ノーローンの大口利用「かりかエール」の金利・審査は?アイフル・プロミスの方がおすすめ?
ノーローンには返済計画支援のための融資もあります。なので、返済計画の再編をすることも可能ですが―。
- 上限金利・下限金利ともに、低金利ではない
- 上限金利ならアイフルのおまとめMAXが低金利で、下限金利ならプロミスの返済計画支援のための融資が低金利
- なので、あえてノーローンで返済計画を再編するメリットは、あまりない
こういうのが結論になります。以下、詳しくまとめていきます。
目次
ノーローンの返済計画再編時の金利は?
ノーローンの返済計画支援のための融資の金利は、実質年率で「12.0%~18.0%」となっています。そして、これは、下の通りです。
- 上限金利では、アイフルの「15.0%」に大差がついているし、下限金利でも、プロミスの「6.3%」に、やはり大差をつけられている
こういうことで、どちらの金利を見た場合でも、あまり低金利とはいえないんですね。
上限金利・下限金利の意味は?
そして、この上限金利・下限金利の意味は何かというと、キャッシングの知識がある人は知っているでしょうが、下のように言えます。
- 上限金利…少額の時に適用される
- 下限金利…最高融資枠近くまで借りた時に、適用される
このようになっています。要は下の通りです。
- 上限金利…少額
- 下限金利…高額
こういう違いですね。そして、それぞれノーローンよりもアイフル・プロミスの返済計画支援のための融資の方が低金利なので、下のようになります。
- 少額…アイフル
- 高額…プロミス
が、それぞれいいということです。ノーローンとアコムの返済計画支援のための融資は、残念ながら特にここで返済計画の再編をするメリットがないというのが、率直な見方なんですね。
ノーローンで返済計画の再編をするメリットは?
では、ノーローンで返済計画の再編をするメリットはまったくないのか―。というと、これは実はあります。箇条書きしていくと、下の通りです。
- すでにノーローンで借り入れしている人であれば、その借り入れの期間中に延滞・滞納していないなら、借入実績がある(しかも良好)ということで、返済計画支援のための融資の審査でも有利になる(審査に通りやすくなる)
つまり、要は「すでに借りている人は、審査に通りやすくなる」ということですね。
このメリットはアイフル・プロミスでも同じである
ただ、少々水をさすようですが、このメリットは、別にノーローンやアコムの返済計画支援のための融資だけではなく、アイフル・プロミスの返済計画支援のための融資でも、全く同様にあるわけです。なので総合的に見ると、やはりノーローンの返済計画支援のための融資より、アイフル・プロミスの方が有利…という結論になります。ただ、下のように言えます。
- それは「総合的」に見た場合であって、つまり「万人向け」の結論である
- 「ノーローンで借りている人向け」の結論としては、「審査に通りやすいのはノーローン」となる
こういうことは指摘できます。なので、こうした方(ノーローンで良い借入実績を残している方)であれば、金利など関係なく、ノーローンで返済計画の再編をした方がいいというケースもあるでしょう。
実際の利子総額はどのくらい変わるのか?
それぞれの消費者金融の返済計画支援のための融資の金利の違いは、先に書いた通りです。では、これは実際の利子総額に換算すると、どのくらいの違いになるのか。たとえば「100万円」の返済計画の再編をしたとして、まずは上限金利から比較してみましょう。
大手の消費者金融の返済計画支援のための融資の上限金利を一覧にすると、下のようになります。
アイフル | 15.0%(実質年率)) |
---|---|
プロミス | 17.8%(実質年率 *上限金利のみ記載) |
アコム | 18.0%(実質年率) |
ノーローン | 18.0% |
ノーローン・アコム・プロミスの3つの消費者金融は、アイフルの上限金利に大差をつけられているということですね。そして、実際の利子総額を計算すると、まずノーローンの場合、下のようになります。
- 100万円を1年借りた時、その「18%」が利息として発生する
- だから「1年で18万円」となる
- 1ヶ月で、大体「1万5000円」
そして、アイフルはというと下のようになります。
- 1年間で、100万円の「15%」の利息が発生する
- つまり「年間15万円」である
- 1ヶ月だと、大体「1万2000円」となる
そして、最後にプロミスですが―。
- 「17.8%」(実質年率 *上限金利のみ記載)なので、1年間で「17万8000円」
- ノーローン・アコムよりも「2000円」安いだけ
- 1年間で2000円安いということは、月間だと、180円程度
- なので、大体「月1万4800円」
すべて概算ではありますが、再度一覧にすると、100万円の返済計画の再編をした時の、1ヶ月の利息が、
- アコム・ノーローン…1万5000円
- プロミス…1万4800円
- アイフル…1万2000円
となるわけですね。なので、ノーローン・アコムとプロミスについては、ほとんど差がないわけです。100万円借りて、200円の差ですからね。
そして、アイフルについては少々差が出ます。月3000円違うということは、年間に換算すると、3万6000円となるわけですから、かなり大きいでしょう。
もっとも「100万円」という高額での話なので「それにしては利息差が小さい」という見方もあるかもしれませんが…。何はともあれ、「上限金利」の違いを実際の利子総額に換算すると、このようになります。
それと、補足をしておくと、ここではわかりやすく「100万円」としましたが、本当は「100万円から適用金利が下がる」ことが多いので、こうはならないケースが普通です。なので「99万円」の時だと思ってください。(99万円だったら、法定金利は変わらないので)
下限金利だと、実際の利子総額でどのくらいの違いになるか?
