キャッシング&カードローンの用語まとめ ~融資・無担保・武富士など~
この記事のまとめ
この記事の内容を簡単にまとめると、下のようになります。
また、武富士と孫正義会長のつながりなど、意外な豆知識も紹介します。
「融資」とは
融資とは「お金を貸す」こと。辞書風に書くと「個人・法人が、金融機関から資金を借りること」となります。
「借りること」というのは間違いです。融資はあくまで貸し付けのことです。貸し手側の言葉なんですね。
Googleで「融資とは」と検索すると、「資金調達.NET」さんの下の言葉(記事)が、トップで登場します。
融資とは、個人または法人が、金融機関等から、必要な資金を調達すること
http://best-financing.net/yuushi/index-65.html
この記事もサイトさん自体もわかりやすいのですが、この「借り手」の側に立った表現は、少々違っています。その点のみ注意してください。(後の内容はわかりやすく正確なので、おすすめです)
Wikipedia・大辞泉・大辞林の「融資」
Wikipediaの「融資」でも、やはり下のように書いています。
融資とは、資金を融通すること。つまりお金を必要とする者に貸すこと。
(https://ja.wikipedia.org/wiki/融資)
このように、ここでもやはり「貸すこと」となっていますね。その他の辞書の類を見ても、例えば『デジタル大辞泉』だと下のように言えます。
資金を融通すること。「無担保で―する」
これだと「借り入れ」の意味にもとれますね。「無担保で、借り入れする」と挿入しても、成り立ちますから。
そして、もう一つ「大辞林 第三版」を見てみると、下のようになります。
資金を融通して貸し出すこと。 「銀行から-してもらう」 「 -を頼む」
これは完全に貸し付けですね。そして、これを読めば「融通」というのも「貸す側」(債権者)側の言葉…というのがわかります。
- Wikipedia
- 『デジタル大辞泉』
- 大辞林
のどの辞書を見ても「融資=貸すこと」というわけです。「借りること」ではないんですね。
「資金調達.NET」の記事が検索1位だった意味
「融資とは」という定義では間違っていたのですが、それでも「資金調達.NET」さんが1位だったことには意味があります。というのは、下のように言えるからです。
- 辞書的な定義というのは、多くの人にとってどうでもいい
- それより「実際にどう、融資を受けられるか」という
- 「実務的な情報」の方が大事
このようになるわけです。
そして、正確な定義については、Googleが一番上に「Googleからの解説」として、辞書の言葉を紹介していますからね。なので、「資金調達.NET」さんの記事がトップだったことは、正しいわけです。
「無担保」の借り入れ
無担保というのは「信用を保証する人・不動産などをつけない」ということです。担保というのは「信用を保証するもの」という意味ですが、それがないわけですね。
信用を保証する物や人がない―、というのは、当然クレジット会社などの「融資する側」にとっては、非常に危険です。なので、下のようになります。
- これは我々にとって「ハイリスク」な投資だから、その分「ハイリターン」をもらうよ?
