個人信用情報とは ~年収・職業などの属性情報と、借入・返済の履歴の支払情報~
個人信用情報とは何か。Wikipediaの定義では、下のようになっています。
個人の年収や住宅情報、勤務先等の属性情報及び、ローンや公共料金等の支払い情報のこと。
これを分解すると下のようになります。
- 年収
- 住宅情報
- 勤務先
- ローンの支払い
- 公共料金の支払い
などの情報、ということですね。そして、大別すると下のようになります。
- 属性情報
- 支払情報
こうした2つになるということです。
- 属性情報…年収や職業など
- 支払情報…借入・返済・支払の情報
こういう風ですね。平たくいうと下のようになります。
- 属性情報…どのくらい返済「できそう」か
- 支払情報…どのくらい返済「してきた」か
とも言えます。
- 属性情報…可能性
- 支払情報…実績
で、どっちが重要かは言うまでもなく「実績」です。つまり「支払情報」の方ですね。支払情報は「クレジットヒストリー」といいます。
これは最近「クレヒス」という略称でよく知られるようになりましたが―。
- クレジットカードなどの審査に通るには、このクレヒスという略語が広まるくらい、クレジットヒストリーが重要である
ちなみに、「クレジット」というのは、英語で「信用」のことなので、クレジットヒストリーというのは「信用の歴史」ということです。その人が歩んだ道…のようなものですね。大仰に言うと。
個人信用情報とブラックリストは、イコールではない
最近よく、個人信用情報とブラックリストを混同する見方が強まっています。気持ちはわかります。というのは、下のように言えるからです。
- 普通にしている限り、個人信用情報は人々の生活には影響しない
- しかし、長期延滞などの問題を起こした時のみ、影響する
- ↑(クレジットカードの審査に通らなくなるなど)
- なので、「個人信用情報を意識する時=ブラックリストになった時」となり、「個人信用情報=ブラックリスト」となりやすい
これは確かにやむを得ないことです。しかし、ブラックリストというのは「公式には存在せず」、あくまで
- その人の「借入・返済の履歴」を、そのまま機械的に、率直に記録したら、「この人には融資できない」「しない方が本人のためでもある」と判断され、それで借入審査に通らなくなる
こういうことなのです。「結果的にそうなる」というだけであって、個人信用情報はあくまで冒頭に書いた通り「ただ、その人の属性情報や支払情報を記録しただけのもの」なんですね。
(なので、それがマイナスに出たら、極端な話本人が悪い…ということです。私もクレジットカードの強制解約になった人間なので、気持ちはよくわかりますが。笑)
どのような内容が「ブラックリスト」になるのか?
そして、具体的にどのような内容が、個人信用情報の中でブラックリストとして記録されているのか。これは一覧にすると下の通りです。
- 重度の遅延
- 強制退会・強制解約
- 代位弁済
- 債務整理
こういう4通りに分かれます。そして、それぞれ簡単に内容を書いていくと、下のようになります。
- 強制解約…そのまま
- 長期延滞…61日以上~3ヶ月以上の延滞・滞納(日数は変わることもある)
- 代位弁済…本人以外の人の返済。主に貸し倒れになって、保証会社が代わりに返済すること
- 債務整理…自己破産・個人再生・特定調停・任意整理のこと
それぞれクリックで用語集に飛びますが、ここでも内容を説明していきます。
強制退会・強制解約とは?