今度は、下限金利の方で比較してみましょう。
- 大手の消費者金融の返済計画支援のための融資は、ノーローンも含めて、みんな最高借入枠が300万円である
- ということは、「300万円」で下限金利になる可能性が高い
そのため、今度は「300万円を1ヶ月借りた時の利息差」を計算します。まず、最初に下限金利を一覧にすると下の通りです。
プロミス | 6.3%(実質年率 *下限金利のみ記載) |
---|---|
アコム | 7.7%(実質年率) |
ノーローン | 12.0%(実質年率) |
アイフル | 12.0%(実質年率) |
上限金利の時と違い、こちらの方がランダムにばらついていますね。そして、それぞれの利息を計算します。まずプロミスから書くと下の通りです。
- 300万円の「6.3%」が、年間で利息となる
- 300万円の1%は「3万円」である
- その六倍なので、18万円はまず確定
- 次に「0.1%」だと、3000円である
- その3倍なので、9000円
- よって「18万9000円」
これが、プロミスの返済計画支援のための融資の年間の利息です(月間の方は後で出します)。
そして、今度は二番目に低金利なアコムで計算すると下のようになります。
- 300万円の「7.7%」なので、3万円の7倍で「21万円」は確定
- 3000円の7倍なので、2万1000円も確定
- 両者を合計して23万1000円
これがアコムの返済計画支援のための融資の利息(借入総額300万円の時)です。(あくまで概算ですが)
そして、最後にノーローンとアイフルを見ると、下のようになります。
- 300万円の「12.0%」なので、10%は、「30万円」
- 2%は「6万円」
- 合計で「36万円」
そして、年間の利息をもう一度一覧にすると下の通りです。
- プロミス…18万9000円
- アコム…23万1000円
- ノーローン……36万円
- アイフル…36万円
最高借入限度額の300万円で返済計画の再編をした時、という計算なので、高額の利息になっていますが、このケースだと、このくらい違う…というわけですね。
ちなみに、これは「年間利息」なので、「月間利息」になおしてみると、下のようになります。
- プロミス…約1万5000円
- アコム…約2万円
- ノーローン……約3万円
- アイフル…約3万円
これもざっとの概算ですが、「かなり違う」というのがわかるでしょう。比率でいうと、下のようになります。
- プロミス…3
- アコム…4
- ノーローン…6
- アイフル…6
こういうことで、ノーローン・アイフルの利息は、プロミスの2倍で、アコムの1.5倍ということになります。って、計算して気づきましたが、金利が最初からその比率なので、当たり前でしたね(笑)。
何はともあれ、下限金利で比較するとこのくらい違いということです。なので、特に高額の返済計画の再編をする場合、下のようになります。
- 現時点の借り入れなどの条件をなしにしたら、ノーローンよりプロミスの方が、断然いい
あくまで金利面・利息面だけに着目した場合ですが、低金利で返済計画の再編をしたい…と考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
銀行カードローンでの返済計画の再編と比較すると?
ここまでは、消費者金融の返済計画支援のための融資とノーローンで比較してきました。今度は、銀行カードローンで返済計画の再編をするケースと比較してみましょう。最初にポイントをまとめると、下のようになります。
- 銀行カードローンは「返済計画支援のための融資」は提供していない
- しかし、返済計画の再編専用のコース・プランがないだけで、もともと「通常のキャッシング」が貸金業法第13条の2第2項の規定の範囲外(例外・除外含む)なので、普通のキャッシングで、そのまま返済計画の再編ができる
このようになっています。ありとあらゆるキャッシングの情報サイトで書かれている説明なので、キャッシングの知識がある人だと「もう見慣れた」感じが満載かも知れませんが、何はともあれ、こういう風になっています。要は銀行には返済計画支援のための融資はないけど、普通のキャッシングで、どこでも大丈夫だよということですね。
特に返済計画の再編に協力的な銀行カードローンは?
