キャッシングの用語解説 ~事業者金融・紹介屋・実際の利子総額の比較など~
この記事では、キャッシングの用語の中でも、特に下の点についてまとめます。
用語の意味だけではなく、関連する話題も解説しているので、キャッシングの知識を深めたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
キャッシングの「実際の利子総額」
キャッシングの実際の利子総額というのは、主に「初回30日間無利息」などの無利息期間を考慮した利子総額…ということです。
こういう事実があるんですね。これは消費者金融の宣伝とかではなく、計算でそうなります。なので、下のようになります。
- 無利息サービスがあるかどうかなど
- 自分が何ヶ月で完済できるかの兼ね合いによる
以下、最初の5ヶ月という計算の根拠(シミュレーション)を書いていきます。
「最初の5ヶ月は、消費者金融の方が低利息」という計算
消費者金融といっても、プロミス・アコム・アイフルという、「初回30日間無利息」で借入可能な消費者金融だけです。
(プロミスでは、WEB明細利用・メールアドレスの登録が必要)
そして、その前提で計算していくと、下のようになります。
- たとえば「10万円」キャッシングしたとする
- その場合、消費者金融と銀行カードローンの「本来の月々の利息」は、下のようになる
- 消費者金融…約1500円
- 銀行カードローン…約1200円
- そして、消費者金融は「初回30日間無利息」なので、最初の1ヶ月の利息は、それぞれ下のようになる
- 消費者金融…0円
- 銀行カードローン…約1200円
こういうことで、アコム・アイフル・プロミスなどの消費者金融の方が「1200円」リードするわけですね。
- そして、このリードを、銀行カードローンが毎月縮めていく
- そして、いくら縮めるのかというと、下の通り
- 月々の利息が、消費者金融…1500円
- 銀行カードローン…1200円
- なので「300円」ずつ縮める
- 「1200円」の差を、毎月「300円」ずつ縮めるので、「4ヶ月」で追いつく
- 最初の1ヶ月と、この4ヶ月をプラスして、合計で「5ヶ月」
- だから「最初の5ヶ月」は、初回30日間無利息の消費者金融の方が、銀行カードローンよりも低利息になる
キャッシングの「比較」について
キャッシングの比較は正直、あまり意味がないです。これは否定しているのではなく―。
- 金融業というのは、もともと「違いを出しにくい」商売である
- つまり、「お金を貸して、利息をとる」というだけのシンプルなビジネスモデルなので、家電製品などのように、新しい発明をしにくい
一応―。
など、「キャッシング業界が変わるきっかけになったイノベーション」は確かにあるのですが、下のように言えます。
- 家電製品や自動車以上に、それを「すぐ真似る」ことができる
- そのため、その違いはすぐに消滅してしまう
- 結果、資本力だけに左右される
- よって、大手や銀行系しか生き残れない
実際、改正貸金業法以後、中小のキャッシング業者はもうほぼ全滅状態ですし、大手にしても、アイフル以外はみんな「銀行系」になっています(銀行の傘下ということですね)。
このように、ぶっちゃけ大手の消費者金融や銀行カードローンであれば、ほとんど違いはありません。むしろ違いを生むのは―。
- 自分がどれだけ稼いで、どれだけ早く早期完済するか
サミュエル・スマイルズの『自助論』という名著も―。
- 「結局、政策など『用意されたもの』で人間が救われることはなく、また、救うこともできず、」
- 「個々人が、自分で自分を救うしかないのだ」
こういう意味で『自助論』というタイトルになっています。要は「世界は変えられないけど、自分は変われる」というような考え方ですね。
と、話が膨らみましたが、要するに、下のように言えます。
身も蓋もないというか、「そんなことはわかっている」という結論かも知れませんが、本当にそれしかないのです。
(心理学的には、人間は「それしかない」と言われると、逆に「反発(リフレクション)」して、やる気をなくすらしいですが、それでもやはりそれしかないのです。と言われてやる気をなくす人が多い中で、自分がやる気を出せばチャンスなわけですから、これはむしろ良いことだと、おいしい話だと思ってください)
借り入れの「早期完済」
キャッシングでもクレジットカードでも、早期完済が重要であることは言うまでもありません。そして、そんな早期完済のために必要なのは―。
この2点が特に大きいです。まず「仕事を増やす」というのは当たり前です。