まず、一番わかりやすいのは「強制退会・強制解約」でしょう。文字通り「強制的に退会・解約になる」ということです。そして、原因は2通りあり―。
- 重度の遅延・延滞
- 規約違反
のどちらかです。
- お金がなかった
- 悪意があった
のどちらかですね。ちなみに、規約違反の方はめったにないのですが、割とよくあるのは―。
- クレジットカード
- 携帯キャリア決済
- …などの「ショッピング枠の現金化」の業者を使う
これはお金がない人がたまにやってしまうことですが(私も過去にやろうとして電話しましたが)、これはクレジットカード会社の規約違反となるので、利用してバレたら、強制解約となります。これはよくあるパターンなので、注意してください。
ショッピング枠の現金化は、クレジットカード会社の覆面調査によってバレる
クレジットカードの現金化にしても、携帯キャリア決済の現金化にしても―。
- これらの「ショッピング枠の現金化」については、クレジットカード会社も覆面調査をするなどして、対策している
- そのため、ネットで検索してヒットするような業者を使うと、かなりの高確率で、クレジットカード会社にバレる
こういうことが言えます。そういう現金化業者だったら、クレジットカード会社もすぐに発見して、「実際に利用してみる」からですね。
「じゃあ、街中で見かける怪しい看板に電話すればいい」のかというと、もちろん、これはこれで危険です。
- そういう看板を見て電話してくる人というのは、ネットすら満足に使えない、かなりの貧困層である
- (携帯料金を払っていないとか、ネットカフェのお金も払えないとか)
- なので、現金化業者も「足元を見て」手数料をふっかけてくる
実際、本来「お金がない人ほど、手数料は払えない」はずなのですが、こういう悪徳業者の世界では、お金がない人ほど、むしろたくさんの利息や手数料を払っているという実態があるわけですね。
これは別に「金融業」とか「貸金業」というビジネスが悪いわけではありません。当然ですが、まともな消費者金融や銀行カードローンであれば―。
- こうやって貧困層が苦しくことがないよう、「金利」や「融資枠」などに、多くの制限がある
- この制限は「国が決めたもの」なので、当然まっとうである
- ↑(日本という国がまっとうであれば)
- なので、これで払えないのはもともと本人に問題があったということ
こういうわけです。実際、払えないような人は最初から大手の消費者金融や銀行カードローンの審査には通らないですからね。なので、別に貸金業や金融業が「足元を見ている」ということはないのです。貧困層の足元を見るのはあくまで悪徳業者だけです。
このように、少々話がそれましたがこのように―。
- 強制解約の原因には「規約違反」があって、普通にしている分には「規約違反」になることはないが、クレジットカードや携帯キャリア決済の現金化業者を使うと、それで強制退会・強制解約になってしまうので、注意
このようになるわけです。
長期延滞による強制退会・強制解約について
強制退会・強制解約になる原因はもう一つ「長期延滞」もありますが、これは、下の通りです。
- どのくらいの日数で、強制解約になるのか
- そもそも、「重度の遅延・延滞」との違いは何なのか
と思う人も多いでしょう。この線引きや基準は曖昧です。
- クレジットカード会社や消費者金融などによるし、その利用者の状況・条件によっても違う
大抵の場合、下のようになります。
- 2ヶ月~3ヶ月程度の遅延なら、強制解約まではいかず、「長期延滞」として記録される
- しかし、それ以上になると強制解約になる
こういうのが基本のようです。しかし、下のようにも言えます。
- それまでの利用状況が悪質だったり、延滞・滞納している金額が大きい場合などは、1ヶ月程度の遅延・延滞でも、強制退会になることがある
私もクレジットカードの返済に遅れて1ヶ月で強制解約になったことがあるので、これは間違いないです。その時は「借入残高の一括返済」をしようとして失敗した…というのも理由の一つですが、このように「金額が大きい時」は、割と短期間の遅延・延滞でも、強制退会になることがあります。
重度の遅延・延滞について
2つ目のブラックリストの条件である「重度の遅延・延滞」。これはブラックリストに入る原因として、もっとも多いものの一つです。そして、どのくらいから「重度の遅延・延滞」と呼ばれるかというと、下の通りです。
- 61日以上~3ヶ月以上、というのが一つの目安
- これはCIC(シーアイシー)が公式に発表している数値
- しかし、JICC・KSCは「長期延滞」の基準として、特に明確な日数は決めていない
- 基本的に「加盟している業者・銀行が、その延滞情報を連絡してきたか」で決まる
このようになっているようです。もちろん、CIC(シーアイシー)にしても基本的には、加盟している業者・銀行(利用者が借りている業者・銀行)からの連絡がない限りは、基本的にどの支払情報も登録されません。なので、必ずしも「2ヶ月~3ヶ月」の遅延・延滞で、重度の延滞として記録されるかどうかは不明です。
(不明というより、ケースバイケースですね)
何にせよ、普通に利用している分にはこういう「ブラックリストになるレベルの延滞・滞納」というのはありません。
短期間の遅延・延滞だと、記録はどうなる?
