有している
- その信販会社のグループ会社でブラックリストに入った場合―。
- いわゆるグループブラックになって、オートローンなどの審査も通らない
このようになるわけですね。しかし、下のようにも言えます。
こういうわけです。これは、特に過去に「異動情報」を記録してしまった人にとっては、非常に嬉しい情報かと思います。
(大学生や、まだ未成年・10代の若い方の場合、こういう返済事故を起こしたことは、まだない人が多いとは思いますが…)
「返済事故」とは
返済事故とは、主に延滞・滞納のことです。それの「特にひどいバージョン」ですね。具体的には―。
強制解約(強制退会)はそのままなので、特に解説しなくてもいいでしょう。
「重度の遅延」の日数・期間は?
これは61日~3ヶ月となっています。これ以上の日数、延滞・滞納を続けると、それでブラックリスト入りしますよ…ということですね。
これはCIC(シーアイシー)の公式サイトでも明記されていることなので、この日数で、大体間違いないでしょう。しかし、下のようにも言えます。
そのため、61日~3ヶ月というのは、あくまで目安であって、下のようになります。
- もっと少ない日数のこともあるし、もっと長い日数のこともある
と思って下さい。もっとも「長い日数」になることは、あまりないでしょうが…。「仏の顔も3ヶ月まで」と、古来から言われてきましたからね。(嘘)
「ブラックリスト入り」とは
キャッシングのブラックリスト入りとは、下のように言えます。
指定信用情報機関というのは、下のように言えるからです。
など、個人の借入・返済の履歴を管理している団体です。ここに―。
などが記録されていると―。
- 自己破産…最長10年
- その他…最長5年
の間、その記録が残っている、ということなんですね。そして、それがCRINというネットワークを通じて、ほぼすべての消費者金融や銀行カードローン・クレサラ業者などで共有されるので、その期間、新規のキャッシング審査などには、通らなくなる…ということです。
「クレサラ業者」とは
クレサラ業者とは「クレジット会社・サラ金」を合わせた呼び名です。基本的に「悪い意味」で使います。
- 過剰貸付
- 過酷な取り立て
- 高金利
この3つが、過去に「サラ金三悪」とか「サラ金の3K」などと呼ばれましたが、こうした「一部の貸金業者」が起こした問題を「クレサラ問題」と言います。そして、そういう社会問題を語る時に使われる単語が「クレサラ業者」というものです。
「過剰貸付」とは
過剰貸付とは「貸し過ぎ」のことです。借り過ぎの反対ですね。
こういうものですね。特に後者のセールスが「強引」なものになると「押し貸し」といいます。
特に武富士はこうした押し貸しなどの過剰融資が多かったので、問題視され、今は別会社になっています。
キャッシングの「記録」
キャッシングの「記録」には2通りあります。
- 個人信用情報
- それぞれの業者・銀行の「内部情報」
このような2通りです。個人信用情報は―。
- JICC・CIC・KSCが保管しているもので、これらの信用機関に加盟している貸金業者などが、すべて閲覧することができる
そして内部情報はそのままですが―。
- 個人信用情報機関に報告するほど重大ではないが、その業者・銀行にとって「この利用者は少々危険」となると―。
- それが記録されている
こういう「内部でのブラックリスト」は、どんな業界でもあるものですが、それがキャッシング業界でもある…ということです。
「JICC・CIC・KSC」の意味&違い
JICC・CIC・KSCは、日本にある「3つの個人信用情報機関」です。借入・返済の履歴の情報(クレジットヒストリー)を管理する組織です。そして、それぞれの日本語の正式名称は―。
- JICC…日本信用情報機構
- CIC…シーアイシー
- KSC…全国銀行個人信用情報センター
それぞれの違いは下のようになります。
- JICC…主に消費者金融などの貸金業者
- CIC…主にクレジット会社
- KSC…主に銀行・協同組織金融機関
…が、それぞれ加盟して作られたというもの。しかし、下のようにも言えます。
- 今ではこれらの個人信用情報は、すべてCRIN(クリン)によって
共有されているので、それぞれの違いは、ほとんどない
強いて言うなら、下のようになります。
- 自己破産の記録が残る期間・年数が、JICC・CICは「最長5年」なのに対し、KSCは「最長10年」と、長くなっている
このような点が指摘できます。逆に言えば下のようになります。
- それ以外の返済トラブルについては、記録される年数も(最長に関しては)違いがなく、大体おなじ
ただ、下のようにも言えます。
