親権者の同意書と、クレジットカードのキャッシング枠について|キャッシング用語解説
特に学生や20才未満の若者がキャッシングをするときに必要になるものとして「親権者の同意書」があります(大手の消費者金融だったら不要ですが)。ここではキャッシング用語として―。
- 親権者の同意書
- クレジットカードのキャッシング枠
の2つについて、解説していきます。
「親権者の同意書」とは
これは基本的には、親の同意書のことです。これについてポイントをまとめると、下のようになります。
- 必ずしも親でなくてもいい
- 要は戸籍に「親権者」として書かれている人
逆に言えば下のようになります。
- 戸籍で「親権者…父」となっていたら、「母親は、親権者ではない」ということ
になります。たとえば「離婚したケース」などは、これに該当しますね。そして、両親でなくても大丈夫です。たとえば、例を出すと下の通りです。
- おじさん
- 先生
- その他、親戚
- 身近な大人
などですね。とにかく誰でも良いので―。
- その未成年の若者の「未成年後見人」や
- 「法定代理人」になっている
それを戸籍にしっかり記載していれば、OKということです。そして、そうした「親権者から、もらった同意書」を指すわけですね。
決まった書類があるわけではない
親権者の同意書は「これに記入しなさい」という決まった書類・決まった用紙があるわけではありません。なので、下のようになります。
- 自分でワードなどで作っていいし、逆に言うと「作らないといけない」
こういうことになります。少々面倒ですね(笑)。ただ、下のように言えます。
- あらゆるジャンルで親権者の同意書はあるので、それがネット上にひな形・テンプレートとして、アップされている
- なので、それらのワードファイルやPDFをダウンロードして、自分で記入したり改造したりして、親権者の同意書にすればいい
ただ、当然ですが作成した親権者の同意書を、親権者に見せて、許可をもらう必要があります。これをやらないと親権者の同意書の偽造をした…ということになってしまいます。
*「ということ」ではなく、本当にやったわけですが…。
学生は親権者の同意書なしでキャッシングすることは可能?
これは可能です。ただし―。
- 年齢が20才以上(成人)である
- 自分のアルバイト収入がある
こういう条件になります。理由は下の通りです。
- そもそも親権者の同意書が必要というのは、未成年・10代・20才未満に限った話であって、学生だろうと社会人だろうと、年齢が20才を超えているなら、親権者の同意書はまったく必要ないのが基本
そのため、アコム・アイフル・SMBCモビットなどの大手の消費者金融であれば、上の2つの条件(アルバイト収入と年齢制限)を満たしていれば、それが親権者の同意書なしでキャッシングできる…というふうになっています。
三菱UFJ銀行カードローン「バンクイック」だと、親権者の同意が必須
一方、SMBCモビット・アイフル・ノーローンなどの大手の消費者金融と違い、例えば三菱UFJ銀行などのカードローンは、学生がキャッシングする場合は、親権者の同意が必須…という条件になっています。なので、下のようになります。
- 三菱UFJ銀行カードローン「バンクイック」で借りる時は、若年層のキャッシングでは、必ず親バレする
そのため、それでも平気という学生だったらいいのですが、実際にはそういう学生はなかなかいないでしょう。そう考えると―。
- お金を借りたい学生にとって、三菱UFJ銀行カードローンは、実質借入不可のようなもの
こういうことができます。他にも特に大手の銀行カードローンを中心にこういう「若年層のキャッシングでは親権者の同意が必須」という設定になっている所が多いですが、これらの理由から、学生がお金を借りたいのであれば、アコム・プロミス・アイフルなどの大手の消費者金融で借りた方がいい…ということができるでしょう。
未成年者の契約取消権について
こうした親権者の同意書と関連する用語として未成年者の契約取消権というものがあります。未成年者の契約取消権とは、下のように言えます。
- 未成年で婚姻していない若者が、親権者の同意書なしで結んだ契約は、破棄することが許される
こういうものですね。もしこれがキャッシングやクレジットカードなどの借り入れだったとしたら、それを踏み倒していい…というわけです。貸す側からしたら、これはかなり無茶苦茶な内容なのですが、未成年・10代・20才未満という、世間のことを知らない若者を守ろうとしたら、確かにこういう条文も必要になるわけです。
ということで、民法第5条第1項にはそのような「未成年者の契約取消権」というルールが定められているわけですが、これがあるので、多くの大手の消費者金融・銀行カードローンは、「未成年・10代・20才未満に対しては、融資を許可しない…という方針を維持しているわけですね。
だから、クレジットカードでも未成年はキャッシング枠がつきにくい
上のように未成年者の契約取消権という「厄介な」ルールがあるため、クレジットカードでも―。
- 18才でも発行できるクレジットカードというのはあるが、大抵キャッシング枠はついていなくて、ショッピング枠だけがついている
こういうパターンが多いのです。
- ショッピング・買い物はできるけど、現金で直接借りることはできない
もちろん、学生の場合は税金や保険料などの支払いもないので、本来は「消費者金融人買いだけができればOK」なのですが、その返済のお金も、キャッシングで借りようとするという人は、やはり若年層でもかなりの数いるわけです。
(むしろ金銭感覚が未熟な分、学生の方が多いかもしれませんね)
こうした学生はクレジットカードの現金化に流れやすい
そして、こうした学生(別に学生だけでなく、パート・アルバイト・フリーターや会社員・OL・公務員などの社会人でも同様ですが)は、クレジットカードの現金化に流れやすい…ということなのです。
