アコムのデメリット ~延滞・滞納したら三菱UFJ銀行グループでブラックリストに?~
アコムでお金を借りるメリットについて、以前の記事で書きましたが、ここでは「デメリット」についても書きましょう。(どんな商品やサービスにもデメリットはあるので、別にアコムを否定するわけではありません)
アコムのキャッシングのデメリット・短所は―。
ただ、2つ目のデメリットについては、遅延・延滞しなければいいだけの話なので、デメリット・短所とはいえないかも知れません。
また、消費者金融が銀行カードローンより高金利なのも当たり前です。要は「特急料金」であり―。
- 銀行カードローンよりも審査に通りやすく、最短即日審査の時間も早い
こういう「急ぎのサービス」に対する料金なんですね。これをデメリットというなら、例えば新幹線のデメリットは、普通の電車よりも料金が高いことであるなどとなります(実際、人によってはこれはデメリットでしょうが)。
ということで、ある意味アコムにも他の消費者金融にも、特にデメリットはないということです。借入金額を、せいぜい30万円程度までの少額に押さえておけば、別に利息の負担もほとんどありませんし、消費者金融は特にデメリットのあるサービスではありません。
デメリットの原因は「収支のバランスがおかしい」こと
人間は「本当の原因」を突き詰めるのが苦手です。多重債務者となって破産した方々の生活を見ていると「貸金業者が原因」と思う人もいるかも知れません。しかし、これは間違いです。
これは例えて言うなら、下のようになります。
- 自堕落な生活のせいで病気になる
- その病気の治療で手術した人が、(その手術は成功したが)死亡した
こういう場合に「手術が原因で死んだ」というのと同じです。言うまでもなくこれは間違いです。この人が亡くなった原因は「自堕落な生活をしていたこと」であり、手術というのは「最後の瞬間、ただそこに立ち会っただけ」なのです。
そして、これを消費者金融などのキャッシングについて言うと、下のようになります。
- 多重債務者の方々の生活が破綻したのは、もともと「収支のバランスがおかしかった」からであり、返済能力を調査した上で融資したキャッシング業者には、原因はない
これが、私の見方です。
借金に頼る人は、現実世界に生きていない
多くの人は、借金苦で困っている人を善良だと思っていますが、現実は違います。たとえば奨学金の返済でいうなら、収入が少ない人に対しては「猶予制度」があります。返還を免除してもらったり、延期してもらったり…という制度ですね。
そして、奨学金の利用者(今返済している人々)に対してアンケートをとると―。
- 延滞していない人ほど、この制度を知っている
- 延滞している人ほど、知らない
こういう「矛盾した」結果が出たのです。
督促状に書かれているのに、読んでいない
この調査結果の不思議な所は―。
- 奨学金を長期延滞して、督促状が届いているのに、猶予制度を知らないと答えた人が多かった
督促の書類には、当然この猶予制度のことが書かれています。なので、督促状を読んでいたら、必ず知っているはずなんですね。つまり彼らは「督促状を読んでいない」のです。
これは何となく、理解できる人が多いでしょう。誰でも、こういうものは読みたくないものです。株式投資やFXなどで失敗した人は、大抵取引画面を見るのが怖くなるといいます。同じようにこの人達は、督促状を見るのが「怖くて」読んでいないわけです。
気持ちはよくわかります。そういう状態になると、誰でも怖いでしょう。しかし、下のようにも言えます。
- そういう状態になるのが怖いから、みんな働いている
- 嫌なことがあっても、仕事をやめずに続けている
こういうのは、言うまでもないことです。今の日本では、贅沢をしない限りは最低限の生活はできるようになっています。少なくとも、大学に行けるくらいの家庭で育った人なら、努力すれば、平均的な生活くらいはできるはずなのです。
にも関わらず、奨学金を返済していなくて、しかも猶予制度も知らないというのは、どう考えても「現実世界に生きていない」ように見えるんですね。
- 自分が大学に進学する時も、今、奨学金を滞納していることも、仕事をやめたり、あるいは散財したりするときも、その人はすべて「他人事」のように思っていたのでは?
