18才・20才のキャッシングと、3件規制・親権者・民法など|キャッシングの用語集
目次
この記事のまとめ
この記事では―。
を、まとめています。特に「3件規制」については下の通りです。
- どのキャッシングの情報サイトでも、「論文や書籍の参照」が一切ない
のですが、それを探してきました。(『これからの消費者金融のあり方とは』)
消費者信用の歴史について、学術的に研究している方など、参考にしていただけたら幸いです。
「20才」のキャッシング
キャッシングは20才になってから…ではありませんが、20才以上になると、問題なく借入審査に通るようになります。
いや、問題なく通るかどうかは、その人のクレジットスコア次第ですが、とりあえず年齢条件に引っかかることはなくなる…というわけです。
もともと、18才・19才でも―。
これらなら、ハタチになる前から借入可能…という点は指摘できます。ただ、上の2つの借入方法は、下のようになります。
こういうデメリット・短所があります。具体的には―。
クレジットカードのキャッシングについては、20才以上だったらもっと融資可能なのですが、未成年・10代でキャッシング機能を利用しようとすると、このくらいの小口借入になってしまう…というわけなんですね。
キャッシングで「融資可能」となる条件
キャッシング審査で融資可能となる条件は「借入可能」の記事で書いた内容と大体同じですが―。
の2点で決まります。それぞれの意味は下のようになります。
このようになるわけです。
- 恋愛とかでも見る情報…属性情報
- キャッシング業者だけが見る情報…借入情報
(いや、恋愛や結婚でも、相手の借金は、あると知っていたら、調べたいでしょうが…)
何はともあれそういう―。
こういう2通りに分かれる…ということですね。ちなみに、どちらも個人信用情報を見ればわかるので、消費者金融でも、クレジットカードや銀行カードローンでも、必ず指定信用情報機関に保管されている「個人信用情報」をチェックします。
(で、ここに重大な返済トラブルが記録されている状態のことを、俗にブラックリストと言います。あくまで俗に言うだけで、正式にブラックリストというものが存在するわけではありません。)
「民法」とキャッシング
民法とキャッシングの関わりは深いです。「何で?貸金業法じゃないの?」と思う人もいるでしょう。これは、下の通りです。
- ホームページの情報と同じで、「すべての内容」を「一箇所」にまとめるのは、無理
このようになるわけです。
- 「貸金業のルールについる
- まず「貸金業法」でダ~ッと、書く
これが、始まり。しかし、書いているうちに―。
このようにだんだん、他のジャンルとかぶってくるのです。なので、下のようになります。
- 自己破産について…「破産法」
- 未成年について…「民法」
- 分割払いについて…「割賦販売法」
このように「それについては、こちらをクリック」というように「他の法律に、説明を譲る」わけです。
そして、そうやって肥大化 して分厚くなったのが「六法全書」ですが、何はともあれこのように「民法とカードローン」が関わる部分も、あるということです。
具体的に、どこで関わるのか?
一番多いのは未成年者の契約取消権です。これは、下の通りです。
- 未成年者が、親権者の同意書なしで結んだ契約は、破棄していい
つまり、キャッシングだったら「借金がチャラ」になるわけです。超合法で。
具体的には、民法の中の、下のような条項で決まっています。
- 4条…20才からが、「成年」です
- 5条1項…親権者の同意なしで、未成年は契約を結んではいけません
- 5条2項…もし、そうやって契約を結んだら、それは取り消せます
このルールがあるので―。
「親権者」とは
親権者は、「未成年に対して、親権を行う人」です。
- 簡単に書くと…保護者
- もっと簡単に…親
親がいるなら、親が「親権者」です。(当たり前ですが)
そして、「子供の側」も条件があって、下のようになります。
- 未成年
- 結婚してない
以下、正式な定義を、Wikipediaから引用して、要約します。
(https://ja.wikipedia.org/wiki/親権者)
親権者(しんけんしゃ)とは、未成年者(満20歳未満の者であって(民法第4条)、婚姻をしたことがないもの(通説。民法第753条参照))に対して親権を行う者をいう。
要約すると下のようになります。
- 「親権」を持つ人である
- 誰に対して?
