同じ消費者金融や銀行カードローンで借りても、金利が違う理由

同じ消費者金融や銀行カードローンで借りても、金利が違う理由

同じ消費者金融や銀行カードローンで借りても、金利が違う理由―。これは、

  • その人の「信用度」による
  • その人の「借入金額」による

の2通りの理由があります。一般的なのは「借入金額」によるものですが、ここでは「信用度」によって金利が変わるケースを紹介します。

 

信用度が高い人は、低金利になる

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融資は、業者にとって「投資」である

「消費者金融」という単語には「金融」という言葉が入っています。金融という言葉を聞けば「株式投資」を連想する人も多いでしょう。この連想は正しく「金融」と「投資」はほぼイコールです。

で、消費者金融というのは「株券ではなく、消費者にかける投資」なんですね。ベンチャー投資が「有望な若手社長」に賭けるように、消費者金融はあまり有望ではないけど、ギリギリ返済してくれそうな人に対して投資するのです。

で、投資ということは当然「リスク・リターンの兼ね合い」になります。

  • 「ローリターン」なら、「ローリスク」でなければいけない
  • 「ハイリターン」なら、「ハイリスク」でもOK

…ということです。そして、消費者金融や銀行カードローンでいう「リターン」「リスク」というのは、

  • リターン…金利
  • リスク…信用度

となります。そして信用度が低い人=ハイリスクなわけですから、そういう人に対して融資する時は「ハイリターン」、つまり「高金利」をかけなければいけないということです。

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ヤミ金が高金利なのも「投資」だから

この「投資」という原理で考えれば「ヤミ金が高金利な理由」も納得が行くでしょう。ヤミ金は、いわば究極にハイリスクな借り手に対して融資しているわけですから、当然「ハイリターン」、つまり「高金利」でなくてはいけないのです。

この「高金利」が、どれだけの暴利になるかは、「完全に借り手により」ます。『闇金ウシジマくん』で、丑嶋のオフィスを訪れた申し込み者が「DMに書いてあった金利と全然違うじゃない!」と叫んだ時、丑嶋がこう返します。

「人を見て金利を決める。あんたの場合はトゴだ(10日で5割)」

細かいセリフは多少違うかも知れませんが、内容はこれで合っています。この丑嶋のセリフは「ただの漫画のセリフではなく、金融では欠かせないリスク・ベースド・プライシング(Risk Based Pricing=RBP)という考え方です。

直訳すると「リスクに基づいた、価格設定」ということですね。「人を見て金利を決める」という丑嶋の一言は、この「リスク・ベースド・プライシング」という考え方を、見事に一言で言い表した、秀逸な表現なのです。

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どのくらいの信用度で、金利が下がるのか?

では、実際の消費者金融や銀行カードローンの借り入れで、「どのくらいの信用度」だと、金利が下がるのか―。箇条書きすると、

  • 消費者金融…長年そこで借りていて、遅延がなかった人
  • 銀行カードローン…その銀行の口座を日頃から使っていて、ローンの利用実績も良好
  • クレジットカード…消費者金融と同じ

…ということです。浮かぶだろう感想は、

  • 思ったより、厳しくね?
  • 職業や年収は関係ないの?

というものでしょう。それぞれ補足すると、

…となります。以下、それぞれ詳しく説明します。

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実際の貸付金利と、信用度の関係

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消費者金融・クレカはRBPが生きていない

上にも書いた通り、消費者金融やクレジットカードでは信用度によって金利を変えるシステム(RBP)が、あまり生きていません。理由は、

  • 今の法定金利「20%」は、利益を出すギリギリのライン
  • 「信用度が高い人」に対して、この金利で融資することしかできない
  • 「信用度が低い人」に融資するなら「これより上の金利」が許可されないといけない
  • しかし、それは今の「利息制限法」ではできない
  • だから、「金利の工夫」(RBP)のやりようがない

…ということです。これは『リテール金融のイノベーション』などの書籍でも、繰り返し専門家が主張しています。

要は、クレジットカードや消費者金融では、あまり人によって金利が変わることがないというわけですが、

  • これは、消費者金融やカード会社が悪いわけではない
  • 今の法定金利では、これしかできない

…ということです。では「銀行はなぜ」この「人によって金利を変える」ことができるのか?