そして、キャッシングのハイリターンというのは「高金利」のことなので、下のようになります。
- 無担保の借り入れは、どうしても「金利が高く」なる
キャッシング業者の金利が銀行や信用金庫・労働金庫などの協同組織金融機関と比較して高くなるのは―。
- 別に強欲だからではなく、「無担保」で融資している以上、それなりのリターンがないと、運営を続けることができない
「いいじゃん、消費者金融なんて潰れちゃえば」と、改正貸金業法などで「消費者金融を徹底的に取り締まった結果」が―。
- どの消費者金融もお金を貸せず、借りたい「貧しい人たち」も借りられず、ヤミ金でお金を借りる人が大量に出た
こういう、改正貸金業法のデメリットなのです。また、消費者金融が相手にしていたのは「個人」だけではなく、自営業・個人事業主も多くいましたが―。
- 彼らが資金調達できなくなり、「小規模な倒産」が相次いだ結果
- 日本全体でも「クレジットクランチ」が起き、そこにさらに「姉歯ショック」による空前の不動産不況が重なり、止めの一撃で「リーマンショック」が来た
これが、あの2007年~2008年の、日本の不況の「本当の原因」なのです(と、『貸せない金融』は指摘しています)
まとめると、下のようになります。
- 改正貸金業法
- 姉歯ショック
- リーマンショック
この3つが、同時重なって起きた不況…ということですね。リーマンショックはあくまで「止め」で、あって、その前からすでに、日本経済はやばかったという指摘です。しかも―。
- 改正貸金業法
- 姉歯ショック(の後の、過度な不動産業界への締め付け)
これらは、どちらも「国がやったこと」ですから「官製不況」(官僚が招いた不況)という批判もあるわけですね。(この官製不況という言葉も、『貸せない金融』で出ている言葉です)
このように、政治経済はそう簡単に結論づけられるものではないので、あくまで「こういう見方もある」ということです。もちろん、武富士など、一部の暴走した消費者金融が「引き金を引いた」のは事実ですから、この点では消費者金融などのキャッシング業者の側にも問題があります。
何にせよ、何か一つの問題を語る時は―。
- それについてメディアが報じていることは、皆が「聞きたがっている」だけのこと
- あるいは、誰か権力者が「聞かせたがっている」だけのこと
にすぎないので、あまり過度に信用しない…ということが大切です(信じ過ぎず、疑い過ぎず…ということです。距離をおく、ということですね)
「武富士」とは
武富士は、80年代~90年代に、消費者金融のトップだった企業。「街頭でのティッシュ配り」の販促活動は、もともとすべての企業の中で、武富士が最初に始めたと言われています。
これは、『武富士流 金儲けの極意』に書かれていることで、他の場所では「調べてもどこが最初かはわからない」のですが、下のように言えます。
- 「消費者金融が始めた」というのは、多くの文献に書かれている
- そして、『武富士流 金儲けの極意』は、当時孫正義氏も「書籍の帯で絶賛した」くらい、注目された本である
- ↑(参考…武富士と孫正義会長)
- 著者の高島望氏も「政治家」なので、責任のある立場である
- それが「武富士が最初」と書いて、その後、間違いを指摘されていない
こういうことは、本当に、武富士が最初と考えていいのだろうと思います。もちろん―。
- どっかの小さな会社が、100個くらいのティッシュを配った
こういうことはあるかも知れないので「完全に最初」と決めるのが、難しいのでしょう。ただ、少なくとも、企業名がハッキリわかっている中では、武富士が最初というのは、ほぼ間違いないかと思います。
このように、いきなりティッシュ配りの話で始まりましたが、このように―。
- 今の日本で当たり前になっている
- 「街頭の一文化」すら、作った企業
それが武富士、ということですね。悪いイメージばかりがあると思いますが、全盛期の武富士には「見るべき部分」もたくさんあったのです。
「武富士」と孫正義
今でこそ「日本人でナンバーワンの資産家」となっている孫正義会長ですが、実は2005年の段階で、日本人の資産家ランキングは―。
- 3位…武井保雄氏
- 9位…孫正義氏
このように「武富士」の方が上だったのです。ちなみに、この年のランキングは―。
このように、武井保雄氏も含めて「10人中3人」が、消費者金融の社長・会長でした。
そして、『武富士流 金儲けの極意』の帯に孫社長が推薦の言葉を書いた「1997年」ですが、その頃の両者の「長者番付」は―。
■ 武井保雄
- 1994年…1位&15位(15位は奥さん)
- 1998年…19位
■ 孫正義
- 2000年…16位
- 2001年…3位
このようなことで、本が書かれた頃は―。
- 武井保雄氏…最高1位
- 孫正義氏…圏外
このように(あくまで資産的には)「追いかける立場」だったんですね。
このように「90年代の武富士はすごかった」ので、孫正義氏も、書籍の帯に「こんな面白い本は、久しぶりに読んだ!」というコメントをされていたのです(久しぶりか初めてか、忘れてしまいましたが。さすがに「初めて」はないでしょう)
これが、ソフトバンク・孫正義会長と、武富士の関係です。ただ、今は両者の関係はもうほとんどなくなっているのではないかなと思います。
(武富士自体→TFK株式会社→日本保証となって、消滅していますからね)
■ 長者番付(高額所得者)の参考URL
- 日本の長者番付、日本一の金持ちは孫正義!(2006年)
- http://temple-knights.com/archives/2006/06/post_423.html