キャッシングの用語 ~クレヒス修行・クレジットスコア・ハウスカードなど~
キャッシングやカードローン・クレジットカード等に関する用語で、下の4つの単語についてまとめています。
- クレジットヒストリー
- クレヒス修行
- ハウスカード
- クレジットスコア
どれも「借入・返済の履歴」に関わることなので、特にブラックリストの「喪明け」の方(あるいはそれを待っている方)などに、参考にしていただけたら幸いです。
「クレジットヒストリー」とは
クレジットヒストリーとは「借入・返済の履歴」のことです。
- どういう借入先から、どれだけの金額を、どのくらいの期間、どうやって返済しているか
借りたことがない方がいい、と思っている人が多いかも知れませんが、これは違います。というのは、下のように言えるからです。
- 「借りたことがない」人よりも、「たくさん借りて、たくさん返済」する人の方が有利
なわけです。
たくさん借りて、たくさん返済するのがいい理由
これは少し考えればわかりますが―。
- 消費者金融・銀行カードローン側に利益をもたらしてくれる
- また「実際に返済できる」だけの実力があることを示している
「年収・職業も、実力じゃないの?」と思うかも知れません。確かに実力といえば実力です。しかし、下のようにも言えます。
- 職業・年収などは「返済できそう」という、「潜在能力」としての「実力」である
- それに対して、クレジットヒストリーは、「実際に返済した」という、「実績」としての「実力」である
当然、どちらを重視すべきかは言うまでもないでしょう。(日本の人事制度だと、これが歪んでいることもよくありますが)
まともな人間の判断であれば実績に勝る実力はないということで、職業・年収などの「属性情報」よりも、クレジットヒストリーが重視される…ということなんですね。
「クレヒス修行」とは
クレジットヒストリーに関連して、「クレヒス修行」という単語があります。これは、たくさん借りて、たくさん返済して、クレジットヒストリーを改善するというもの。上に書いた内容を「意図的に」実践するものです。
- 過去に延滞・滞納をしてしまったりして、大幅にクレジットスコアが下がっている人が、それを上げるために、RPGのレベルアップのような感じで、たくさん借りて、たくさん返済しながら、徐々にクレジットスコアを上げていく
(クレジットスコアというのは、クレジットヒストリーを点数化したものです)
「たくさん借りて、たくさん返済」をどうやってするのか
これは、下の通りです。
- 今すでにクレジットカードを持っている…それを使う
- クレジットカードがない…「ハウスカード」を発行する
ハウスカードというのは、下のように言えるからです。
- 特定の会社のサービス・商品でしか使えないクレジットカード
- 特定の利用用途でしか使えないので、破産のリスクが小さい
- また、それを発行する百貨店などにとって、自社の商品の売上が伸びる…というメリットもある
これらの理由からハウスカードは、クレジットカードの中で特に審査基準がゆるめなんですね。「審査が甘い・審査がゆるい」と明言することはできませんが、それでも―。
- 「何にでも使える」一般的なクレジットカードと比較すると、「審査に通った」という方々の体験談から見て、「審査通過率が高めと推測される」
こういうのは、間違いありません。実際、クレヒス修行をする人々は、ハウスカードを発行して、それで出来る限りショッピングするようにし、クレジットヒストリーの改善をしています。
「ハウスカード」とは
ハウスカードとは、特定の場所でしか使えないクレジットカードのこと。たとえば、例を出すと下の通りです。
- エポスカード…百貨店のマルイのみ
- コスモ・ザ・カード・ハウス…コスモ石油のガソリンスタンドなど、のみ
これが、有名なハウスカードです。そして、特にマルイだったら衣食住に関連するものも買えるということで、ショッピングを集中させやすいわけですね。なので、下のようになります。
- エポスカードを発行する
- それで出来るだけ買い物する
こういう方法で、クレジットヒストリーを高めることができるわけです。
ハウスカードから、通常のクレジットカードへのレベルアップも
エポスカードもそうですが―。
- ハウスカード(マルイでしか使えない)を利用し、良好な借入実績を積み重ねると、「どこでも使える」通常のクレジットカードに、そのまま「ランクアップする」
こういうシステムもあります。要は「修行期間」のようなものですね。それが終わって、晴れて「普通のクレジットカードになる」ということです。
ブラックリストなどに入ってしまった人は、いきなり普通のクレジットカードの審査を申し込むよりも、こうして―。
- まずハウスカードから始めて、そのまま、そのカード会社の「普通のクレジットカード」に出世する
こういうコースが、一番最短かつ確実といえます。
「クレジットスコア」とは
クレジットスコアはその人の信用度を点数化したものです。点数化する作業のことを「スコアリング」といいます。
そして、信用度をどうやって判断するかというと、主に2通りの情報で判断します。
- 属性情報
- 支払情報
それぞれの意味を書くと下の通りです。
- 属性情報…年収・職業・自宅情報など「個人的な」情報
- 支払情報…これまでの「借入・返済の履歴」
このようになるわけです。
- 属性情報…どういう人か
- 支払情報…どう借入・返済してきたか
まず―。
- そもそも「人間として信用できるか」を見て、次に「お金の支払いに関して、信用できるか」
このように、二段階で判断する…というわけですね。企業の採用でも―。
- 人間性
- 能力
こういう二点で、大体判断しているはずです。(外見は能力と人間性、どちらにも含まれます。家柄も、場合によっては「能力」です)
そして、キャッシングの世界では「能力」というのは「支払能力」のことなので、借入・返済の履歴も見る…というわけですね。
クレジットスコアはどうやって確認できるのか?