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銀行は「資金調達がタダ」で、金利を下げられる

消費者金融やクレジットカードは「人に貸すお金」をどうやって用意しているのか―。簡単に書くと、

  1. 「銀行」から借りる
  2. それを「利用者」に貸す

ということです。要は「又貸し」なのです。つまり実は、消費者金融やカード会社も「銀行から借金している」わけですね。

別に、これは変なことではありません。自動車メーカーでも家電メーカーでも、企業はすべて「銀行から借金」しているものです。消費者金融やカード会社は「それを又貸ししている」だけです(それが彼らの「事業」ですから)。

で、例えば、

  1. 消費者金融が、銀行から「10%」で借りる
  2. それを利用者に「18%」で融資する
  3. 「8%」が利益になる

…という風に、彼らの利益は成り立つわけですね。実際にはこの「8%」から、人件費・地代・通信費・広告費などのコストが引かれるわけです。つまり、彼らは「法定金利の18%では、ほとんど利益を出せない」ということなんですね。

これに対して、銀行はこの「資金調達コスト」がほぼゼロです。だから、消費者金融やクレカ業者よりも「金利を下げる」ことができるのです。

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本当に「暴利」を貪っているのは、銀行?

これはあくまで「1つの見方」ですが、本当に暴利を貪っているのは、消費者金融ではなく銀行ではないか?という指摘もあります。理由は、

  • 大手銀行の「預金金利」は「0.06%」である
  • それを「銀行カードローンで「14%」で融資している
  • つまり、「約28倍」である

で、消費者金融やクレジットカード会社はどうかというと、

  • 銀行から「2%~8%」で資金を調達する
  • それを「18%」で融資する
  • つまり「約2倍~9倍」である

ということです。で、さっきの銀行の「倍率」と比較すると「銀行の方が、3倍~9倍稼いでいる」ということなんですね。これで何で「消費者金融が暴利を取っている」といえるのか…というのが、一部の専門家の主張です。

もちろん、実際には消費者金融には「サラ金三悪(3K)」と呼ばれた、

  • 過剰融資
  • 高金利
  • 過酷な取り立て

という問題点がありました。だからバッシングされたというのは、もっともなことですし「消費者金融にまったく問題がなかった」というわけではありません。

ただ、世間の人が知らない消費者金融・カード会社の「資金調達コスト」を知ることで、上の専門家の意見のような「まったく別の見方」ができる…ということを知ってください。

(念のために繰り返しますが、決して銀行の経営を否定しているわけではありません。あらゆる見方が社会にはある、ということです)

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銀行は「給与振込」で金利が下がる

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「給与振込の口座に指定」で、1%下がる

銀行カードローンの金利引下げでよくあるパターンは、

  • 「給与振込の口座」を、その銀行に指定する
  • そうしたら、金利が「1%」下がる

というものです。実例を出すと、

  • 武蔵野銀行「むさしの新卒予定者応援ローン・ROOKIE」
  • 東京都民銀行「大学卒業予定者ローン」

などがあります。どちらも新卒学生のためのローンですが、特にこのような「新卒予定者用のローン」は、このパターンが多いです。新卒の段階から給与振込に指定してくれたら、その後も長い付き合いができるという期待があるからですね。

実際には「給与振込先の口座は、会社が決める」ことが多いので、なかなか自由にはならないのですが、会社の指定先と一致していたら、低金利にできる…ということです。

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銀行系クレカの発行でも、金利が下がる

もう一つ、銀行カードローンで金利が下がるケースは銀行系クレカ(提携クレジットカード)の発行です。たとえばスルガ銀行の場合「SURUGA Visaクレジットカード」を出していますが、これは下のような条件で、金利が下がります。

  • 年末に、1年間の利用分を精算
  • その利用代金の「0.7%~1.2%」を、翌年1月中にキャッシュバック

という内容です。「直接金利が下がる」わけではありませんが、キャッシュバックということで、実質金利が下がるようなものです。さらに詳しい条件を書くと、

  • 通常のスルガ銀行クレカ…0.7%
  • ゴールドカード版…1.2%

となります。ゴールドカードは年会費が「5400円」かかるので、単純計算で年間54万円買い物する人は、キャッシュバックで年会費を回収できるわけです。で、それより多く買い物した分は、「得する」わけですね。