そして、ルール的にはどの銀行カードローンでもOKなのですが、当然―。
- 返済計画の再編に協力的な銀行カードローン
- そうでない銀行カードローン
の両方があります。返済計画の再編に協力的な銀行カードローンを一覧にすると下の通りです。
- みずほ銀行カードローン
- 楽天銀行スーパーローン(カードローン)
- イオン銀行カードローンBIG
新生銀行カードローン レイクの返済計画支援のための融資と比較すると?
ノーローンと同じ新生銀行系ということで、新生銀行カードローン レイクの返済計画支援のための融資とも比較してみましょう。新生銀行カードローン レイクは他の銀行カードローンとは違い、「借換プラン」という、返済計画の再編専用のコース・プランを持っています。そして、この金利ですが、「13.0%~17.0%」ということで、少々高い金利になっています。
これをノーローンと比較すると、まず上限金利では―。
ノーローン | 18.0%(実質年率) |
---|---|
新生銀行カードローン レイク | 17.0%(実質年率) |
このように、新生銀行カードローン レイクの方が低金利になっています。そして、こ難易度のは下限金利で比較すると、下のようになります。
ノーローン | 12.0%(実質年率) |
---|---|
新生銀行カードローン レイク | 13.0%(実質年率) |
このように、今度はノーローンが低金利になっています。そして、最高借入枠は両方300万円で同じとなっています。なので、下のようになります。
- 少額の時…新生銀行カードローン レイクがいい
- 高額の時…ノーローンがいい
ただ、どちらにしても、アイフルやプロミスの返済計画支援のための融資と比較すると、やはりどちらでもアイフル・プロミスの方が低金利になります。なので、下のようになります。
- 新生銀行カードローン レイクにしても、ノーローンにしても、どちらの返済計画支援のための融資も、金利だけで見ると、特に利用するメリットはない…
と考えていいでしょう。やはり「すでに借り入れをしていて、審査に通りやすい」というメリットがある時のみ、利用することをおすすめします。審査に通りやすくなるだけでなく、「審査時間が短縮される」というメリットもありますしね。
返済計画支援のための融資で返済計画を再編する時のデメリット・注意点
これはノーローンで返済計画の再編をする時だけでなく、楽天銀行スーパーローン(カードローン)でも、あるいはプロミス・アイフルでも、どこで返済計画を再編する場合でも同じなのですが、返済計画支援のための融資にも、当然デメリットはあります。ここでは、そうした「返済計画支援のための融資のデメリット・注意点」について書いていきます。まず簡単に一覧にすると下の通りです。
- 過払い金の返還請求が不可能となる
- 返済期間が延長されると、最終的な利息総額が多くなることもある
こうした2つが、主なデメリット・注意点です。以下、これらについて詳しくまとめていきます。
なぜ、過払い金の返還請求ができなくなるのか?
ノーローンにしても他の借入先にしても、なぜ返済計画支援のための融資で返済計画の再編をするという「良いこと」をしたのに、過払い金の返還請求ができなくなるのか―。この理由は下の通りです。
- 返済計画支援のための融資というのは、個別の業者で「全額返済」するだけではなく、全額返済した上で、解約もしなければいけない
これが前提。
- 解約したキャッシング業者に対しては、過払い金の返還請求はできない…というルールになっている
これは何となくわかるでしょう。
- 解約をしたというのは、キャッシングでも普通の契約でも、「これで、あなたとの付き合いは終わりです」という意味だから、その後の何かの請求に応じる必要はない
そのため、解約したキャッシング業者に対しては、過払い金の返還請求ができなくなるというのは、誰でも納得できるかと思います。そして、納得しにくいのは―。
- 何で「全額返済」するだけではだめで、わざわざ「解約」までする必要があるのか?
