キャッシングの契約の仕組みとは?包括&個別契約の違いのまとめ
キャッシングの契約の仕組みは―。
- 「○○万円までは、何度でも借り入れ可能」という枠をもらう
- その範囲内で、自由に借入・返済する
- 枠いっぱいになったら、もう借りられない
これを専門用語で「包括契約」といいます。
キャッシングの「包括契約」とは?
「包括契約」の意味を説明するには、その逆(対義語)である「個別契約」を知るのがいいです。個別契約は―。
- 「50万円借りる」という契約をする
- 現金を受け取る
- 以後は「毎月返済する」だけ
- 残高がどれだけ減っても「追加の借り入れ」はできない
こういうものです。つまり、たとえば30万円返済して「借金は残り20万円」となっても「また30万円借りる」ということはできないんですね。
一度契約して借りたら、後はひたすら返済するだけというのが個別契約です。もし追加で借りたく鳴ったら、「もう一度、別の契約」をします。
「包括契約」なら、再契約なしで借入可能
そして、包括契約だったら50万円の範囲内で、何度でも自由に借りられるということです。つまり、上のケースだったら「30万円返済した」ので、「また30万円まで、いつでも自由に借りていい」ということですね。
ということで、下のように言えます。
- 借りる側
- 貸す側(業者側)
の双方にとって楽なのです。個別契約だと追加で借りたくなる度に、契約の作業をしないといけないですからね。
このため、今のキャッシングは、消費者金融でも銀行カードローンでもほとんどが「包括契約」になっています。個別契約は、「銀行の定額制フリーローン」のみと思ってください(身近な借り入れの中では)。
申し込みやすいだけに、注意が必要
このように包括契約は「申し込みやすい」のですが、それだけに注意が必要です。言うまでもなく「借りすぎて破産する」というパターンに陥りやすい…ということですね。
包括契約に限らず「申し込みやすい」ものは全て、便利な半面、危険でもあります。
- 自動契約機
- ネット申込み
- 独自審査の業者
- ヤミ金
- クレジットカードの現金化
このような風ですね。ヤミ金やクレジットカードの現金化などと自動契約機・ネット申込みを同列に語ってはいけませんが。要はまともなサービスでも、そうでないものでも「申し込みやすいほど、危険度も高まる」ということです。
これは別に「キャッシングが悪い」というわけではありません。人間が生み出す商品やサービスは全て、便利であるほど危険なのです。
- 自動車…高速移動できるほど便利だが、危険
- 睡眠薬…効果が強いほどよく眠れるが、危険
- ナイフ…切れ味がいいほど使いやすいが、危険
- スマホ…いつでもいじれる分、危険(中毒になりやすい)
たとえばiPhoneも「世界を変えた商品」と絶賛される一方で、『依存症ビジネス』などの書籍で、典型的な「中毒型製品」としても扱われています。「良いものは、すべて危険でもある」のです。
なので、別に「キャッシングというサービスが危険」ということではありません。世の中のすべての商品・サービスで「一長一短がある」ということです。
それを意識して、どんな商品・サービスとも、常に距離を置いて、適度な距離感で付き合っていく…ということが大事です。(これは人間でも言えることかも知れませんが)
契約は、郵送や来店なしで出来る
審査だけでなく、契約もWEBで完結する
キャッシングをするには、「審査」と「契約」をする必要があります。両者はよく混同されていますが、違いを書くと下の通りです。
- 審査…「貸せるかどうか」を業者が判断する
- 契約…「借りるかどうか」を、申し込み者が決める
契約の段階では―。
- 思っていたより、金額が小さかった
- 高い金利を提示された(ヤミ金でなければ、これはない)
このように「予想外のこと」もありうるわけです。それがあったら「契約しなくていい」ということですね。
そして、大抵はそういうことはないので、「審査完了したら、即契約」になります。なので「審査=契約」と混同されていますが、両者は本来違うものです。
来店・郵送なしで、ネットのみで契約可能
今のキャッシングは、郵送や来店など一切なしで「ネットのみで契約可能」となっています。「ネットのみ」といっても自分の携帯への確認電話はさすがに来ます。
これだけは確認しないと「誰か他人が、なりすまして申し込んでいる」可能性もありますからね。ということで、携帯への確認電話はありますが、それ以外の電話・郵送・来店審査などは一切なしで、借り入れ可能となっています。
ただ、これは「通常のキャッシング」の場合で、返済計画支援のための融資・事業者向けローンなどの、特殊なローンの場合、来店か自動契約機(無人契約機)での契約が必要…ということもあります。つまり「顔が見える手続き」をする必要がある、ということですね。
事業者ローン・返済計画支援のための融資は対面が必要
事業者向けローン・返済計画支援のための融資の場合、下のようになります。
- 審査はネットでもできる
- しかし、契約は「来店」か「自動契約機」でなくてはダメ
こういうルールがあります(消費者金融の場合)。理由は下の通りです。
- 金額が大きいので、対面で信用度を確かめる必要がある
- 事業者ローンの場合、自営業という時点で信用度が低いので、しっかり審査する必要がある
消費者金融の普通のカードローンの場合は、限度額はせいぜい「50万円」程度ですが、返済計画支援のための融資や事業者ローンだと100万円以上は普通だからですね。
特に返済計画支援のための融資についてはこれに申し込んでくる時点で、多重債務者ということ。多重債務者は当然、普通の人に比べて「リスクのある借り手」ですから、審査も契約も、より慎重にする必要があるわけです。
もちろん、それでも返済計画支援のための融資には―。
- 他社の売上を奪える
- 自社の売上が伸びる
こういうダブルのメリットがあるので、あえて「リスクの高い借り手」にも融資しているわけですが…。何にしても「審査・契約を厳しくする必要がある」のは、変わりません。
まとめ「キャッシングの契約の仕組み」
以上、キャッシングの契約の仕組みについてポイントをまとめると、下のようになります。
- 「個別契約」ではなく「包括契約」
- 「決まった極度額の範囲内で、何度でも借りられる」という仕組み
- 契約手続きは、郵送や来店なしで出来る
- 「ネット契約」といっても、携帯電話への確認だけはある
- 事業者向けローン・返済計画支援のための融資は対面契約が必要
これからお金を借りる人に参考にしていただけたら幸いです。