ただ、あくまで「その買い物が本当に必要な場合」です。キャッシュバックされるからと言って不要な買い物をしていたら、当然支出が増えるだけです。

(この点は、スルガ銀行のクレジットカードでなくても、割引サービス全般に言えることなので、注意してください)

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その銀行で住宅ローン等を組むと、優遇金利に

これはほぼ全ての銀行カードローンで共通ですが、その銀行で、

  • 住宅ローン
  • 自動車ローン
  • 教育ローン

などを組むことによって、優遇金利が適用されます。これは「住宅ローンの利用で2%」のように明記されていることもあれば、「取引内容に応じて」ということで、明確に決まっていないこともあります。

一見明確に決まっている方がいいようですが、そうとも限りません。というのは、後者の場合「長年、その銀行口座を使っていた」などの理由も、考慮されるからです。要は「その銀行にとって、信用できる人であればいい」ということです。

他にも地元で長年、信頼される会社を経営しているなどの実績も、特に地方銀行では評価されます。そういう人は、地元で悪評が立つのが致命的なので、「絶対に地方銀行を裏切るようなことはしない」からです。

というように、「取引内容に応じて」と書かれている場合「有利な要素をいろいろ持っている」人は、逆に有利になるんですね。もちろん「不利な要素がいろいろある」人は、当然不利になります。

ちなみに一例ですが、東北銀行のフリーローンの場合「取引内容に応じて」最大で「3.1%」低金利になります。3.1%というのは「消費者金融と銀行カードローンの金利差」に近いレベルなので、かなり安くなるといえます。

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まとめ「基本的に借入金額で、一番変わる

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消費者金融なら「100万円以上」から15%になる

消費者金融の場合「人によって金利が変わることは少ない」と先に書きました。そして、これも冒頭に書いた通り「借入金額によって変わる」というのが、一番多いパターンです。

理由は簡単で、

  • 消費者金融が経営していくためには、「法定金利より下げる」ことはできない
  • 法定金利は「借入金額によって」上限が決まっている
  • だから、消費者金融の金利は「法定金利と同じ」金利になる

ということです。で、その「法定金利」がどうなっているかというと、

  • 10万円未満…20%
  • 10万円~100万円未満…18%
  • 100万円以上…15%

…という風に、その人の借入金額によって変わります。アコム・アイフル・モビットなどの大手の消費者金融は、みんなこの金利に連動しています。

「唯一の例外」がプロミスで、「10万円~100万円未満」でも「18%」ではなく「17.8%」を適用しています。つまり、大手の消費者金融で一番金利が安いのは、プロミスです。

もっとも、この「0.2%」という金利差は「10万円を1年借りて、200円」の差なので、正直大きな差ではありません。(それでも「一番安い」というのは良いことです。「30日間無利息」もありますし)

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クレカの「キャッシング枠」も同じ

クレジットカードの「キャッシング枠」も、上に書いた消費者金融と、ほぼ同じパターンで金利が変わります。「ショッピング枠」については、最初から「15%」で、「18%」のキャッシング枠よりも低金利になっています。

ショッピング枠の方が低金利な理由は、

  • ギャンブル・投資などに使えないので、破産しにくい(回収しやすい)
  • 加盟店に利益をもたらすので、そのクレジットカードの普及率が上がる

というメリットがあるからです。実はクレカ会社にとってショッピングによる利益は、キャッシングに比較して大したことはないのですが、それでも「加盟店・利用者を増やして知名度を上げる」ことに意味があるわけです。

そうして知名度が上がれば、利益率が高いキャッシングの方も、自ずと利用者が増えますからね。

昔マクドナルドが「99円バーガー」を販売した時「それで利益が出せるのか?」と多くの人が不思議に思いました。実はあれは、

  • ハンバーガーは「集客商品」
  • 利益を出すのは「ポテト」「ジュース」

だったんですね。ポテトやドリンクの利益率は「バカ高い」ので、ハンバーガーとセットでそれらを買ってもらえれば、十分利益が出る、ということです。

クレジットカードのショッピング枠の金利が安いのも、それと同じ理由なんですね。

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RBPが、日本の個人金融に早く根付くべき

ここまで書いた通り「人によって金利を変える=RBP」は、日本ではほとんど根付いていません。

  • 申し込み者の情報を、業者・銀行が詳しく調べられる環境がない
  • 利用者の方も「どこでも金利が変わらない状態」なので、特に選ぼうとしない
  • 利用者が選ぼうとしないので、業者・銀行の側も工夫をしない