実際、人間の大部分は、自分の人生を「どこか他人事」のように思っているものです。債務超過状態に陥る方々というのは、特にその傾向が強いんですね。世間の人のイメージのように、決して「善良な人」だけではないのです。
消費者金融にデメリットはない
少々「アコムのデメリット」というテーマから膨らみましたが、私の結論は―。
- アコムも含めて、消費者金融という産業にデメリットはない
確かに「消費者金融で借金して、破産した」という人もいるでしょう。しかしそれは―。
- ここまで書いてきた通り、かなりの部分、本人に原因がある
- 自動車でも何でも、使う人が悪ければ、凶器になる
- 消費者金融で破産するような人は、お酒を飲めばアル中になるし、タバコを吸えばニコチン中毒になるし、コーヒーならカフェイン中毒になるし、ゲームならゲーム中毒になり、車を運転すれば、交通事故を起こす
このようなことで、ハッキリ言って「必ず、どんな商品・サービスを利用しても、問題を起こす」のです。これはアメリカの「禁酒法」の歴史を見てもわかることです。
- アル中の人が出るのは、お酒のせいだと政府は考えた
- だから、お酒を禁止した
- 結果、社会は余計に荒れた
- ↑(結局、お酒の問題ではなく、人間の問題だった)
要は下の通りです。
- 人間がしっかりしていれば、何でも「薬」になるし、人間がダメなら、何でも「毒」になる
だから「性悪説」を唱えた荀子も「教育」を最重視したんですね。性悪説は「どうせ人間なんて」という内容だと思われていますが、全然違うのです。荀子の主張は―。
- 人間は初期設定では、悪である
- しかし、教育によって正すことができる
- だから、教育が必要である
こういう内容なのです。借金にしてもお酒にしても、結局「物」の問題ではなく「人」の問題だ―。と荀子は唱えたわけですね。これは武田信玄の歌(と言われている)では―。
「人は城、人は石垣、人は堀」
となります。信玄は堅固な城を作りませんでしたが、それは「結局、強い人間が集まる国が、一番強い」と思っていたからです。
このように、少々哲学的な話になりましたが、要するに、下のように言えます。
- 消費者金融にもデメリットはあるといえばあるが、それを言ったら、薬でも自動車でも、カミソリでも何でも、すべてがデメリットの塊である
- ↑(炭水化物すら、食べない方がいいと最近は言われている)
このように、すべてのものが「使う人次第」であって、消費者金融がいいとか悪い…という問題ではないんですね。
「じゃあ、どうすればいいのか」というと、荀子の言うとおり「教育」しかなく、これを金融の世界でいうなら、青木雄二氏(『ナニワ金融道』の作者)の言うように「お金のことを、学校でもっと教える」くらいが関の山なのですが…。
(基本的に、人間は政策で救われるものではなく、個人で自分や自分の周囲を良くするしかできないと思います。サミュエル・スマイルズの『自助論』の言う通りです。自分で自分を助けるしかないのです)
アコムの「グループブラック」について
本質的な話に偏ったので、具体的な話もしましょう。アコムの「グループブラック」ですが、箇条書きすると下のようになります。
- 個人信用情報に記載されるほどではない、事故情報
- こういうものは「その金融機関の内部」のみで、共有される
- これを「内部ブラック」と呼ぶ
- 「社内だけ」だったら社内ブラックといい、関連企業全体で共有される場合はグループブラックという
そして、アコムは三菱UFJ銀行カードローン「バンクイック」の保証会社であるなど、いわゆる「三菱UFJ銀行系」の消費者金融なので、下のようになります。
こういうことがあり得るわけですね。もちろん、これは、下の通りです。
- あくまでアコムで借り入れして、返済トラブルを起こした人のみであって、普通に返済している人(してきた人)は、むしろそのクレジットヒストリーによってプラス評価になるので、三菱UFJ銀行グループの他の審査でも、審査通過しやすくなる
こういうことが指摘できます。つまり、要は「諸刃の剣」なんですね。これはアコムのように「何らかのグループ」に含まれていてもいなくてもそうですが―。
- 借入・返済の実績というのは、それがいい方にも悪い方にも出るという点で、諸刃の剣である
こういうことなのです。借り入れをしなければ、プラスにもマイナスにもならなかったのが、借り入れをした瞬間、どちらかに行くことが決定した…というわけですね(人間の出会いも同じです)。
なので、これもやはりアコムのデメリットではなく、人によってはメリットにもなるものであり、アコムのデメリットというのは、実は特にないのです。
銀行カードローンで借りられるなら、銀行カードローンの方がいい
強いて言うなら、銀行カードローンの審査に通るだけの信用度があるなら、銀行カードローンでお金を借りた方がいいでしょう。理由は言うまでもなく―。
また、新規の借入審査に申し込まないにしても―。
- そのクレジットヒストリーは、5年程度残っている
- いつか住宅ローンなどを組むときにも、それを参照される
- これまで消費者金融で借りて来た人よりも、銀行の目的別ローンなど、「真面目な借り入れ」をしてきた人の方が、クレジットスコアが高くなる
現時点ではクレジットカードやキャッシングの審査に申し込む予定がなかったとしても、住宅ローンや、あるいはマイカーローンなどの真面目な借り入れだったら、今後申し込むことがあるでしょう。
(あるいは起業して、ビジネスローンなどの事業性資金の融資を受けるかもしれないですし)
というような「クレジットヒストリーの評価が高まる」ということを考えると、やはり消費者金融よりも銀行カードローンで借りた方が(できるなら)いいのです。そういう点では、消費者金融のデメリットというより、銀行カードローンのメリットの方が、大きいといえます。
以上、アコムのデメリットというよりは、消費者金融のデメリットの解説になりました。実際、貸金業というのは個性を出しにくいビジネスなので、デメリットだろうとメリットだろうと、実は「大手だったら、どこでも同じ」なのです。(違いを出すのが、どうしても難しい商売なんですね)
なので、消費者金融全体の話になりましたし、また消費者金融のデメリットと言われるものもそれを言ったら、薬でも自動車でも包丁でも、何でもデメリットの塊だろうという話になるわけです。「生きること自体がリスク」みたいなものですね。
なので、どうしても哲学的な話にならざるを得なかったのですが、何はともあれ「計画的に利用する」分には消費者金融にはデメリットはないということです。要は「普通の生活」をしている人であれば、消費者金融を利用するにしても、何も問題はない…ということなんですね。