たとえば数日から1週間のような「短い日数の延滞・滞納」の場合、個人信用情報での記録はどうなるのか。これは最長2年間、記録されることがあるといえます。箇条書きしていくと、下の通りです。
- CIC(シーアイシー)の支払情報には、「過去2年間」の「毎月の支払状況」が記録される
- そこで、返済に問題がなかった時は「$」という入金区分コードが書かれる
- 逆に延滞・滞納した時は「A」というマークが書かれる
そのため、こうして「A」や、その他の「遅延・延滞」を示す入金区分コードが書かれたら、その記録は、最長で2年間残るというわけですね。
これはブラックリストではない
ただ、こういう「軽度の遅延・延滞」については、ブラックリストにはなりません。あくまで「審査で不利になる」というだけであって「必ず審査落ちする」わけではありません(ブラックリストは、ほぼ確実に審査落ちします)。
- 「重度の遅延・延滞」だったら、問答無用で審査落ちになるけど、「A」などの入金区分コードが書かれているだけの「軽度の延滞・滞納」だったら、その他の年収などの条件が良ければ、審査に通ることもある
この場合は、最終的には総合的な信用度(クレジットスコア)で決まるので、要はケースバイケース…ということになります(キャッシング審査は常に、最終的にはケースバイケースなのですが)。
代位弁済とは?
代位弁済とは、キャッシング用語としては、下の通りです。
- 返済不能になって、その人の「保証人」の代わりをした、保証会社が「代わりに返済」する
となると「借金帳消しになるのか?」と思うかも知れませんが、もちろん、そのようなことはなく―。
- その後は、その保証会社が、もともとの消費者金融・銀行カードローンに代わって取り立てに来る
こういうだけの話です。当然ですが、下のように言えます。
- 保証会社の信用を損ねた上に、督促の手間もかけているし、そもそも延滞・滞納しているので、いろいろと「遅延損害金」がついてきます
こういうことで、当たり前ですが、代わりに返済してもらって、得することは何もありません。
「保証会社の信用を損ねた」というのは?
これは、たとえば下のように言えます。
- あるクレジットカードは「ジャックス」を保証会社にしている
- そして、Aさんがそのクレジットカードの審査を受けた
- そして、ジャックスが「OK。このAさんは信用できます」と、クレジットカード会社に対して「保証」した
とします。しかし、そのAさんが貸し倒れになったら、クレジットカード会社は―。
- うーん、ジャックス大丈夫か?
- これが何度か続いたら、保証会社を切り替えよう
もちろん、ここでJACCSを出したのは、特に有名なクレジット会社&保証会社だからであり―。
- 実際のJACCSで、このような「保証業務のエラー」はほとんど起きないですし、それだけに、JACCSが保証会社になっている時は、それなりに信用度(クレジットスコア)が高い人でないと、審査に通らない
と考えて下さい。そのように審査が厳しい代わりに、ジャックスが保証会社になったら、大抵のクレジットカード会社などは安心できる…ということなんですね。
正式な代位弁済とは?
