キャッシングとリボ払い、低利息・低金利で借りられるのはどっち?
キャッシングとリボ払い、利息はどっちが安いのか―。まとめると、下のようになります。
- キャッシングとリボ払いは「比較するもの」ではない
- キャッシングの「返済方式の1つ」がリボ払いである
キャッシングの返済方式には―。
- 一括返済(翌月に一括)
- リボ払い(毎月一定の金額だけ返済)
こういう2通りがあります。(分割返済もありますが、めったにないので省略します)
こういう風に「リボ払いは、キャッシングの返済の一部」なので、「どっちの利息が安いか」と比較することはできないのです。
ただ、リボ払いは「クレジットカードの返済で使われる」ことが多いため―。
- クレカのキャッシングで、リボ払いで返済する
- 消費者金融などのキャッシングでリボ払いで返済する
こうした2つのやり方を比較することはできます。(消費者金融などのキャッシングの返済も、通常はリボ払いです)
ということで、ここでは上の2つの比較をしていきます。
消費者金融でもクレカでも、キャッシング・リボ払いの利息は同じ
どちらの金利も「実質年率18%」
消費者金融とクレジットカードのキャッシング枠は、どちらも「実質年率18%」という金利が普通です。これは「貸金業法で決められた、キャッシングの上限金利」です。「これ以上は取ってはいけない」んですね。
「法定金利は20%なので、これより高い金利もある」という情報をたまに見ます。しかし、下のようにも言えます。
- 20%まで取っていいのは「借入金額」が「10万円未満」の時
- 消費者金融もクレカのキャッシングも「10万円以上」で融資するのが普通
- 「10万円以上~100万円未満」の場合は、「18%」が法定上限金利
- だから、実質「18%」が、キャッシングの上限金利
このようになるわけです。そして、この「年率18%」という数字はキャッシングで業者が利益を出すための、ギリギリの数値」です。なので、消費者金融でもクレジットカード会社でも「これ以上金利を下げることはできない」んですね。
だから、ごく一部の例外を除いて、どの消費者金融でもクレジットカード会社でも、金利は同じ「年率18%」なのです。
「ショッピング枠」なら低金利になる
クレジットカードは「キャッシング枠」だけではなく「ショッピング枠」もあります。
- キャッシング枠…現金で借り入れる
- ショッピング枠…買い物に使う
このような違いですね。そして、それぞれの金利は下のようになります。
- キャッシング枠…年率18%(実質年率)
- ショッピング枠…年率15%(実質年率)
そして、先に書いた通り「消費者金融…年率18%」なので、クレジットカードのショッピング枠なら、消費者金融より低金利になるということです。
おそらく「リボ払いの金利は、キャッシングよりも安い」という話を聞いた人は、この話を聞いたのではないかと思われます。
- クレジットカードの「ショッピング枠」を、「リボ払い」で返済していく場合
- 消費者金融の金利より安い
(消費者金融の返済もリボ払いなので、返済方式の問題ではなく、金利のルールの問題なのですが)
もしこういうことであれば、確かにクレジットカードのリボ払いの方が、消費者金融より低利息といえます。ただ「ショッピングとキャッシングは、そもそも別物」なので、この点は単純比較できません。
消費者金融の返済は「リボ払い」しかないのか?
消費者金融の返済は「99%リボ払い」と思ってください。まとめると、下のようになります。
- もしリボ払いでなかったら、10万円借りたら、翌月一括で「10万円返済」することになる
これが「一括払い」の場合。まず「これはない」というのがわかるでしょう。
次に「分割払い」の場合はどうなるか。また「10万円」だったとしたら、下のようになります。
- 翌月「2万円」返済する
- これで、借入残高は「8万円」になる
このように、ここまではいいのですが、ここで2万円余裕ができたので、また2万円借りたとします。そうすると下のようになります。
- この「2万円」も「分割」する必要がある
- とりあえず「5分割」で「4000円ずつ」返済することにした
- 「10万円」の時の「月2万円」と合わせて、翌月「2万4000円」返済する
このように、「やや複雑になってきた」のがわかるでしょう。そして、さらに翌々月、2万4000円の余裕ができたので、また借りて…となると、「どんどん計算が複雑になっていく」というのがわかるはずです。だったら下のようになります。
- 「借入残高」がいくらだろうと、「追加の借り入れ」がいつだろうと、「月々の支払額」は常に一定
とした方がいいわけです。これが「リボ払いの基本原理」です。
つまり「リボ払い」という言葉を使うと「特別な払い方」に見えるけど、「実際は全然特別ではない」ということ。普通の感覚で「一番わかりやすい払い方」はリボ払いなんですね。
(本当は一括返済が一番わかりやすいですが、これは金額が多いと厳しいので)
という理由で、消費者金融の返済も「基本的に、リボ払いしかない」わけです。分割払いが登場するのは何か特定の商品を買った時だけと思ってください。
キャッシングのリボ払いは借金漬けになりやすい?
「借金をしている」という感覚がなくなる
リボ払いで返済をしていると、消費者金融でもクレジットカードでも「借金をしている」という感覚がなくなっていきます。たとえば「20万円」利用した場合、下のようになります。
- 一括払い…翌月20万円、一気に返済しなくてはいけない
- 分割払い…「5分割」でも、翌月「4万円」返済が必要
- リボ払い…翌月「1万円~2万円」程度でOK
「金額が全然違う」のがわかるでしょう。しかし、それぞれの残高を見ると、下のようになります。
- 一括払い…0円
- 分割払い…16万円
- リボ払い…18万円
このように、全然違うわけです。これがさらに3ヶ月後になると―。
- 分割払い…4万円
- リボ払い…12万円
このように、まったく違うことがわかります。分割払いの方は、来月完済できますが、リボ払いはあと「6ヶ月」かかるのです。
一括払い・分割払いは「追加の借り入れ」をしない
基本的に、一括払い・分割払いの人は「翌月以降、追加で借り入れする」ということをしません。上にも書いた通り翌月の支払額が多いので、「これで怖くなってキャッシングしなくなる」ということです。
しかし、リボ払いはその「恐怖心」がありません。翌月の支払額を見て「何だ、これだけでいいんだ」と思い、返済した分、また追加で借りてしまうということです。
これを繰り返しているうちに―。
- 「ただでさえ減らない」リボ払いが、「追加の借り入れ」によって、常に満額状態
…になるわけです。半年くらい経って「大分返済してきたし、そろそろ借金も減ったかな」と思って残高を見たら、「全然減っていない」ということに気づいて愕然とするわけです。
これは多重債務者だった頃の私もそうだったので、よくわかります。リボ払いの借金は、本当に癖になるのです。
なので、リボ払いは確かに便利なのですが、同時に「その怖さも知っておく必要がある」ということです。(自動車でもナイフでも薬品でも、何でも同じです)
「知らぬ間リボ」「リボ払い専用カード」に注意
実は「一括返済できるだけの収入がある人」でも、知らない間にリボ払いをしているということがあります。これが「知らぬ間リボ」というもの。原因は―。
- 自分で設定しなければ、自動的にリボ払いになるカードだった
- 最初から「リボ払いしかできない」リボ払い専用カードだった
後者については、特にお得なキャンペーンの時に多いです。「うまい話には裏がある」ということですね。
前者については、こういう設定の類が苦手な人は多いので、かなりの人がこの状態になっています。キャッシングのリボ払いに限った話ではありませんが、税金でも何でも、自分のお金の出を把握していないと、どこかでムダな支出を大量にしていることになります。くれぐれも、自分の支出はしっかりと管理しましょう。