こういうことでしょう。疑い深い人だと過払い金の返還請求をされたくないから、消費者金融の側が、そういうルールにしているのでは?と思うかも知れません(確かに、なかなか面白い指摘ではあります)。
ただ、この理由は、「返済計画の再編の仕組み」を理解していただくと、納得できます。以下、その「返済計画の再編のメカニズム・やり方」を解説していきましょう。
返済計画の再編のやり方は、どうなっているか
返済計画の再編の仕組みは、箇条書きしていくと、下のようになります。
- たとえば「A社・B社・C社」の3社で借りているとする
- そして、これを「D社」で返済計画を再編するとする
こういうのが始まりです。そして、下のように言えます。
- A社にその希望を伝える
- A社は歓迎する
そして、A社はこう語るわけです。
- 「はい、私どもとしても、返済計画の再編されるのは歓迎でございます」
- 「では、D社様に、借入残高の30万円を移すので、」
- 「D社様から、30万円お振り込みください」
このように。そして、B社もC社も同じように語ります。つまり、この借り手(山田さんとします)は―。
- 返済計画を再編する予定のD社に、A社~C社に「30万円ずつ、振り込んでもらう」必要がある
- これはつまり、D社から「30万円×3」の借金をする…ということ
で「すればいいじゃん」と思うでしょう。実は、ここで問題が発生します。
山田さんは、すでに年収の3分の1まで借りている
キャッシングの知識がある人は知っているでしょうが、キャッシングの世界では、年収の3分の1以上、お金を借りてはいけないというルールがあります。そして、山田さんはもう、「すでに年収の3分の1までキャッシングしている」という状態なのです。
「何で?借りてないかも知れないじゃない」と思うでしょう。しかし、下のようにも言えます。
- 多重債務になる人というのは、ほぼ99%が、「年収の3分の1まで借りている」
- だから、こうやって「返済計画の再編」をしようとした時点で、もう「D社から、追加で借りることはできない」
これは当然ですよね。多重債務になるような人というのは、大体「年収の3分の1まで借りてから」ようやく返済計画の再編をしようと思うものです。
(そのラインまではキャッシング審査を通過できるわけですからね)
ということで、まとめると、下のようになります。
- 返済計画の再編をするには、「返済用の資金」を、D社から追加で借りないといけない
- しかし「貸金業法第13条の2第2項の規定」があるので、その「返済資金の借り入れ」ができない
- だから「返済計画の再編ができない」
こういうことなのです。そして、ここでも「いや、借りないで返済計画の再編すればいいじゃん」と思う人がいるでしょう。
借りないで返済できるような、貯金や資産がない
「キャッシングせずに返済計画の再編すればいいじゃん」という指摘は、確かにもっともです。しかし、下のようにも言えます。
- 繰り返すが、多重債務になるような人である
- 貯金などないし、切り崩せる資産もない
- また、家族などからお金を借りることも、基本的にできない
こういう状況なのです。これも、少し想像すれば「確かに、そうだ」と思っていただけるでしょう。そして、下のように言えます。
- そうして貯金や家族からの借金もできないなら、やっぱりまた「キャッシング業者から借りる」しかない
- しかし、先に書いた通り「貸金業法第13条の2第2項の規定」があるので、どこからも借りることができない
となると、この山田さんはこのまま返済計画の再編をできずに、多重債務者として一生を終えるということになるのです(いや、一生を終えるかどうかはわかりませんが…)。
これと「解約」は、どうつながるのか?
そして、もともと「返済計画の再編をするには、個別の業者の解約が必要」という理由を説明しようとしていたのですが、ここに至るまでが少々長いんですね。もうすぐ結論に到達するので、今しばらくお付き合いください。
ここまで話してきた内容をまとめると、下のようになります。
- 返済計画の再編をするには、個別の業者に対して、それぞれ支払いをする
- その「支払うお金」を、新たな業者から借りる必要がある
- そして、それを借りるために「貸金業法第13条の2第2項の規定」を超える必要がある
そして、貸金業法第13条の2第2項の規定を超えるというのは、要するに「借り過ぎ」の状態なんですね。一時的とはいえ「本来、借りられるはずのない高額」を借りているわけです。
ここまで話している山田さんの例でいくと、下のようになります。
- A社~C社の3社で、「合計90万円」借りている
- これらをそれぞれ支払うために、さらにD社から「90万円」を借りた
- 一瞬とはいえ、「合計180万円」の借金になった
ですぐに3社に対して支払うので―。
- A社~C社の借り入れは「ゼロ」になり、D社の借り入れの「90万円」だけが残る
- めでたく、元の「借入総額…90万円」に戻り、借入件数は「3件→1件」となった
まず、これが返済計画の再編の仕組みです。そして、ここからがようやく「なぜ、解約が必要なのか」という説明です。
解約しないと、どうなるのか?