そして、代位弁済の正式な意味というのは、下のように言えるからです。
- 「誰かが代わりに返済すること」ではなく、法律の「代位」という行為が伴う返済
こういうのが条件になっています。そして、「代位」とは何かというと、下の通りです。
- 銀行カードローン・消費者金融などが、利用者に対して、「取り立てする」権利を、交代する
そのため、たとえば、例を出すと下の通りです。
- Aさんが、楽天銀行スーパーローン(カードローン)からお金を借りた
- この場合、楽天銀行が「取立権」を持っている
- しかし、Aさんが返済不能になって、「Bさん」が、楽天銀行スーパーローン(カードローン)に対して代わりに返済した
とします。こうなると―。
- これまでは「楽天銀行」が持っていた、「Aさんから取り立てる権利」を、Bさんが引き継ぐ、ことになる
こういうわけです。つまり取り立ての権利の交代が起きたわけですね。これを「代位」といいます。
なので、代位弁済というのは、下のように言えるからです。
- 親兄弟などが「ただ代わりに返済する」のではなく、こうして「取り立ての権利=債権」が交代する、「代位」を伴ったものでないといけない
こういうわけですね。これが「代位弁済」の本当の意味であり、「ただ誰かが代わりに返済するだけ」というのは「第三者返済」となるわけです。
All Aboutの「個人信用情報」の解説
Googleで「個人信用情報とは」と検索すると、2016年4月時点では「All Aboutの説明」がトップで出ました。(Googleの検索結果のページにも、その説明が引用で紹介されるくらいです)
ということで、現時点ではAll Aboutの説明が、個人信用情報については一番正確ということでしょう。なので、何が書かれているのか、要約していきます。
(以下、見出しのタイトルは、All Aboutの記事そのままです。これを読んだ上で、All Aboutを読んでいただくと、さらにわかりやすくなると思います。)↓
http://allabout.co.jp/gm/gc/12314/
「個人信用情報」ってなんだろう
- 最近は、住宅ローンの審査に落ちる人も増えたが、その原因が「携帯電話の料金の支払い」(の遅延)
- …というようなケースも増えている
こういう出だしから始まっています。そして、その理由は下の通りです。
- 携帯電話の本体を買う時は、大体分割払いにする
- その分割払いの支払いは、「毎月の電話料金」に含まれている
- ということは、この「毎月の電話料金」の支払いに遅れると、「分割払いの支払いに遅延・延滞した」ことになる
こういうわけですね。これは最近では携帯電話の支払いで遅延すると、ブラックリストになるとして、よく知られるようになっていますが―。
- 特にスマートフォンの普及後、携帯電話本体が今までより「破格に値上がりした」ので、このパターンが特に多くなっている
こういうことも指摘できます。ちなみに、私は最近iPhoneの6Sを買いましたが、日本の携帯キャリアに縛られたくなかったので、アップルから直接一括で買いました。
(SIMカードを自分で別に買って差し込むだけで、普通に使えるようになるので、ぜひ試してみてください。これからの時代、海外でも日本と変わらずに使えるSIMフリータイプのスマートフォンの方が、断然いいはずです)
このように、少々話が横道にそれましたが、ということで「スマートフォンの本体を分割払いで買った人」は、このパターン(携帯電話の料金の支払い遅れ)でのブラックリスト入りは、特に注意して下さい。
個人信用情報には、何が記録されているのか?
そして、その携帯電話の支払の話の次は、個人信用情報には、具体的にどんな情報が記載されているのかということが書かれています。一覧にすると下の通りです。
- 氏名・生年月日・住所
- 電話番号・勤務先
こういう「よくある個人情報」が基本。
- クレジット・キャッシングなどの借入状況
- 借入金額
- 最終借入・返済の日時
- 返済状況
などの「借入・返済に関する情報」が記載されます。
- 遅延・延滞
- 代位弁済
- 強制回収手続
といった、いわゆる「ブラックリスト」の情報。
- 普通の解約
- 普通の完済
などの「終了情報」も記載されている…、という風です。要は下の通りです。
- 個人情報
- 借入・返済の情報
この2つに大別できる…と思って下さい。そして、All Aboutのガイド・横山光昭氏の表現では―。
- どういう人で、いくら借りている
- きちんと返済しているか
を把握するための情報…ということです。この表現・説明はわかりやすくていいですね。
(余談ですが、横山光昭さんというお名前は、三国志で有名な漫画家・横山光輝氏にそっくりですね。笑)
どういうことろで情報を管理しているの?
この部分では、個人信用情報を管理している、3つの個人信用情報機関が紹介されています。これは知っている人も多いかも知れませんが、まず一覧にすると下の通りです。
- CIC(シーアイシー)
- KSC(全国銀行個人信用情報センター)
- JICC(日本信用情報機構)
そして、それぞれに加盟している業者・銀行のタイプを、下のように説明しています(All Aboutでは)。
- CIC…クレジットカード会社・リース会社・携帯電話会社・消費者金融・信販会社など
- KSC…銀行・信用組合・労働金庫・農協・信用金庫など
- JICC…クレジット会社・保証会社・リース会社・貸金業者・金融機関など
このようになります。
クレジットカード会社とクレジット会社の違いは?