これは確認できません。実はマイクレジット社というベンチャー企業さんが、クレジットスコアを見られるサービスを開発されていたのですが、残念ながらなくなってしまったようです(サイトが消えているので)。
これはどういう仕組みだったかというと、下の通りです。
- 自分でCIC(シーアイシー)などの個人信用情報機関に、個人信用情報の「開示請求」をして、そこで開示された信用情報を、マイクレジット社に、伝える
- マイクレジット社が、それを点数化する
こういうものです。
- あくまで「マイクレジット社」のスコアリングであって、すべての消費者金融・銀行カードローンが、そのスコアリングの基準でやっているとは限らない
- ↑(もちろん、かなり信用できる基準ではありますが)
こういうのが一つの懸念だったのと、もう一つ―。
- 個人信用情報は、言うまでもなくトップシークレットである
- 職業や年収などの、超プライベートな個人情報どころか、これまでの借入・返済の履歴が「月単位」で見られるなど、ヤミ金などの違法業者の手に渡ったら、かなり危ないものである
そのため、CIC(シーアイシー)なども「マイクレジット社と、弊社は提携しておりません」というような文言を、サイトに書いていたんですね。「提携していない」=信用できないというわけではありませんが―。
- 少なくとも、CIC(シーアイシー)は、その時点(マイクレジット社が活躍していた頃)は、「まだ信用度が足りない」と思っていたから、提携していなかった
もし十分に信用できて、有意義なサービスであると判断すれば、提携するはずですからね。少なくとも「提携しておりません」と、公式サイト上で「反対の立場」を匂わせるような文言は書かないでしょう。
ということからも、マイクレジット社の利用に二の足を踏む消費者が一定数いたため、おそらく事業が難航したのではないかと思われます。
発想自体は、非常にいい
ただ、このマイクレジット社の発想自体は、非常にいいものだったのです。というのは、下のように言えるからです。
- アメリカなどのクレジット先進国では、すでにこうしたサービスが「当たり前」になっている
そして、下のように言えます。
- このサービスがあるから、利用者は「自分のクレジットスコア」がわかるだけではなく、「自分なら、どこからいくらの金利で借りられるか」がわかる
つまり情弱ではなくなるということです。そして、利用者がそうして「情報弱者」ではなくなると―。
- キャッシング業者やクレジットカード会社は、「適当な情報」を発信することができなくなる
- 本当は高金利なのに「低金利」とうたっていても、利用者にはすぐバレてしまう
なので他社と競争して、サービスをよくせざるを得ないということですね。こうやって―。
- クレジットカード会社やキャッシング業者の競争を促進することで、金利を全体的に下げさせることができるし、利用者も自分のクレジットスコアを意識することで、金銭感覚が自然と養われる
実際、人間は何でも―。
- 点数化
- 見える化
をされると、それについてのモチベーションが上がる、ということがわかっています。たとえば腹筋でも「とりあえず、たくさんやれ」と言われてもやる気がでないでしょうが、「100回」という区切りがあったら、やる気が出るでしょう。また、逆にたくさんやりたい時は「1000回」などの目標を立てると、やはりやる気が出るはずです(好きな人は)
というように、日本でも、自分のクレジットスコアを、リアルタイムで把握できるサービスがあればいいということは、前々から言われていたんですね。実は今も言われています。
『リテール金融のイノベーション』の指摘
金融財政事情研究会が発行している書籍で『リテール金融のイノベーション』というものがあるのですが、この本でもまさに欧米のように、自分のクレジットスコアを簡単に確認できるサービスを導入するべきという主張がされています。
もちろん、「法的な問題など、クリアすべき課題は多い」と書かれていて、マイクレジット社は残念ながら「時代の先を行き過ぎた」のかも知れませんが…。とにかく、マイクレジット社のやったことは、学者・専門家の方々からみても「間違っていない」のです。
そもそも日本人は「クレジットスコア」の存在自体知らない
アメリカのようなクレジット大国では、「クレジットスコアというものが存在している」ということを、一般人でも皆が知っています。なので、オンラインで自分のクレジットスコアが確認できるというサービスは―。
- 誰もが利用したがるので、事業としても採算に乗りやすいし、皆が使っているということで、個人情報のリスクなども、あまり不安視されない
となり、普及しやすいわけです。またそうして利益が出るということは、セキュリティにさらに投資できるということで、安全面のリスクがますます下がっていく…ということなんですね。
なので、日本でもアメリカのように「クレジットスコアを意識する」という文化さえ根付けば、マイクレジット社の試みは正しかったわけです。ただ、下のように言えます。
- インターネットが普及し始めた頃、ハイパーネットが始めた「無料インターネットサービス」が、早過ぎて世間に受け入れられなかった
こういうのと、今のマイクレジット社は、同じ状況なのかも知れません。(本来、こういう早過ぎた人々ほど、高く評価されるべきだと思うのですが…)