- 本来現金で直接借りることができない「ショッピング枠」を使って、「現金を用意する」ということですね
どういうことかというと、下の通りです。
- ショッピング枠を使って、何らかの商品を買う
- 借金では「新幹線のチケットや航空券など、金券類」が多い
- これをたとえば「50万円分」買ったら、それをクレジットカードの現金化業者に「45万円」で買い取ってもらい
- ショッピング枠を使って、現金を手にする
こうすれば、ショッピング枠であっても、現金でキャッシングすることができる…というわけですね。
「クレジットカードのキャッシング」とは
クレジットカードの現金化業者について話したついでに、クレジットカードの「キャッシング機能」についても解説しておきましょう。これはクレジットカードをすでに使っている大人の方なら知っているでしょうが、下のように言えます。
- クレジットカードには2つの機能がある
- キャッシング機能とショッピング機能である
そして、「現金を借り入れする」というのは、キャッシング機能でないとできないんですね。
キャッシング機能の方が、審査が厳しい
そして、この両者(キャッシング枠とショッピング枠)を比較すると、断然キャッシング枠の方が審査が厳しくなっています。理由は下の通りです。
- 現金は投資・ギャンブルなど、何にでも使える
- 夜遊びなどの浪費にも使える
- そのため、破産しやすい
破産者を出さないというのは、もちろん社会的な意義もありますが、クレジットカード会社にとっても、融資を回収するために必要ということです。なので、社会のためにも自社のためにも、クレジットカード会社は破産者を出したくないわけですね。
「夜遊びでもクレジットカードは使えるのでは?」(ショッピング枠の方)と思った方もいるかも知れません。確かに普通のバーとか居酒屋なら問題なく使えます。しかし、下のようにも言えます。
- キャバクラ・ホストクラブ・風俗店などは、その日にスタッフに「現金で日払い」をしないといけないので、基本的に現金商売である
そのため、下のように言えます。
- 現金での支払いしかできないか、クレジットカードが使えたとしても、手数料が「20%加算される」などの法外な設定
になっている…ということです。(法外な設定といっても、もちろん、使わなければいいだけなので、特に問題ありません。)
なので、この人は夜遊びで破産するかも知れない人だなと思ったら、(要するに信用度(クレジットスコア)が低い人なら)とりあえず「ショッピング枠だけ」与えておけばいいわけですね。そうすれば―。
- 投資
- ギャンブル
- 夜遊び
による破産のリスクは小さくなるわけです。
ショッピング枠であれば「他社への返済」にも使えない
もう一つ、ショッピング枠が破産者を出さない理由として、他での借り入れの返済に使えない…という点があります。キャッシング地獄にはまる人の原因の一つとして借金を借金で返済する…というものがあります。何となくわかるでしょう。こうなると、ひたすら借り入れが膨らみ続けるので、もうアウトというわけです。
なので、こうした方々についてもやはり「ショッピング枠だけ」与えておけば、少なくともこの理由によって破産することは防げるわけですね。
また、他の理由についても、特に破産のリスクが高いギャンブル・投資などは、上に書いた通り、ショッピング枠だったらすでに防げているわけです。なので、この点でも安心なんですね。
こう考えると、ショッピング枠がキャッシング枠に比較して、クレジットカード会社にとっていかに安全か…ということがわかるでしょう。なので、下のようになります。
- キャッシング枠…審査が厳しい
- ショッピング枠…審査がゆるい(キャッシング枠よりは)
となるのです。
両者の金利も違う
もう一つ金利も違います。あくまで大体の目安ですが―。
- キャッシング枠…消費者金融と同じ
- ショッピング枠…銀行カードローンと同じ
このようになっています。具体的に実質年率という数字で書くと下の通りです。
- キャッシング枠…年率18%(実質年率)
- ショッピング枠…年率15%(実質年率)
このようになっています。実質年率で言われてもわからないと思うので「月々いくら払うのか」で書くと、たとえば「30万円」を借りている場合、下のようになります。
- キャッシング枠…4500円
- ショッピング枠…3600円
繰り返しますが「1ヶ月の利息」です。そして、借入金額が変わると―。
- 10万円…キャッシング枠「1500円」ショッピング枠「1200円」
- 20万円…キャッシング枠「3000円」ショッピング枠「2400円」
数学や算数に強い人はすぐに気づいたでしょうが、下のように言えます。
- 10万円ごとに、キャッシング枠…1500円
- ショッピング枠…1200円
となっていて、あとはそれを掛け算していくだけ…という仕組みです。返済シミュレーションはクレジットカードでも、あるいは消費者金融・銀行カードローンでも、このように概算だと簡単にできるので、ぜひ覚えて下さい。
(消費者金融はキャッシング枠と同じ、銀行カードローンはショッピング枠と同じ…と考えて下さい。)
以上に書いた金額はあくまで概算なので、細部は多少違いますが、大体これでOKです。またあまり細かい一円単位の計算をするよりは―。
- 早く日払いのアルバイトなどを見つけて、臨時収入を得ながらどんどん前倒しで早期返済していった方がいい
といえます。早期返済をすると、利息が膨らまないというメリットもありますが―。
- 返済のモチベーションが上がるし、何度も稼いで返済しているうちに、それが習慣化し、さらに楽になる
こうした2つのメリットがあります。何でも、問題というのは小さいうちに早期解決するのが一番です。なので、キャッシングの返済でもぜひこうした「臨時収入を得て早期返済する」ということを意識して下さい。
(別に日払いのアルバイトでなくてもいいですけどね。要は「稼いで返済する」ということです)