上の説明だと下のように言えます。
- クレジットカード会社…CIC
- クレジット会社…JICC
となっていて、「違いは?」と思った人もいるでしょう。これは、下の通りです。
- クレジットカード会社のことをクレジット会社と呼ぶこともある
- 逆に「クレジット会社」にしか分類できない会社もある
たとえば、ヤマトクレジットファイナンスと言う会社があります。ヤマト宅急便のグループですが、この企業は―。
- クレジットカードはメイン業務ではない
- 決済業務などの「クレジットサービス」を提供してる
こういう会社です。なので「クレジットカード会社」というよりは「クレジット会社」なんですね。
そして、逆に三井住友カードなどは「典型的なクレジットカード会社」ですが―。
- クレジットカード会社である以上、そのクレカ自体が「クレジット業務」なのだから、「クレジット会社」とも言える
要は下の通りです。
- 一般の消費者が使うような、クレジットカードを発行しているか、いないかの違い
- 発行している…クレジットカード会社
- 発行していない…クレジット会社
(あくまで私の分類で、明確にこう決まっているわけではありませんが…)
ブラックリストの情報は、どの個人信用情報機関でも共有されている
そして、上のように加盟業者や金融機関のタイプがそれぞれ分かれている3つの個人信用情報機関ですが、たとえば長期延滞・債務整理などの事故情報(返済トラブルの情報)については、共有しています。
- CRINというネットワークで共有する
- 「順調な返済」などの、小さな情報は共有していない
- あくまで事故情報・異動情報など、重要なものを共有する
このようになっています。すべての個人信用情報を共有しない理由はおそらく―。
- そもそも、個人信用情報は、プライバシーの情報の中でも「トップレベル」のものもである
- ↑(何しろ「借金」の情報なので)
- だから、そう簡単に共有していいものではない
これらしかし、長期延滞や代位弁済、強制解約などの重要な情報については下の通りです。
- 本人が借入超過や多重債務にならないためにも、また、すべての金融機関・業者・銀行が損失を出さないためにも、ある程度まで共有するべき
このシステムが整備されていなかった1970年代や1980年代などはサラ金地獄という言葉もブームになったくらいなので、やはりこうした個人信用情報を共有することは、ある程度は絶対に必要なのです。
(プライバシーが…という反論をするなら、「そもそも延滞・滞納をしなければいい」ということですからね。普通の人は遅延・延滞をしていないので、CRINでの情報共有は、ほとんどされていない、というわけです。私はクレジットカードの強制解約になったので、バリバリ3つの個人信用情報機関で共有されていますが。笑)
銀行カードローンだったら、CRINは関係ない?
