銀行ビジネスローン・無担保ローン・事業性資金など|キャッシング用語集

前回の記事では「消費者金融の事業者向けローン」についてまとめましたが(消費者金融(プロミス・アイフル・アコム)のビジネスローン)、この記事で引き続き、ビジネスローンについて書いていきます。ここでは―。
- 銀行のビジネスローン
- 担保ローン
など、より「事業者より」の情報をまとめていきます。
目次 [非表示]
「ビジネスローン」とは
ビジネスローンとは「事業用のローン」です。ポイントをまとめると、下のようになります。
- 通常のキャッシングでは、「事業性資金は借入不可」というルールが多い
- 特に消費者金融ではそうなっている
- しかし、そんな消費者金融でも、消費者金融のビジネスローンだったら、事業用の資金調達ができる
もちろん、ビジネスローンを提供しているのは消費者金融だけではありません。クレジット会社やその他の金融機関(銀行含む)もやっています。
銀行のビジネスローン
銀行のビジネスローンの中でも三菱UFJ銀行のビジネスローン「融活力」でしょう。スペックを簡単にまとめると、下のようになります。
- 与信枠…最大で5000万円(500万円~5000万円、100万円単位)
- 実質年率…2.35%~9.00%(実質年率)
- 担保…なしでOK(原則。場合によっては有担保になる)
- 保証…代表者が連帯保証人になればOK
このように、三菱UFJ銀行のビジネスローンの例をあげましたが、消費者金融のビジネスローンとの違いは下のようになります。
- 金額が大きい
- 審査が厳しい
- 低金利
「担保」とは
担保は、カンタンに言うと「人質」です。人質が「物」になったり「不動産」になったりしたものです。要するに、下のように言えます。
- 借金返済をしなかった時に、代わりに取り上げるもの
(取り上げるというと、少々響きが悪いですが)
『デジタル大辞泉』の定義だと、下のようになります。
将来生じるかもしれない不利益に対して、それを補うことを保証すること、または保証するもの。抵当。
(https://kotobank.jp/word/担保-95485)
もっと簡単な言葉で書くと下の通りです。
- 起きるかも知れないトラブルに対して、保証を用意すること。
- あるいは、保証するもの
これだとわかりにくいので、借金の返済だけに限っていうと下のようになります。
となりますね。最後のは完全に「人質」ですが、連帯保証人は基本的に「人質」と思った方がいいでしょう。
(連帯債務者に至っては、人質を通り越して、もはや「生け贄」の領域に達しています)
「不動産」とキャッシング
不動産とキャッシングの関わりを箇条書きすると下のようになります。
- 基本的に不動産の担保はなくてもOK
- しかし、あると申し込みやすい
- その場合は、通常の「無担保ローン」ではなく、「有担保ローン」(不動産担保ローン)で申し込んだ方がいい
その方が―。
- 審査に通りやすいし、借入可能金額も大きくなる
「無担保ローン」とは
無担保ローンとは、文字通り「担保なし」のローンです。
- 不動産や、保証人などの「人質」を、一切用意しないで借り入れできる
こういうローンですね。基本的に消費者金融や銀行カードローンは全部そうです。もちろん、クレジットカードもそうです。
戦後しばらくの日本では、「無担保で融資する」なんてことは、考えられませんでした。事実、アコムの木下社長が1960年代に勤め人信用貸し(直訳すると、サラリーマン金融)というビジネスを知った時「無担保」というのを聞いて、驚かれた…ということです。驚かれた理由は下の通りです。
- 当時お金を借りる方法といったら、「質屋」が唯一のものだった(庶民は)
- 陰気なお店に、質草を抱えてコソコソ入っていく
- というのは、誰にとっても恥ずかしいものだった
これらしかし、無担保の「勤め人信用貸し」だと下のように言えます。
- 「収入証明書」や「身分確認資料」などの書類だけを持って、手ぶらでスマートにお金を借りられる
こういうことで、木下社長(当時)は衝撃を受けたらしいんですね。『理解されないビジネスモデル 消費者金融』の中で語られています。今でこそ「無担保ローン」は当たり前ですが、当時としては(戦後の日本としては、画期的だったのです)。
「勤め人信用貸し」とは
勤め人信用貸しとは「消費者金融の古い言い方」です。
- 勤め人…サラリーマン
- 信用貸し…クレジット
「何で信用貸しがクレジット?」と思う人もいるかも知れませんが―。
- クレジットは英語で「信用」という
- 信用して、その人にお金を貸すから「クレジット」という
- つまり「クレジット」を和風に言うと「信用貸し」である
余談ですが、クレジットの語源はラテン語の「credo」(クレド)で、「信条・約束」などの意味です。プロミスのブランド名の由来も、こういう考え方から来ていると推測されます。
『理解されないビジネスモデル 消費者金融』
この本は、2008年に「時事通信出版局」から出された書籍。経済評論家として有名な藤沢久美氏を中心に、消費者金融の経営者などにインタビューして、まとめられたものです。この本の読みどころをざっと箇条書きしていくと、下の通りです。
- 消費者金融の歴史がよくわかる
- 特に戦後、アコムやレイク(当時は消費者金融)が、どうやって成長してきたのか
こういうことが、非常によくわかります。たとえばまだ「銀行提携ATM」すらなかった時代に、アコムは「提携ATMの原型」を作ったのですが、「封筒に入れた2万円」が、機械から落ちてくるという、自動販売機のような「手作り感」のある、可愛らしいものだったようです。
また、今でこそ「お金に困った人が利用する」というイメージがある消費者金融ですが、当時は「高額所得者のためのサービス」で―。
- レイクは「大阪の、マスコミ関係者」を中心に融資していた
- 彼らは接待で、高額の現金が必要になることが多いし、原稿を書いたりして日銭を稼げるので、すぐに返済できる、また、そもそも高額所得者である
こういうことで、今で言う電通・博報堂などの社員さんが借りるというイメージのサービスだったんですね。
ということで、現代の消費者金融やキャッシングとは「だいぶ違うイメージ」だった、昔の消費者金融のことがよくわかります。歴史が好きな方にとっては、(特に戦後の「古き好き日本」が好きな人は)そういう視点で見ても、面白い本ではないかな、と思います。