もし解約しないままだと、下のようになります。
- A社…0万円(しかし、30万円借りられる)
- B社…0万円(上と同じ)
- C社…0万円(同じ)
- D社…90万円
このような状態です。つまり、もし山田さんがまたキャッシング癖に目覚めて、借金をしてしまうと―。
- A社…30万円
- B社…30万円
- C社…30万円
- D社…90万円
このように、「借入総額180万円」に膨れ上がってしまうわけですね。そして、こう思う人もいるでしょう。
いや、A社~C社が、山田さんに融資しなければいいじゃん…ということですね。これに答えていくと、下のようになります。
- 実は、A社~C社は、山田さんが「返済計画の再編」をしたことをしらない
- D社からの振り込みは「山田さんの名義」でされているので、普通に山田さんが完済しただけ、…と思っている
こういうわけです。
- 山田さんは、A社やC社にとっては、「ただ完済しただけ」なのだから、「またいつでも、30万円まで借りていいですよ」となる
上の方に書いた説明では、わかりやすくするために「最初に、返済計画の再編の相談をA社~C社にする」という例え話をしましたが、本当はしないんですね。山田さんが返済計画の再編をすることを知っているのは、D社だけなのです。
ということで、A社やC社からしたら―。
- 山田さんに「追加で貸さない」理由がない
- だから、山田さんはA社~C社で、「またキャッシングできる」
- D社から見ると「こいつは、また借金をする危険性がある」
(こいつと書くと言葉が悪いですが、わかりやすく言うと、こういう感情です)
なので、D社としては「解約」させないといけない
- 返済計画支援のための融資を使ったのに、それぞれの業者を解約せずに、契約を残している
このような状態は、返済計画支援のための融資を提供したD社にとって非常に危険なんですね。D社としては、「A社~C社を、全部解約してくれないと、安心できない」ということです。
そして、返済計画支援のための融資というのは、先に書いた通り貸金業法第13条の2第2項の規定の範囲外(例外・除外含む)という、特別な配慮をしているわけです。そこまでしたわけだから―。
- せめて全部の業者を解約して、D社を安心させてくれないと、困る(D社が)
わけですね。これも一般的な感覚から考えて、当然と言えるでしょう。なので、下のようになります。
- D社を安心させるために、A社からC社の全ての業者を、全額返済するだけではなく、解約して、もう二度と借りられないようにする
こういうことが必要なわけです。なので返済計画の再編をする時は、それぞれの業者を解約しなければいけないというルールになっているわけですね。かなり長い説明になりましたが、これで理解していただけたかと思います。
もっとカンタンに書くと?
長くなったので、もっとカンタンに書きましょう。要するに、下のように言えます。
- Q.何で、返済計画の再編では「解約」が必要なのか?
- A.解約しないと、それぞれの業者で「また借りる」かも知れないから
- Q.「また借りる」のを、それぞれの業者が許可しなければ?
- A.それはできない
- Q.なぜ?
- A.それぞれの業者(A社~C社)は、返済計画の再編のことを知らない
- Q.なぜ知らない?
- A.D社が「山田さん」の名義で振り込んでいる。つまり、A社~C社にとっては「山田さんが、突然全額返済した」というだけ
- Q.「D社」の名義で振り込んだら?
- A.それはできない
- Q.なぜ?
- A.A社~C社にとって「不利益」だから
- Q.なぜ不利益?
- A.全額返済されたら「もう利息が入らない」し、しかもその売上を「D社が持っていった」ことになる
- Q.でも「全額返済してもらって、貸し倒れのリスクがなくなった」というメリットもあるのでは?
- A.その通り
- Q.だったら、A社からC社にとっても、いいことでは?
- A.確かに、いい点もある
- Q.じゃあ、別にD社の名義で振り込んでもいいのでは?
- A.しかし、今度は「D社の戦略」が、A社やC社に知られることになる
- Q.戦略とは?
- A.つまり、全ての返済計画支援のための融資でそうやって「D社」の名前を出していたら、「D社は今年、返済計画支援のための融資でこれだけの売上を出している」というデータが、A社などに漏れるのと同じことになります。全部は漏れないが、一定の割合が漏れる
(また長くなりましたが)こうして突っ込んでいくと、下のようになります。
- D社にとって、一番安心できるのは
- A社~C社を、全部解約してもらうことである
- だから、解約させる
- だから、返済計画の再編では「解約」が必須
このルールの説明はもともとかなり難しいので、どうしても長くなってしまいましたが、要するにこういうことです。
で、解約したら、もう過払い金の返還請求をできない
そして、ここからはもう大丈夫だと思いますが、下のように言えます。
- 解約したら、その業者とはもう「関係ない」ということになるので、後から過払い金の返還請求をすることはできない
こういうわけです。なので、返済計画支援のための融資のデメリット・注意点の代表的なものとして、過払い金の返還請求の権利がなくなるという点が、よく指摘されるわけですね。どのキャッシングの情報サイトでも、これが大きく指摘されている…というのは、こうしたメカニズムがあるわけです。
返済期間のリスケジュールによって、利子総額が多くなる?