- 今までの仕事量とお給料では、お金が足りなかったからキャッシングに頼ることになった
- 今後はさらに「返済」があるのだから、今と同じ仕事料・報酬では、更に厳しくなるに決まっている
- だから、仕事を増やすのはほぼ必須条件である
「いや、そこまでしなくても返済できるから」という人もいるかも知れませんが―。
- 多重債務者として、返済不能になった方々も、最初はそう思っていた
- しかし、最初はうまく行っていても、健康上のトラブルや、家族のアクシデントなどがあって、返済が行き詰まり、そのまま借入超過者になっていった
こういうパターンが多いんですね。最初はみんな「自分は大丈夫」と思っていたのです。
また、このように「貸し倒れ」にはならなかったとしても―。
- 仕事を増やさない限り、返済が長引くのは事実
- そうなると、最終的な利子総額は増え、結果的に、自分が損することになる
そのため、どの道仕事を増やして稼いだ方がいいのです。そもそも稼いでいれば、その時お金が必要な用事が何だったとしても、借り入れに頼る必要はなかったのですから。
(マイホームを買うにしても、現金で買える人も、世の中にはたくさんいるのです)
「キャッシング業界」について
キャッシング業界というものは正式にはありません。強いて言うなら「貸金業界」と同じ意味です。つまり貸金業者に分類される金融機関・会社によって作られる業界ですね。そして、貸金業者に分類される業種は何かというと、下の通りです。
- 消費者金融
- 事業者金融
- クレジットカード会社(キャッシング部門)
- リース会社
- 信販会社
「抵当証券業者」などの少々マイナーなものもありますが、一般人がキャッシング業界という場合、そのような「知らない」業者は含まないでしょう。ということで、主に消費者金融やクレジットカード、信販会社(分割払いを担当する会社と考えてOK)…などとなります。
「事業者金融」とは
事業者金融というのは、文字通り「事業用の融資」のことです。消費者金融の対義語です。
- 人間が何か支出をする時は、必ず「消費者」としてするか、「事業者」としてするかの、どちらかに分かれる
そして、その「事業者」のとしての出費に対して融資するのが、事業者金融ということですね。
などの言葉で呼ばれるものは、皆これです。また「商工ローン」という表現もあります。商工ローンはよく「悪徳業者」と勘違いされていますが、それは「商工ファンド」です。2000年頃に「腎臓売れ」で有名になった会社ですね。
名前がよく似ているせいで、商工ローンというだけでヤミ金と勘違いしてしまう人がいるのですが、実際には全然違うので注意してください。
キャッシングの「悪徳業者」について
キャッシングの世界では、悪徳業者は山のようにいます。基本的にキャッシングをする人というのは切羽詰まっているので、冷静な思考力をなくしているわけですね。こういう人は、詐欺のターゲットになりやすいのです。
(騙すなら、相手が冷静でない時…というのはどんなジャンルの悪人でも基本中の基本です)
そして、キャッシングの世界の悪徳業者の手口や種類としては、下のようなものがあります。
などですね。他にも山程ありますが、それぞれ簡単に内容を書くと下の通りです。
- 貸します詐欺…好条件の融資をうたい「手付金」を振り込ませて、そのまま融資しない
- 紹介屋…まともな貸金業者を装って、やってきた申込者に対して「ヤミ金」を紹介する
- 整理屋…返済計画の再編のお手伝いをします…といって、保証金だけ取って逃げる
- 偽装質屋…質屋のふりをしたヤミ金。本来の流質期限である3ヶ月を過ぎても、まだ利息をとり続ける
- 闇金業者…単純に高金利。貸金業者登録はしていることが多い
こういうものです。他にもアルバイト詐欺など、手口は山のようにありますが、これらの悪徳業者にはくれぐれも注意して下さい。
「紹介屋」とは
悪徳業者の部分でも簡単に書きましたが、紹介屋の手口を箇条書きすると下のようになります。
- そして、集まった申込者に対して、「残念ながら、審査の結果、うちでは融資できませんでした」
- 「しかし、知り合いのいい会社があるので、そこを紹介します」
このように、闇金業者を紹介する…という手口です。当初は―。
- 確かに紹介はしたけど、「あちらの業者さんがヤミ金になっているとは知らなかった」
などと言って言い訳していたのですが、当然これは「見え透いた嘘」なので、今では紹介屋も闇金業者として、警察に取り締まられるようになっています。
(要はヤミ金の出先機関のようなものですからね)