…という風に「悪循環」になっているわけです。「いや、個人信用情報機関があるから、申し込み者の情報は詳しくわかる」という人もいるでしょう。しかし、これでは全然足りないのです。

アメリカやイギリスなどの「クレジット先進国」では、

  • 公共料金の支払い情報
  • 税金の納付状況

なども含めて「その人の支払いすべて」を調べられる環境にあります。そのため、個人信用情報だけに頼る日本より、遥かに正確に、その人の返済能力がわかるわけです。

もちろん「プライバシー」の問題はあります。しかし「全ての情報を出す」ことで、

  • 過去に自己破産したけど、今はお金がたっぷりある人
  • 自営業なので年収を低く申告しているが、事業自体はかなり順調な人

などが、審査で有利になります。つまりより実力主義になるということです。

上に書いたような人が「借りられる」だけではなく、「最初からもっと有利な人」の場合今の日本の平均より、さらに低金利で借りられるという可能性もあります。というように「より公正金利設定」になっていくわけです。

このような状態を作るには、「公共料金・税金などの支払いも含めた、すべての情報を共有する態勢」が必要です。法律の問題などもあり、すぐには難しいですが、日本のクレジット市場も、最終的にこうなっていくでしょう。


以上「金利は人によって変わる」という点について、現状やこれからのあるべき姿などをまとめました。参考になれば幸いです。

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参考文献&サイト一覧

  • 杉浦宣彦・大槻奈那・伊藤亜紀・浅見淳(2013)『リテール金融のイノベーション』きんざい
  • 日本のリテール金融(個人向け融資)を活性化するには「RBP」の導入が必要…と、繰り返し説いている
  • そのように「臨機応変に工夫しながら、健全に動く市場」を「自律的市場」と呼んでいる
  • 小林幹男(2009)『「貸せない」金融』角川SSコミュニケーションズ
  • 消費者金融やクレカ会社の「資金調達コスト」を指摘している
  • 「この調達金利で、今の法定金利だと、彼らが融資できる消費者は限られている」と指摘
  • 真鍋昌平(2004~2015)『闇金ウシジマくん』小学館
  • 序盤で「人を見て金利を決める」というセリフ&場面が登場する
  • ヤミ金も、消費者金融や金主から借金しているので、「回収できないと彼らもヤバい」ことが、随所で紹介されている
  • ↑(実は丑嶋も「危ない占い師のババア」からお金を借りているので、真剣に回収する)
  • 笠虎崇(2010)『サラ金全滅―過払い金バブル狂乱』共栄書房
  • アイフルのトップセールスマンだった方の著書
  • 他にも多数の金融関連本があるが、随所で「銀行が既得権益を貪っている」ことを指摘している
  • 定期預金の金利の比較「銀行預金の金利」
  • http://www.woman110.com/200807/no7.html
  • 都市銀行(UFJ、三井住友銀行、みずほ銀行、りそな銀行)の金利を参考
  • ↑普通預金の平均金利が「0.06%」であることが、書かれている
  • 武蔵野銀行「むさしの新卒予定者応援ローン・ROOKIE」
  • http://www.musashinobank.co.jp/loan/rookie/
  • 就職内定先からの、給与振込の口座に武蔵野銀行を指定すると「1%金利が下がる」ことが書かれている
  • 東京都民銀行「大学卒業予定者ローン」
  • http://www.tominbank.co.jp/for_kojin/kariru/other/yoteisha/
  • 東京都民銀行も、「給与振込先に指定すると、1%安くなる」ことが書かれている
  • 「指定した段階」ではなく「実際に一度振り込まれたら」という条件
  • スルガ銀行「SURUGA Visaクレジットカードについて」
  • http://www.surugabank.co.jp/surugabank/kojin/service/benri/visa_credit/
  • 利息キャッシュバックによって、年間の利用総額の0.7%~1.2%が返ってくることが書かれている
  • 東北銀行「ローン金利」
  • http://www.tohobank.co.jp/kinri/loan.html
  • フリーローンである「メインサービスカードローン」について、「取引内容に応じて、基準金利より最大3.1%低金利になる」ことが書かれている
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