- 自己破産の記録の年数が、全国銀行個人信用情報センターだけ長いということは、他の事故情報に関しても、全国銀行個人信用情報センターだけ、長く記録されるかも知れない
こういうことはいえます。
- 「最長5年」の記録で、JICC・CICは「3年」で終わるレベルでも、KSCだけ「5年」記録される
このような違いです。あくまで推測ですし、最終的には「その人の信用度次第」なのですが…。
「サラ金」とは
サラ金とは、貸金業者の悪い呼び名です。もともとは悪い呼び名ではなく―。
- 1960年代に、むしろ「新しく、かっこいい」名前として広まったが、借金で破産する人が増えて、社会問題になったことで、「サラ金」という呼び名も、悪いイメージになった
こういう背景があります。ちなみに、サラ金というのは、下のように言えるからです。
- サラリーマン金融の略で、「サラリーマンに対して融資する」というサービスが、当時はなかったため、画期的だった
こういう歴史があります。(ちなみに、サラリーマン金融と呼ばれる前は「勤め人信用貸し」という、少々古めかしい名前でした)
そして、当時「融資」というのは、下のように言えるからです。
あるといえばあったのですが、下のように言えます。
それが―。
このようになるわけです。
始まった頃は、エリートのためのサービスだった
今でこそ、消費者金融などのキャッシングは、お金がない人のためのサービスになっています。しかし、始まった1960年代は―。
- たとえばレイク(パーソナル・リース)が、大阪の「マスコミ関係者」に絞って融資していたように、完全に「高収入のエリート」のためのサービスだった
こういう、意外な事実があります。今で言えば―。
- アメックスのゴールドカードなどは、一応「借金」だけど、ステータスのシンボルになっているように、当初のサラ金を利用できるというのは、一定のステータスの証明だった
実際、ローマのカエサルの借金も有名ですが―。
- 彼は小役人時代から「国家予算レベル」の借金をしていた
- これはつまり「カエサルが、それだけ金貸しから信用される存在だった
これが物語るように「借金は、一種の信用のバロメーター」なんですね。「これだけ、誰かがお金を貸してくれるだけの信用が、その人にある」ということなのです。
だから、今でこそ悪いイメージになっている「サラ金」(サラリーマン金融)という単語ですが、始まった当初は「むしろ、格好いいイメージ」だったのです。
(ちなみに、その後「消費者金融」に変わりましたが、やはりその時も「いいイメージ」への転換でした。今ではこれも悪いイメージになってきたので「カードローン」などに変わっていますが)
「勤め人信用貸し」とは
「勤め人信用貸し」は「サラリーマン金融」の「古い呼び名」です。1950~1960年代前半にかけての呼び名ですね。
- 勤め人…サラリーマンのこと
- 信用貸し…クレジットのこと
こういうわけです。(クレジットは、英語で「信用」の意味です)
この勤め人信用貸しが始まった頃は―。
- 庶民金融
- 団地金融
と言う呼び名もありました。ここではこの「団地金融」についても解説します。
「団地金融」とは
団地金融は「消費者金融」の初期の形態のこと。「サラリーマン金融」と呼ばれる前の形です。なぜ「団地」なのかというと、下の通りです。
- 団地の自分の収入がある女性を、直接訪問して融資していた
- 当時団地に住める人々(団地族)は、エリートサラリーマンであり、その家庭に融資するなら、返済不能になることもない、という理由
貸金業に対して偏見を持っている人は―。
- 返済できないような人に貸して、強引な取り立てをしていじめる
こういう都市伝説をイメージしているかも知れませんが―。
- 業者だって、取り立てなんかしたくない
- 返済してもらって、初めて利益になるんだから
- しっかり返済してくれる「お金がある人」がいいに決まっている
ちなみに、ヤミ金が「困窮者」に対して融資するのは―。
- 返済を期待しているわけではなく、もう絶対に返済できないという所まで、利息を膨らませて、それで人身売買をする
これが、本当の狙いなんですね。特に昔は「腎臓を売る」というのは、本当にありました。臓器移植がまだ合法でなかった時代、「腕のある医師」は、「臓器移植をやってみたい」ので、そういう闇金業者と、裏でつながって、真夜中の総合病院で、こっそり移植手術をしていたのです。
(もちろん、ごく一部でしかされていないですが)
という、一部の歪んだ貸金業者へのイメージは、そういう「一握りの」悪徳業者が作ったものですが、普通のキャッシング業者は、きわめてまともなんですね。(本当に当たり前のことなのですが)
ということで、団地金融というのも、「夕方になると、野菜を売りに来る近所の農家の人」の延長のような存在だったのです。