そして、もう一つのメリットとして有名?な「最終的な利息総額が多くなる」という点についても解説していきましょう。
(今度は短くなるように、努力します)
箇条書きしていくと、下の通りです。
- 複数ローンを借りていた
- ということは、それぞれの返済期間は、当然バラバラだった
- それを一箇所にまとめた
- ということは「返済期間の見直し」が必要である
- これを「リスケジュール」という
こうしたものはいいいでしょう。ごく当然のことですね。そして、下のように言えます。
- こうして返済期間が「変更」になる
- その時「当初の予定より長くなる」こともある
- (長くなるとは限らない。短くなることもある)
変更したわけですから、当然ですね。そして、下のように言えます。
- もし「長くなった」ら、要するに「チンタラ返済する」わけなので、利子総額は多くなる
そのため、返済計画支援のための融資のせいで、最終的な利息総額が多くなるという事態が、起きうるわけです。ただ、わかりやすく「返済計画支援のための融資のせいで」と書きましたが、本当は―。
- そもそも「長くなる」とは限らない
- また長なっても「気づけば」問題ない
このようになるわけです。
要は、気づいて早期返済すれば問題ない
このデメリットについては、過払い金の返還請求の時とは違い「本人が気づけば、それで問題なし」となっているわけですね。
- 知らない人が、返済期間が長くなったのに気づかず、「わーい、月々の支払い金額が少なくなった」
- …と言って喜んでいると、危ない
こういうだけの話なのです。なので、これは返済計画支援のための融資の「デメリット」というよりは「注意事項」だと思ったほうがいいでしょう。フランシス・ベーコンの「知識は力なり」という名言ではありませんが、要は「知っていれば何も問題ない」ということなのです。
そもそも、なぜ気づかないのか?
このデメリット(というか注意点)について、「何で気づかないのか?」と思った人もいるでしょう。この理由は下の通りです。
- 返済計画支援のための融資を使うと「低金利になる」と思っている
- ↑(確かに、これは事実である)
- ただ、その「低金利」について、過剰な期待がある
- そういう人は、月々の支払額が減ったのを見て、「おお、さすが返済計画支援のための融資」と思ってしまう
つまり「期待バイアス」のようなものですが、期待が大きいせいで、情報を冷静に見ることができないというわけですね。
- 本当は「返済期間が長なって、支払い金額が減った」だけなのに、返済計画支援のための融資の効果で、負担が減った、…と勘違いしてしまう
たとえばトンカチを持っていると、すべてのものが釘に見えるという例え話もあります。これと同じで―。
- 返済計画の再編をすると、すべての「支払い金額の軽減」が、「返済計画支援のための融資の効果」に見えてしまう
こういう錯覚が起きる、というわけです。ちなみに、心理学ではこうした錯覚のことを「認知バイアス」といいます。認知バイアスにもいろんな種類があるのですが、これは「期待によって生じる」ということで、「期待バイアス」と呼ぶべきでしょう(そういう単語があったかどうかは忘れてしまいましたが)。
それ以外で、返済計画支援のための融資によって高金利になるケース
この「リスケジュール」以外でも、返済計画支援のための融資によって「逆に利子総額が高くなる」というデメリットは、たまに書かれています。これを三つ目の返済計画支援のための融資のデメリットとして、あげているキャッシングの情報サイトもあります。
結論を書くと、これは間違いではありません。確かに、あることはあります。ただ、下のように言えます。
- それは「理論上、ありえる」というだけであって、そんな間抜けなことをする人は、まずいない
実際「理論上」というのは、どうやったらそうなるのかを説明します。
どうしたら、「逆に高利息」になるのか?
どういう返済計画の再編のやり方をしたら、「逆に高利息」という、異常事態が発生するのか。これも箇条書きしていくと、たとえば、例を出すと下の通りです。
- 普通の銀行カードローン数件で借りていたものを、ジャパンネット銀行など「高金利な銀行カードローン」でまとめる
と言うやり方です。具体例をあげると―。
- 楽天銀行スーパーローン(カードローン)
- 三菱UFJ銀行カードローン「バンクイック」
- 静岡銀行カードローン「セレカ」
で借りていた複数ローンを、ジャパンネット銀行で返済計画を再編する…ということです。なぜこれで高金利になるのかは、それぞれの金利を一覧にすると、わかります。
それぞれの金利を一覧にすると?
あくまで例え話ですが、上にあげたそれぞれの銀行カードローンの金利を一覧・比較すると、下のようになります。
楽天銀行スーパーローン(カードローン) | 14.5%(実質年率) |
---|---|
三菱UFJ銀行カードローン「バンクイック」 | 14.6%(実質年率) |
静岡銀行カードローン「セレカ」 | 14.5%(実質年率) |
ジャパンネット銀行「ネットキャッシング」 | 18.0%(実質年率) |
このようになっています。(100万円以下では、基本的に上限金利が適用されるので、全部上限金利で書いています)
そして、もしこの状態で「ジャパンネット銀行で返済計画の再編」をしたらどうなるか。
- それまで「14.5%前後」で借りていたものが、「18.0%」になる
つまり「明らかに高金利になった」ということです。
この失敗は、なぜ起きるのか?