- 「未成年」&「未婚」の若者
で「未婚」については「通説」です。
- ハッキリ決まっているわけではない
- しかし、民法753条では、未成年が結婚したら、成人したと見なす
- …という一文がある
「民法で書いてあるなら、法律的に決まってるわけでしょ?」と思われるかも知れませんが―。
- これは「成年擬制」というもので、あくまで「擬似的」な「制度」ということ
- 実際には「まだ18才・19才」なのだから、「結婚したから」といって、「成人」扱いしていいのか?
- …という疑問が残る
これがいわゆる「法律の解釈」というものです。意外と「ハッキリ決まっていない」んですね、法律というのは。
(キャッシングの金利を決める法律も、長年「2つ」ありましたし。それでグレーゾーン金利というものが存在したのです)
そして、さらに続きを引用すると下のようになります。
親権者は、未成年後見人などとともに、保護者となる(児童福祉法第6条、学校教育法第22条第1項、少年法第2条第2項など)。
これは、下の通りです。
- 親権者は、「保護者」になります
そして、下のように言えます。
- 「親権者」だけではない
- 「未成年後見人」なども、やはり「保護者」の権利を持ちます
そして、それを「決めている法律」が、
- 児童福祉法第6条
- 学校教育法第22条第1項
- 少年法第2条第2項
- などです
このような意味ですね。要は「親権者」も「未成年後見人」も「両方、保護者」ですということです。「どっちが保護者か」という喧嘩になった時のためのルールですね。
「18才」のキャッシング
「13才のハローワーク」のようですが、18才のキャッシングについてまとめると、下のようになります。
こういうのが基本。
ショッピング枠だったらもっと与信枠をもらえるのですが、キャッシング枠は破産のリスクが高いということで、こうして基準が厳しくなる…ということですね。
ちなみに、ショッピング枠だと借入枠がいくらもらえるのかというと、下の通りです。
大体「半年~1年、延滞・滞納なしで利用していると、増額される…ということが多いです。
この「半年から1年」というのは、一応の根拠があって、それが見直し審査というものです。これについて解説していきます。
「見直し審査」とは
見直し審査とは「数ヶ月から1年ごとに、その人の信用度を再審査する」というもの。
このようなことを、逐一チェックするわけですね。そして、下のように言えます。
こうして定期的に見直し審査をすることで、借入超過者を出すことを防ぐ…というわけですね。
融資枠が「減額」される条件
キャッシング枠の減額については、2通りのパターンがあります。
- 「本人」が申請した
- 「業者」がやった
「自分で減額する」というのは、下のように言えるからです。
- 借り過ぎないため
- 使わないので、盗まれた時などのリスクを下げるため
そして、キャッシング業者によって減らされるというのは、下のように言えるからです。
一番多いパターンが―。
- 他社借入が増えた
- 転職・退職した
こういうものです。「お給料が減った」ということについては下の通りです。
- 本人が申告しない限り「バレない」ので、これが原因で減枠されることは、基本的にない
「借り過ぎ」の定義
借り過ぎの定義なんて、必要なのか?―と思われるかも知れませんが―。
- 「飲み過ぎ」の人ほど、「俺は酔ってないぞ~~」と言う
こういう現実を見れば「これこそ、定義が必要」というのがわかるでしょう。
そして、どう定義するかですが―。
- 件数
- 金額
の2点で定義できます。
- 件数…3件以上
- 金額…年収の3分の1以上
このような風ですね。それぞれどんなルールで決まっているかというと、下の通りです。
- 件数…3件規制
- 金額…貸金業法第13条の2第2項の規定
こういうものです。貸金業法第13条の2第2項の規定は貸金業法のルールですが、詳しくはリンク先を読んでください。以下、「3件規制」について解説します。
「3件規制」とは
3件規制は、「借入件数は、合計3件までに抑える」という、貸金業界の「自主規制」のルールです。
- 3件目までは借りられる
- 4件目からは、借入不可
より詳しく書くと下の通りです。
- 1997年に発足した、「消費者金融連絡会」が定めた
消費者金融連絡会というのは、当時の「大手5社」が集まったもので―。
こういう5社です。当時の大手は、これに新生銀行カードローン レイク(当時は「ほのぼのレイク」)も加えて、「タパルス(TAPALS)」とも呼ばれました(それぞれの頭文字をとったわけですね)。
