利息制限法に違反した業者はどうなる?→出資法違反なので刑事罰

利息制限法に違反した業者はどうなる?→出資法違反なので刑事罰

利息制限法に違反した業者はどうなるのか―。これは過払い金の請求をされても、文句が言えないというだけです。実は「刑事罰の対象」にはなりません。

多くの人が勘違いしていますが、利息制限法は、民法です。民法は、違反しても刑事罰にはなりません。

「民事裁判」→「敗訴」→「賠償金の支払い」ということはありますが「刑事罰」はないんですね。

でも、現実には「利息制限法の金利を超えた業者」は処罰されています。これは「利息制限法」ではなく「出資法」で裁かれているからです。

業者を刑事罰で処分するのは「出資法」

出資法も利息制限法と同じ上限金利「20%」

以前は、出資法の上限金利は「29.2%」でした。で、利息制限法は「20%」でした。この20%~29.2%が「グレーゾーン金利」と呼ばれていた金利帯なんですね。

この頃は「利息制限法の金利に違反しても、刑事罰はない」状態でした。出資法としては合法ですからね。

しかし、2010年から出資法が改正され、出資法の上限金利も「20%」と引下げられました。ということで、「利息制限法に違反する」=「出資法に違反する」という状態になったのです。つまり、

  • 「利息制限法」違反なら、罰則はない
  • しかし、同時に「出資法」に違反してしまうので、罰則がある

ということです。ぶっちゃけ利息制限法は関係ないということです。

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なぜ、利息を決める法律が2つあるのか?

これは、誰もまともに答えられない謎です。「出資法の方が後からできた」という経緯や歴史は言えても「その時に、なんで金利のルールを統一しなかったのか」という点については、明確な答えがありません。

一節によれば「法律はグレーゾーンを作れば作るほど、弁護士の活躍する場が増えて、彼らが儲かる」という理由もあるようです。つまり、

  • 政治家のバックには、弁護士が大量についている
  • 彼らにとって有利な法律になるよう、政治家が働きかける

ということですね。実態はどうかわかりませんが、この「グレーゾーン」のおかげで、弁護士が過払い請求で大儲けしたのは、確かに事実です。グレーゾーン金利問題に限らず、法律にグレーゾーンがある限り、こういう「イベント」が、随時どこかで起こるわけです。

(今、弁護士会は「質屋の法定金利」(109.8%)も、かつての消費者金融の金利のように、無効にしようとしています)

ということで、一説としては「金利の問題に限らず、権力のある人々はグレーゾーンを作りたがる」というのが、「法律が2つできた」理由であると言われています。

出資法が後からできた直接のきっかけは「保全経済会事件」というものですが、その事件で出資法を作っても、どうして金利のルールを統一しなかったのかという点は、やはり説明がつきません。「グレーゾーン陰謀論」は、かなり的を射ていると言ってもいいでしょう。

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利息制限法は、明治で最初にできた法律の1つ

出資法と利息制限法の歴史を比べると、利息制限法の方が断然長いです。利息制限法ができたのは「明治10年」で、なんと「刑法」などの主要な法律より先だったんですね(『金貸しの日本史』)。

明治維新が起きて、真っ先に利息制限法を制定したということは、明治時代の人々にとっても、お金の貸し借りが非常に重要な問題だったということ。また、これは世界史でも確認できる事実で、紀元前3000年のハンムラビ法典には、すでに「銀の利息は年二割を上限とする」という、現代の利息制限法と同じ金利が明記されています。

そのように長い歴史の中で、利息制限法も早くに制定され、やがて「金利情勢の変化」とともに改定されていきます。金利というのは「世の中のお金のまわり方によって変わる」ものですから、時代が変われば当然法定金利も変わるのです。

なので、本当は現代の利息制限法も「金利情勢に合わせて変動するルール」にした方がいいですし、『貸せない金融』の小林幹男氏などもそう主張していますが、今のところ、利息制限法で固定されています。

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出資法改正で、過払い請求がやりやすくなった

これだけ過払い金が戻ってくるのは「刑事罰」のおかげ

出資法が改正されて「出資法でも、上限金利が20%」となったことで、過払い金の返還は一気にやりやすくなりました。出資法の改正前から「過払い訴訟」はあったのですが、

  • 過払い金が戻ってこないことも多かった
  • 戻るにしても、裁判でかなり争うので、大変だった

という歴史があります。実際、「過払い金」ブームが始まるきっかけとなった「シティズ判決」も、ある大手業者が「過払い金をめぐって、利用者と最高裁まで争って敗れた」というものでした。

これ以後「最高裁まで争っても勝てるのだから、過払い金は絶対に返還してもらえる」ということがわかり、「過払い金ブーム」が起きたのです。逆に言えば、それまでは最高裁まで争わないといけないくらい、過払い金を返還してもらうのは大変だったということなんですね。

しかし、この判決が起きて、さらに「出資法によって、刑事罰が控えている」という状態になって、返還請求は一気にやりやすくなりました。「民法の違反」だったらただの裁判ですみますが、刑法違反で、すぐに刑事罰となったら、営業停止など多大なダメージを受けますからね。

このように、

  • 2006年の最高裁判決
  • 出資法の改正

によって、過払い請求は一気にやりやすくなったのです。

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過払い請求をする人の大部分が、多重債務者ではない

ただ、過払い請求にはかなりの問題もあります。というのは、

  • 本来「多重債務者の救済」のための措置だった
  • しかし、過払い請求をしている人の半分以上は、「多重債務ではない」

ということです。つまり、

  • 「大してお金に困ってない人」が、
  • 「お金が戻って来るから」という理由で、
  • 過払い請求をしている

ということなんですね。そして、当初救済する予定だった多重債務者・借入超過者の人などは、過払い請求をあまりしていないのです。

「借りたものは返す」というのが本来のモラルですし、グレーゾーン金利にしても消費者金融は合法だから、その金利にしていたのです。「今日から禁止する」というならわかりますが、合法だったものを「今日より前までさかのぼって裁く」というのは、常識で考えてもおかしいことです。

そのため、過払い金の返還は、事情を知らない人たちが弱者が救済される、良い状況になったと喜ぶ一方で、これはモラルハザード(道徳崩壊)であるという指摘も、多くされていました。

全盛期の消費者金融には確かに問題もありましたが、「過払い金バブルに群がった弁護士たちにも、問題があった」というのは事実です。もちろん、中にはしっかりした弁護士や司法書士の方も大勢いた(というよりそちらが多数派)でしょうが、一部完全に自分の利益しか考えない、強欲な弁護士・司法書士がいた、というのも事実です。

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まとめ「利息制限法に違反した業者はどうなる?」

以上、利息制限法に違反した業者がどうなるかまとめると、

  • 「利息制限法」自体は、違反しても刑罰はない
  • しかし「利息制限法の上限金利」と「出資法の上限金利」は同じ
  • 利息制限法に違反するのは「出資法に違反する」のと同じ
  • 出資法は、違反すると刑事罰に処される
  • ということで「利息制限法」ではなく「出資法」違反によって、刑事事件となる

…となります。キャッシングに直接関わる知識ではありませんが、特に過払い請求をする時など、参考にしていただけたら幸いです。

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