実際にはこんなことをする人はまずいないのですが、この失敗はなぜ起きるのか。それは、銀行カードローンだったら、どこでも低金利と思っていること…、にあります。これについてポイントをまとめると、下のようになります。
- 銀行カードローンはすべて低金利なわけではない
- 総合的には低金利だが、「上限金利だけは、大手の消費者金融に近いレベル」という所もある
ジャパンネット銀行もそれですね。そして、そういう「上限金利が大手の消費者金融に近いレベル」の銀行カードローンを一覧にすると下の通りです。
- 新生銀行カードローン レイク
- じぶん銀行カードローン「じぶんローン」
などが、ジャパンネット銀行以外ではあげられます。それぞれの上限金利を一覧にすると下の通りです。
新生銀行カードローン レイク | 18.0%(実質年率) |
---|---|
じぶん銀行カードローン「じぶんローン」 | 17.5%(実質年率) |
となっているからです。大手の消費者金融の上限金利が「17.8%~18.0%」なので、ほぼ同じか、プロミスの「17.8%」(実質年率 *上限金利のみ記載)と比較すると、新生銀行カードローン レイクの方が高金利という事態すら発生するわけですね。
ということで、銀行カードローンでも「上限金利だけは、例外的に高い」ということはあるのです。もちろん、ここで上げた銀行カードローンはすべて「下限金利は低金利」なので、決して「これらの銀行カードローン自体が高金利」というわけではありません。あくまで上限金利だけです。
このような例外を知らず「銀行カードローンは全部低金利」と思っていると、こういう間違いが起こりうるわけですね。ただ、下のように言えます。
- これは返済計画の再編を申し込む時に大体わかる
- なので「理論的にはありうる」だけで、実際にこのような失敗をする人は、まずいない
と思っていいでしょう。なのであくまで「理論的には、そういうケースも発生する」(かも知れない)という程度だと思って下さい。
(なので一応「返済計画支援のための融資のデメリット・注意点」として上げられているわけです。個人的には、わざわざ書かなくてもいいことだと思いますが)
借入先変更のための融資と返済計画支援のための融資の違いは?
これは参考程度の知識ですが、よくキャッシングの疑問としてあげられる返済計画支援のための融資と借入先変更のための融資の違いについても、解説しておきましょう。
特にノーローンの返済計画支援のための融資は「かりかエール」という名前で「借入先変更のための融資なのか?」と思う人もいると思うので、ここで一緒に説明しておきます。簡単に違いを書くと下の通りです。
- 借入先変更のための融資…1件だけ。より低金利な借入先に借入先を変更する
- 返済計画支援のための融資…複数の借り入れ。…を一つにまとめる
ということですね。まったくそのままで言葉どおりですが、これが違いです。そして、今度疑問になるのは借入先変更のための融資と乗り換えローンは、どう違うのか?ということでしょう。これも説明していきます。
乗り換えローンと借入先変更のための融資の違いは?
そして、もう一つよくある区分というか、わかりにくい組み合わせである―。
- 乗り換えローン
- 借入先変更のための融資
この2つはどう違うのか。これは簡単に書くと下の通りです。
- 中身は同じ
- 「借入先変更のための融資」は主に消費者金融で使われる
- 「乗り換えローン」は主に銀行カードローンで使われる
もっとシンプルに書くと下の通りです。
- 借入先変更のための融資…消費者金融
- 乗り換えローン…銀行カードローン
以下、何でこの違いになるのかを説明します。
(あくまでどうしても違いを強調するならそうなるというだけで、実際には消費者金融でも「乗り換えローン」を使う所もありますし、銀行カードローンでも「借入先変更のための融資」という言葉を使うこともあります。
消費者金融と銀行で呼び名が違う理由
簡単に言うと銀行の側が、消費者金融とは違うイメージに従っているというのが大きいです。また、イメージの問題はなくても、単純に「商品名が違う」方が利用者が混乱しにくく―。
- 消費者金融と銀行という、「ジャンル」ですでに名前が違うだけでも、商品名がかぶる確率が半分になる
まあ、商品名のかぶりについてはそれほど重要ではないのですが、要は「イメージ」の問題ですね。
銀行は消費者金融とイメージの差別化をしたがっている
基本的に、貸金業というのは太古の昔からあって、同時に太古の昔からイメージが悪い職業でした(イメージが悪いだけで、やっていることは経済=経世済民を成立させるのに、非常に重要なことなのですが)。
そして、消費者金融の世界でも、呼び名が下のように変わっています。
- 庶民金融・団地金融
- 勤め人信用貸し
- サラリーマン金融(サラ金)
- 消費者金融
消費者金融という言葉は、今でこそ完全に「アイフル・アコム・プロミス・SMBCモビット」などのこと…という風に世間でイメージが定着していますが、もともとは全然違うんですね。
もともとは、消費者金融というのは、下のように言えるからです。
