人間関係を壊さずにお金を借りるには?~友達への借金の申し込み~
人間関係を壊さずにお金を借りるためには―。ポイントをまとめると下の通りです。
- 基本的に、借金を申し込んだ時点で、大体壊れる
- そのくらいの覚悟を持って、神妙に申し込む
- なぜお金がなくなったのか、根本の原因を考える
以下、詳しく説明します。
人間は、大事な友達には借金を申し込まない
青木雄二『ゼニの人間学』の言葉
『ナニワ金融道』の作者として有名な、青木雄二氏。氏が『ゼニの人間学』という本に下のように書いています。
- 人間は、本当に大事な友達には借金を申し込まない
- 関係が壊れた時のことを考えて、慎重になるからだ
- つまり「借金を申し込んできた」時点で、相手は自分を軽んじている
- 「この人との関係は、壊れてもいい」と思って、借金しに来ている
- そんな人間は、友達ではない
- だから、断っていい
これは「借りる側」に当てはめるとそもそも「人間関係を壊さずにお金を借りようとするのが、間違い」ということです。
- 「借金を申し込む」ということ自体が、すでに友人に対して失礼なこと
- それを申し込む時点で、人間関係が壊れることはかなりの確率で決まっている
もちろん「竹馬の友」「刎頚の友」というような深い関係だったら、話は別でしょう。しかし、ほとんどの日本人の人間関係は、そうではないはずです。
このように借金を申し込む時点で、関係が壊れることは覚悟すべきと考えてください。
家族に借りるのはOK。家族には現状を話すべき
一方「家族に借りる」というのは、ある程度までOKです。少なくとも借金の返済のために借金するよりは、家族から借りる方がマシです。
多重債務者の方々を見ていると、多重債務者になった原因のほとんどが―。
- 家族に相談しなかった
- 自宅に督促が来るのを防ぐために、「返済のための借金」を重ねた
- 結果、多重債務になりどうにもならなくなった
このようなものです。直接の原因自体は「事業の失敗」「人の保証人になった」などいろいろありますが、それが多重債務にまでなった原因・いきさつは、大体このようなものです。
ということで、「返済のために借りる」くらいなら家族から借りた方がいいし、そもそも、家族に内緒で借金するのは、辞めた方がいいのです。「家族に内緒で借りたい」という気持ちはわかりますし、ほとんどの人が実際にそうしているでしょうが、「それが借金の膨れる原因でもある」のです。
だから、友達と違って「家族から借りる」というのは、ある程度まではOKです。返済のめどがまったく立っていないのに、ただの自転車操業で借りる…というのはアウトですが。
お金がなくなった根本の原因を考える
家族に借りるにしても、友達に借りるにしても、あるいは誰からも借りないにしても―。自分は何でこんなにお金がないのか(なくなったのか)という根本の原因は、絶対に考えないといけません。
大抵の場合「収入が少ない」というのは理由になりません。理由は、同じ収入でも、借金せずに生活している人は、たくさんいるからです。なので、借金するほどにその人がお金がない理由は、「身の丈を超えた出費をしている」ことに尽きるんですね。
- 見栄でお金を使っている
- 何かの依存症である
- 物を買うときに、計算をしていない
このような原因です。特にキャッシングで破産する原因で大きいものは「見栄・依存症」です。
日本貸金業協会の統計によれば、半分以上が娯楽費・遊興費によるものですし、「生活費」も4割り程度です。
そして、その生活費についても―。
- もっと切り詰めることは可能
- そもそも「まともに仕事をしなかったから、生活に困っているだけ」
などのケースも結構あるのです。同じように給料が安くても、借金に頼らず生活している人がいるということを考えれば、やはり「借金をする原因の多くは、甘えである」ということなんですね。
借金やキャッシングは、本当にピンチな時の「薬」
ピンチでは必要だが、いつも使っていてはいけない
キャッシングは、資金繰りが本当にピンチな時だけに使う「薬」だと思ってください。病気・ケガの時には確かに必要ですし、本当にありがたいものです。しかし薬を毎日飲むような生活は、してはいけないのです。
「毒にも薬にも~」という言葉がありますが、キャッシングは薬である分、毒でもあるんですね。もちろん、業者からのキャッシングだけでなく友達からの借金も、毒にも薬にもなるものです。
常に厳しく生きるというのは大変ですし、やる必要もありませんが、人生にはある程度の厳しさは必要です。『ロミオとジュリエット』の名言で「この世も、この世の法律も、君の味方ではないのだ」という言葉がありますが、借金にズルズルと頼る生活をしている方には、この言葉を意識していただきたいと思います。
働いてお金を稼ぐことを、習慣にすれば楽
『何をやっても続かないのは、脳がダメな自分を記憶しているからだ』などの書籍によると、人間の行動の9割は、習慣で決まっているとのこと。多くの心理学の実験で確認されています。
これは逆に言うと「いい習慣さえ身につけてしまえば、労力はたったの10%になる」ということなんですね。(9割を占める「習慣」によって、自動的にそれをやってしまうのですから)
そして、借金癖がある人もやはり「借金の習慣」に9割が支配されているから、抵抗するのが難しいのです。これを「働いて稼ぐ習慣」に切り替えることができれば、それだけで「どんどんお金が貯まっていく」生活になるわけですね。
もちろん「習慣にするまで」が大変です。しかし、「3週間続いたことは習慣になる」という言葉もあるように、とりあえずの「期限」を決めて努力を続けるといいでしょう。
そうして「ほんの少しでも習慣化」したら、そこから先はどんどん楽になっていきます。このように「習慣を味方につける」ということを、常に意識してください。
友達が借金を申し込んできたらどうする?
これも「きっぱり断ってOK」です。自分が心から貸したければ貸す。そうでなければ貸さないで、全くOKでしょう。
借金を断ると、「友達なんだから貸してくれよ」などという人がいるかも知れませんが本当の友達だったら、そんなことは絶対に言わないので、その人は友達ではありません。なので無視してOKです。
多重債務に陥る人で、真面目な人がそうなった理由は、「断れない」ということが多いのです。
- 悪徳商法のセールスを断れない
- 連帯保証人や借金の肩代わりを断れない
- 友達の結婚式に呼ばれたのを、断れない
場面場面によっては「いい人」にも見えるかも知れませんが、それで自分が多重債務者になっているなら、それはタダのカモです。
生物が生きていくということは、甘いことではありません。上に書いた「いい人」だって、日々動物や植物を殺して生きているのです。生きることは本来「他の生命を殺す」ことなのです。
(植物性プランクトンのような「光合成するだけ」の生命でも、「彼らが大量に繁殖したら、水中の酸素がなくなり、他の水生生物が生きられなくなる」という現実があります)
- 生きることは、もともと殺すことである
- 自分だって、日々いろんな命を殺して生きている
- だから、人間界で自分を騙しに来る人間がいるのも当然
- 自分だけが特別で、悪い人に遇わないというのは、ただの思いこみ
繰り返しますが他の生命を殺して自分が生きている以上、強く生きることは義務なのです。
もちろん、人間の脳は臓器ですから、風邪を引いたりケガをしたりするのと同じように「調子が悪くて鬱になる」ことはあります。そういう方は仕方がないのですが、そうでなく「反省せずにただ借金を重ねている」という人は、少し我が身を振り返った方がいいでしょう。
このような友達がお金を借りに来た場合は、まったく遠慮せず断ってしまっていい、ということです(少々長くなりましたが)。