このCRINでの情報共有について、あるキャッシングの情報サイトでは―。
- 銀行カードローンはもともと貸金業法第13条の2第2項の規定の範囲外(例外・除外含む)なので、CRINで情報共有をされていても、あまり関係ない
こういうことが書かれていました。これはあくまで―。
- 貸金業法第13条の2第2項の規定の範囲外(例外・除外含む)なので、銀行カードローンは「年収の3分の1以上」でも借りられる
- だから、個人信用情報がCRINで共有されて、「この人は年収の3分の1までキャッシングしている」とわかっても、まだ借りられる可能性がある
このようなだけの話です。
- 実際には、銀行カードローンでも、年収の3分の1以上融資することはめったにない
- また、仮に年収の3分の1以上借りられるにしても、その金額を高額にするか少額にするか…という判断では、当然、CRINで共有された個人信用情報が重要になる
こういうことは言うまでもないでしょう。なので銀行カードローンでキャッシングするときは、CRINの情報は関係ないというのは、間違いです。くれぐれも注意して下さい。
CIC(シーアイシー)の個人信用情報の見方
All Aboutの記事は2ページに分かれていて、2ページ目では「CIC(シーアイシー)の個人信用情報の見方」が書かれています。たとえば「支払い状況」については、下のような「入金区分コード」があり、その見方も解説されています。ここでも紹介しましょう。
- $…予定通りかそれ以上、入金された(問題なし)
- A…「利用者の事情」で入金が遅れた
- ―…入金も請求もなかった(そのクレジットカードやキャッシングを利用していない)
- B…「利用者以外の理由」で、入金が遅れた(たとえば銀行の振り込みの反映の不具合など)
- C…入金はまだだが、その理由が不明
- P…払う予定だった金額の、一部は入金された
- R…本人以外から入金があった
- 空欄…クレジット会社から情報の更新(連絡)がなかった(その月は、クレジットの利用がなかった)
もっと簡単に書くと下の通りです。
- $…問題なし
- A…遅延(連絡あり)
- B…本人は悪くない遅延
- C…遅延(連絡なし)
- P…一部返済
- R…本人以外が返済
- 空欄…利用なし
つまり、良い順に並べると下の通りです。
- $…問題なし
- 空欄…利用なし
- B…遅延(本人は悪くない)
- R…本人以外が返済
- P…一部返済
- A…遅延(連絡あり)
- C…遅延(連絡なし)
ちなみに、ほとんどの人は、返済に遅延する時連絡をしないでしょうが、これは「理由不明の遅延」として、Cの扱いになります。つまり、「連絡があったAの遅延」よりも、悪い扱いになるわけですね。
予定の返済日の通りに返済できるかどうかは、少なくとも数日か1日前には自分でわかるはずです。なので「このままだと返済できない」とわかったら、その旨を連絡するようにしましょう。
連絡すると「利息だけの支払いでいい」と言われることも
消費者金融でもクレジットカードでも銀行カードローンでも、毎月の支払いというのは、下のように言えるからです。
- 利息だけではなく、「元本」もある程度含まれている
こうしたものは知っているでしょう。そして、たとえば「毎月1万円払う」となっていた場合でも「利息はそのうち、1500円程度しかない」ということも多いわけですね。なので、下のようになります。
- 1万円は払えない、という人でも
- 1500円だったら払えることが多いので、その場合「利息の1500円だけ」でもOKになる
こういうことがあります。というより悪質な利用者でない限りは、大体これでOKしてもらえます。キャッシング業者やクレジット会社の側からそう提案してくるわけですね。
「利息だけの返済」だと「一部入金」になるのか?
もう一度個人信用情報の入金区分コードを見ると、「P…一部返済」というものがあります。もし「利息だけ」支払った場合、これになるのか。
結論を書くと下の通りです。
- 連絡が遅ければ、そうなる
- 連絡が早ければ「予定通り」の「$…問題なし」になる
と推測できます(あくまで私の推測ですが)。理由は下の通りです。
- 「P…一部返済」を正確に書くと、下のようになります。
- 「P…当月の請求額の一部が入金された」となっている
- つまり「当月の請求額」が、事前に変更されればいい(支払う前に)
- なので、連絡が早ければ、請求金額の変更が間に合うので、この「$…予定通り」にしてもらえる可能性がある
実際―。
- こういう事前連絡を早めにするような人は、大体真面目な利用者である
- そういう人は、今後もほぼ延滞・滞納せず、安定して利息を払ってくれる可能性がある
- (少なくとも、債務整理・貸し倒れなどになるとは、考えにくい)
こういうわけです。なのでクレジットカード会社や消費者金融・銀行カードローンにとっても「いいお客さん」というわけですね。なので、優良顧客を大事にする…という意味でも、こうした配慮をしてくれる「可能性」があります。(あくまで可能性ですし、仮にしてもらえるにしても、やはり早めに電話連絡しないと間に合わないでしょうが…)
このように、補足や解説を大幅に盛り込みましたが、All Aboutの「個人信用情報とは」には、これらの情報が書かれています。要は、個人信用情報とは、その人が―。
- どんな人か
- どんな風にお金を借りているか
- 返済はできているか
こういうことを示す情報、ということですね。カンタンに言うと「借入・返済の記録」ということです。