そして、そのTAPALS(タパルス)が決めたルールの一つが「3件規制」ということです。
なお、これが存在したことがわかる資料として、下の論文があります。興味がある方は、見てみてください。↓
『これからの消費者金融のあり方とは』(花嶋和成・国際ビジネス研究センター)
「3件規制」の別名
3件規制にはいろいろ別名があって、下のようになります。
- 3件ルール
- 3件規定
- 3社規制
- 3社規定
- 3社ルール
となります。要するに「3社・3件」と「ルール・規制・規定」の組み合わせですね。どれも同じ意味です。
『これからの消費者金融のあり方とは』
これは3件規制の存在を確認する上で、役立つ資料です。概要は下の通り。
- 主題…『これからの消費者金融のあり方とは』
- 副題…「顧客との望ましい関係について」
- 著者…花嶋和成(消費者金融会社 審査担当者)
- 団体…国際ビジネス研究センター(IBI)
- URL…http://www.ibi-japan.co.jp/japf/pdffiles/07_06.pdf
以下「3件規制」が消費者金融の中で確かに存在することがわかる部分を、引用させていただきます。
平均残高…107.4万円、平均貸付件数…2~3件となっています。(15P)
あくまで「平均」ではありますが、「3件以内」に収まっていることがわかります。「平均」ということは、当然4件以上借りている人もいたわけですが―。
- この調査は「中小のキャッシング業者」で借りた人も含んでいる
- 「3件規制」は、あくまで「消費者金融連絡会」に所属する業者だけのルール
- つまり、すべての貸金業者が守るわけではない
- だから「全体」では、4件以上借りる債務者も、当然出る
そして、さらに引用します。
図表3-1にならって30歳代男性の平均値である借入残高136万円、貸付件数3件をモデルとする。
ここでもやはり貸付件数3件が平均である、とわかります。
「30代」以外の全年齢層で、貸付件数の平均を一覧にすると、下の通りです。
- 20代以下…2.3件
- 30代…2.7件
- 40代…2.8件
- 50代…2.7件
- 60代…2.5件
- 70代…2.0件
こういう風。「平均、3件じゃなくない?」と思った人もいるでしょう。パット見「2件」に見えます。ただ、下のように言えます。
- キャッシングの主要顧客は、30代と40代である
- この2つで、大体「70%」を占める
これは現代でもそうです。そして、下のように言えます。
- その30代・40代が、2.7件、2.8件なので、大体「3件」ということ
ですね。余談ですが、上の統計の「70代」の平均借入金額が「107.3万円」です。70代でこの借金はヤバイだろう…と誰もが思う金額でしょう。ここ数年話題になっている「下流老人」ですが、この頃からすでに存在していたんですね。
「4件目」でも、少額なら融資していた?
ここまで書いた通り「3件規制」は業界全体で浸透していたのですが、例外もあったようです。
と判断されたケースですね。そういう「4件目」があった証拠として、アコムの公開資料が紹介されています。これは、下の通りです。
を示すもの。要は「0%」だったら、その件数の人には融資していないということです。そして、一覧にすると下の通りです。
- 0件…46.8%(実質年率)
- 1件…24.7%(実質年率)
- 2件…14.9%(実質年率)
- 3件…8.9%(実質年率)
- 4件…0%(実質年率)
一見「3件ルール」に見えますが、よく見ると、下のようになります。
- すでに「他社借入が3件ある」人に対して、8.9%、融資している
つまり、アコムも「4件目」の人に対して、融資をしていたわけです。
ただ、これは当然
- 「審査が甘い」とか、「3件規制を守っていない」
こういうことではなく、先に書いた通り―。
- それぞれのキャッシング金額が少額だったり、「何らかの事情」があるのであれば、柔軟に対応するのが正しい
当然ですが「返済されないと、困るのはアコム」なのですから、その辺の「返済能力の調査」はしっかりしているわけです。
結論…「3件ルール」は例外もあった
この統計からわかることは、下のように言えます。
- 「3件ルール」は、ほぼ機能していた
- 大手だけでなく、業界全体で「平均3件」だった
- しかし、「4件目」の貸付もあった
- アコムの場合「8.9%」だった
ここではアコムのみ紹介しましたが、他の大手の審査基準も当時、大体同じと言われていたので、同様の割合と思っていいでしょう。