キャッシングとカードローンの違いは?→クレカを含むか、カードを発行するか
キャッシングとカードローンの違いは、下の通りです。
- キャッシング…クレジットカードを含む
- カードローン…クレジットカードを含まない
厳密な定義とは違いますが、これが一番身近で、実用的な区別です。もっと説明すると下のようになります。
- クレジットカードには2つの機能がある
- 「キャッシング」と「ショッピング」である
- だから「キャッシング」ならクレカも含む
で「カードローン」とは下のようなものです。
- 消費者金融
- 銀行カードローン
このように「買い物はできず、現金を借り入れるだけ」のものですね。「現金の融資に、特化したサービス」ということです。
さらに言うと「カードローンは、カードが発行される必要がある」わけですが、今の時代、どんな融資でも大抵「カードが発行される」ので、「カードの有無」は無視してかまいません。
クレカのキャッシングと、カードローンの違い
カードローンの方が融資枠が大きい
クレジットカードのキャッシング機能と、カードローンの違い―。一番大きいものは「限度額」です。クレジットカードは本来「買い物」が中心の機能なので、キャッシング枠は小さいのです。
もちろん、キャッシング枠の大きさは―。
- カードのステータス
- その持ち主のクレジットスコア
などの諸条件によって違うので、決して一概に「クレジットカードの現金枠は小さい」とは言えません。ただ全体的に、ショッピング枠より小さいというのは確かです。
クレカは、両方の枠を大きくすることはできないのか?
「ショッピング枠が中心だから、キャッシング枠が小さくなる」という説明を読んで両方大きくすればいいのでは?と思う人も多いいでしょう。確かに理想はそうです。
また、アメックスのゴールドカードなど、ステータスの高いクレジットカードを持っている人の場合「どちらの枠も、変わらず大きい」ということがほとんどです。
要は「しっかり払える人であれば、両方大きくしても構わない」「また、カード会社としてもそうしたい」わけです。しかし、下のようにも言えます。
- 実際には、多くの人は「払える金額」に限界がある
- だから、「両方無限に大きくする」わけにはいかない
よく考えれば当たり前のことですね。
そして、「じゃあ、限りがある中で、ショッピング枠とキャッシング枠のどちらを優先するか?」となったら、「ショッピング枠を優先せざるを得ない」のです。この理由を説明します。
ショッピング機能は「多数の参加」が必要
クレジットカードのショッピング機能は―。
- 多くの加盟店
- 多くの買い物客
の両方が揃っていないと、意味がないのです。それぞれがあれば―。
- 加盟店「お、VISAの利用者はこんなにいるのか。導入したら売上が伸びるな」
- 利用者「お、VISAが使える店がこんなにあります。持っておいたら便利だな」
そのため、下のように言えます。
- 「少しでも多くの人」
- 「少しでも多くの金額」
このように、カード会社は使ってほしいのです。だからキャッシング枠を減らしてでも、ショッピング枠を増やすということなんですね。
この原理はどのクレジットカードのブランド(JCB・VISA・MASTERなど)でも変わらないので、基本的にクレジットカードは「キャッシング枠が小さめ」になるのです。
(だから「現金を単純に借りるだけ」だったら、クレカのキャッシングより、カードローンの方がいいんですね)
「現金の融資」で「カードがないもの」はあるのか?
中小の消費者金融なら「カードなし」もある
大手の消費者金融はすべて「カードが発行される」ので、名実ともに「カードローン」です。しかし、中小の消費者金融なら「カードが発行されない」ものもあります。
カードなしでどうやって融資するのかというと銀行振り込みです。追加で借り入れしたい時は、その業者に「5万円お借りしたいです」というように、電話するんですね。
そして、業者がその人の情報をチェックし、「5万円ならいいかな」と思ったら「その人の口座に振り込む」という風です。つまり、すべて「振り込み」で借入・返済するので、「カードなしでもOK」ということですね。
これは実際に私がある学生専用ローンで借りていたので、よくわかります。その学生ローンでは「カード」は発行されず「ナンバーを書いた紙」だけ送られてきました(すぐなくしましたが。笑)。
ナンバーがわからなくても、電話口で自分の名前や生年月日をいえば、それで借り入れも返済もできました。というようにこの業者の場合は、「電話さえあればよかった」わけです。
というように「カードのない業者」なので、これは「カードローン」には入らず「キャッシング」に入るものだったでしょう。例外的なものですが、こういう「カードローンとキャッシングの違い」もあります。
「カードなし」のキャッシングは非常に不便
実際に使ってわかりましたが「カードなしのキャッシング」というのは借入・返済が非常に不便です。詳しく書くと下の通りです。
- 提携ATMが使えないので、毎回電話する必要がある
- 借り入れはともかく、返済でも電話連絡が必要
- 少額の返済だと、いちいち連絡するのが気まずい
- 臨時返済がしにくく、自然と完済が遅れる
もしこれが大手の消費者金融だったら下のようになります。
- コンビニ・銀行の提携ATMで、いつでも返済できる
- 特に自社ATMだったら、手数料もなしで返済できる
こういうことで、数千円の少額でもどんどん臨時で返済していこう、という気が生まれます。結果早期返済でき、利子総額も小さくてすむわけです。
「カードなし」の中小業者でも、確かに「強い意志でお金を貯め続けて、月一の返済で、一気に返す」というやり方をできればいいでしょう。しかし、そこまで意思の強い人はほとんどおらず、臨時返済に回さないと、そのお金は大抵使ってしまうものなのです。
そういう理由で「臨時返済がしにくい、カードなしの業者」は、あまりおすすめしません。どの中小業者がそれかはここには書きませんが(かなりの数なので)とりあえず「大手を選んでけば、まず間違いない」と思ってください。
「あえてカードレス」のカードローンもある
最近は「あえてカードレス」のカードローンも増えています。カード発行のコストを削減し、その分低金利にするということです。有名どころでは―。
- 三井住友カード…『ゴールドローン・カードレス』
- オリックス・クレジット…『カードレスVIP』
などです。それぞれ原型として―。
- ゴールドローン
- VIPローンカード
があり、その「カードレス版」ということですね。
もちろん、これもカードがない以上、提携ATMでは使えません。しかし、先ほど書いた中小業者のように不便でないのは―。
- 利用者は「最初からそれを目当て」で申し込んでいる
- そもそも「提携ATMなんか不便だから、使いたくない」という人々
- 「ネットバンキングでの借入・返済の方が楽」という人々である
- 中小業者は「電話」だが、カードレスローンは「ネット」で出来る
一番の違いは、最後の「ネット」で借入・返済できるということでしょう。
「カードなし」の中小業者が不便なのは「カードがないから」というよりも「電話連絡が必要だから」なんですね。カードがなくて、提携ATMが使えなくても「ネットでできれば」何も問題ないわけです。
ということで、同じ「カードなし」でも、このように大手が「あえて」カードをなくしたものは、むしろ利便性が高まっています。
(ネット利用の便利さが命ですから、そちらに普通以上に磨きをかけていますからね)
まとめ「キャッシング・カードローン」の違い
以上「キャッシングとカードローンの違い」をまとめると、下のようになります。
- クレカを含むか、含まないか(キャッシングは含む)
- カードローンは基本的に「カード発行」が必須
- 中小の消費者金融では「カードがない」ところもある
- 大手のカード会社は「あえてカードレス」もある
- まとめると、本質的な違いは特にない
参考になれば幸いです。