- 事業者ではなく(事業者金融ではなく)
- 「消費者」を相手にした金融
こういう意味だったのです。なので、たとえば、例を出すと下の通りです。
- 住宅ローン
- 自動車ローン
- 奨学金
- 教育ローン
といったものも、広義では全部「消費者金融」となるんですね。本来「消費者金融」というのはこの意味だったのです。
なので、消費者金融と言う言葉がこの業界で使われ始めた頃は、例えば『ナニワ金融道』の作者の青木雄二氏などは、クレジットカードにならって、またサラ金が綺麗な言葉を使い始めたで…というようなことを、書籍に書かれていました。
青木雄二氏は別に消費者金融やサラリーマン金融というビジネスを敵視していたわけではなく(このビジネスのおかげで大成功したので当然ですが)、要は「こういう企業側が操る言葉とかイメージに、惑わされるな」ということを言いたかったわけですね。
つまり、居酒屋の「女子会」でもそうですし、こういう「言葉」が生まれるたびにそれに踊らされる人々が多いのですが「そうはなるな」と言っているだけなのです。
(こういうと「何も買うな」と言っているようですが、そうではなく「必要なものだけ買え」ということです。当たり前のようですが、意外とみんなできていないことなのです)
…と「企業が生み出すイメージ」の話になりましたが、このように―。
- 人々は「言葉」のイメージに左右されやすい
- そして、貸金業は太古の昔からイメージが悪くなる商売だった
- だから、いつの時代も呼び名を変えながら存続してきた
- 消費者金融も時代とともに「クリーンな言葉」を使うようになっている
- それに合わせてか銀行も「消費者金融とは違うイメージの言葉」を使うようにしている
なので、先ほど書いた―。
- 銀行…乗り換えローン
- 消費者金融…借入先変更のための融資
こうした使い分けになりやすい…というわけですね。「そんなに言葉って、重要か?」と思う人は、たとえば下の、青木雄二氏の提案を見てみると、わかるかもしれません。
クレジットカードを「借金札」と呼んだらどないや
青木雄二氏は、『ナニワ金融道』のヒットの後、『ゼニの人間学』など、多数のマネー系・金融系の書籍を書かれています。そして、それらの本の中でよく指摘されているのが―。
- クレジットカードとかキャッシングとか、借金におしゃれな名前をつけたらあかん
- キャッシングは「借金」でいいし、クレジットカードは「借金札」でどないや
こういうものです。「借金札」というネーミングが「肉欲棒太郎」などのキャラクター名をつける青木雄二氏らしいセンスですが、もしこんな名前をつけるクレジットカード会社があったら、そこは売上が激減するというのは、誰でも予想できるでしょう。
売上が激減する=やはり、名前が重要…ということなのです。つまり―。
- 「普通の名前同士」で競うとあまり変わらないように感じるけど、「明らかに変な名前」だったら、確かに影響する
- ということは、名前の影響はある、といえる
そのため、そういう「名前によるイメージの差」を意識して、銀行は消費者金融との差別化をはかって、「乗り換えローン」という言葉を、比較的多く使っているようです。
(ちなみに、「銀行」と書いてきましたが、いわゆる「銀行カードローン」ではなく「住宅ローン・教育ローン」などでよく使う印象があります。要は「大口で真面目な借り入れ」で使う…というイメージですね)
ノーローンの返済計画支援のための融資・まとめ
以上、ノーローンの返済計画支援のための融資について、関連する話題も含めて、多方面からまとめてきました。最後に整理すると、下のようになります。
- ノーローンには返済計画の再編専用のコースがある
- 「かりかエール」という商品名である
- 返済計画の再編専用のコース・プランなので、貸金業法第13条の2第2項の規定の範囲外(例外・除外含む)である
これが、基本で―。
- 実質年率は「12.0%~18.0%」である
- 下限金利だったら、プロミスの「6.3%」の方が断然安い
- 上限金利なら、アイフルの「15.0%」の方が断然低金利
- なので、アコムの返済計画支援のための融資と並んで、ノーローンの返済計画支援のための融資は少々中途半端な印象(金利的に)
こういうのが金利面・利息面の話で―。
- それでもノーローンで返済計画の再編をするメリットは、ノーローンですでに借り入れをしている
- 返済の延滞・滞納などがなく、その借入実績によって審査に通りやすくなる場合
この場合は、アコムなどでも同じですが―。
- ありとあらゆる審査情報をすでに審査済みということで、まったくゼロの状態から申し込むよりは、審査スピードも早くなる可能性がある
このようなメリットがあります。そして、こういうケースでなければ―。
- 少額の返済計画の再編…アイフル
- 高額の返済計画の再編…プロミス
このように使い分けるのがいいでしょう。
その他、乗り換えローンや借入先変更のための融資の違いなど、関連する豆知識なども書いてきましたが、その他の部分については、必要に応じて、参考にしていただけたら幸いです。