年収800万円でも、借金生活?カードローンで高額所得者がキャッシングをする原因
平均年収826万円で、借金生活?
「平均年収 借金」とGoogleで検索したら、予想外の記事が上位で出てきました。
- 平均年収826万円が借金生活に?
- http://soutai40.com/archives/blog-entry-6696.html
箇条書きすると下のようになります。
- 職業…九州電力の社員さん
- 年齢…42才
- 収入…不明だが、九州電力の平均年収は「826万円」だった
- 家族…奥さん・娘2人(大学生・高校生)
そして、九電が2013年に減給となったのですが、それでどうなったのかというと、下の通りです。
- 娘さんの学費と、住宅ローンが払えなくなった
- 預金は、これまで百数十万円しかなかった
- これも(その記事から)もうすぐ底をつき、娘にクリスマスプレゼントを買うこともできず、もし来年の夏もボーナスがなかったら、借金生活になる
こういうものです。そして、ネット上では非難轟々だったようです。批判の内容は下の通りです。
- 年収800万円(推定)なのに、無駄遣いし過ぎ
- 奥さんがパートに出ないといけないことの、何が悲惨なのか
- マイホームなんて、とっくに諦めてる人間がほとんどなのに
- というか、子供を持つのも、結婚するのも、諦めてる若者が多いのに
このような批判です。要するに「贅沢言うな」ということですね。そして、私の意見を書かせていただくと―。
- どんな家を建てたのか
- 娘さんの大学や高校は、私立なのか
- 奥さんが働かなかったのは、何か事情があったのか
- あるいは、男性の家族全般に、どういう背景があったのか
が、全部わかるまでは、何ともいえません。たとえば、例を出すと下の通りです。
などのケースも有り得るからです。あまりないとは思いますが、下のように言えます。
- どういう背景なのかわからない以上、批判も肯定もできない
こういうのは確かです。そして、「もしこういう条件だったら、お金に関して無知かも知れない」と思ったことを書かせていただくと(あくまでこうだったら、ですが)
- 奥さんは、問題なく働けた(肉体的にも、時間的にも)
- 男性は、いろいろ買い物をしていた
- 娘さんの大学や高校は私立である
- 自宅は「割と大きな家」である(4000万円程度?)
- 車を持っている
このように、仮にこういう条件だったとしたら、これは「お金に関して、かなりリテラシーが低いかもしれない」と思います。というのは、こういう生活をされていたら、年収が800万円あっても足りないからです。
- 大きい家は、管理費もかかる
- 車を持てば、やはり維持費がかかる
- 私立大学は、学費の割にリターンが小さい
- 男性が年収800万円でも、奥さんが専業主婦だと、年収450万円の共働きに負ける
ちなみに、世間の人は年収1000万円を「お金持ち」だと思っていますが、現実は全然違い、年収1000万円は、間違いなく庶民です。これは、うちの父親も40才頃から年収1000万円だったので、よくわかります。
うちはまさに、私が今書いた条件にすべて当てはまっているのですが(というか、うちのケースを書いたようなものですが)、父親のお金のリテラシーがまったくなかったこともあり、現在、実家の貯金は、1000万円か2000万円程度のはずです。
(もう父親は定年退職したのですが、これまでの父親の生活ぶりからすると、今後は相当生活を切り詰めないといけないレベルです。事実、これまで毎年80万円程度の本を買っていたのに、今年からほとんど買わなくなりました)
父は信用金庫の専務でもあったので、経済のことは強いのですが、自分の資金繰りのことは、まったくわかっていませんでした。もちろん、それも人間らしいといえばそうなのかもしれませんが、こういう「年収1000万円以上でも、金銭感覚がないせいで貯金や資産が全然ない…という人は、実は多いのです(むしろ多数派と言ってもいいでしょう)。
サラリーマンで高収入な仕事というのは、大体ストレスが溜まるものです。同じ年収1000万円でも、起業して会社代表者とか個人事業主として稼ぐのと、会社員・OL・公務員として稼ぐのとでは、全然ストレスが違うでしょう。(自営業の方が、断然楽ということです)
これは、下の通りです。
- 「会社員」で年収1000万円稼ぐのと、「アルバイト」で年収1000万円稼ぐのと、どっちが楽か
を考えればわかるでしょう。アルバイトで稼ぐ方が、ものすごいストレスがたまるはずです。
ということで、法人経営者などの独立系の職業だったら、割と稼ぎやすい「年収1000万円」というラインも、サラリーマン・OLという職業・属性だと、かなりきついのです。だから、お金を守る(使わない)という努力まで、気が回らないわけですね。
ということで―。
- 年収1000万円は、世間が思うほどリッチではない
- だから、年収800万円(推定)の、この九電の男性が借金生活になったのも、決して不思議な話ではない
また、この男性の場合「ボーナスがカットされた」というのも大きいのですが、これもやはりキャッシングの世界ではよくあるパターンです。
- ボーナス払いの金額を、大きめに設定していた
- そのため、ボーナスが出なくて、支払いができなくなった
そして、そのまま消費者金融でお金を借りたり、クレジットカードのキャッシングに手を出す…というケースが多いわけですね。
(これは、金融&トラベルライター・カメラマンの笠虎崇氏も、書籍で指摘されていることです。)
また、この「年収1000万円は、実は貧乏である」というのは、コンサルタントの加谷珪一氏もブログで書かれていることです。興味がある方は、下の記事もご覧ください。↓
- 年収1000万円はお金持ちではない!(『お金持ちの教科書』)
- http://kanemochi.kyokasho.biz/archives/1861