カードローン・キャッシングの借り過ぎ・多重債務を防ぐ方法 ~依存症克服~
カードローンの借り過ぎを防ぐ方法―。これはざっと一覧にすると下の通りです。
- 絶対に必要な金額だけを借りる
- 完済したら解約する
- 臨時収入があったら、買い物せずできるだけ返済に回す
これが、主な方法になります。以下、詳しくまとめていきます。
目次
絶対に必要な金額だけをキャッシングする
当たり前ですが、いくら「消費者金融・銀行カードローンの側が融資してくれる」にしても、カードローンというのは要するに「借金」なわけですから、必要最低限な金額だけ借りる、というのが基本中の基本なのです。
しかし、これができなくて「借入可能枠をもらったら、必要でもないのにその限度枠いっぱいまで使ってしまう」…という人が多いんですね。これはキャッシングだけでなく、クレジットカードでも何でも同じです。
なぜ借りすぎてしまうのか?
これを適当な精神論でなく科学的に分析していくと、下のようになります。
- 動物は本来、享楽的である
- お金さえあれば、すぐにその「動物の本能に従った」生活ができる
- そして、借金は「実際には自分のお金」ではないのですが、「動物」だったら、その違いはわからない
- 動物の本能がその人にささやく
- 「今すぐ、このお金を使って、自由になろう!」と
まだ科学的でなくてポエムぽいですが、要するに、動物の本能は「今すぐ自由になる」ことだけを欲しているということです。そして、これを具体的な脳の働きで説明していきましょう。
大脳辺縁系で生きている人は、そうなりやすい
脳には大別して「2つの部位」があります。
- 理性…大脳新皮質
- 本能…大脳辺縁系
脳の働きが「理性と本能」というのは、わかるでしょう。「冷静と情熱の間」のようなものですね。光と影とか、表と裏のようなものです。
そして、脳の「感情」というのは、物理的には「電気信号」です。電気信号であるなら、それを発生させる装置があるわけですね。そして、その装置が―。
- 理性の信号なら…大脳新皮質
- 本能の信号なら…大脳辺縁系
となっているわけです。装置というよりは、正確には「部位」ですが。とにかく、これらのそれぞれの部位から―。
- 理性的な信号(指示)
- 本能的な信号(指示)
が発せられるということです。
そして、この「本能」を担当する大脳辺縁系ばかりが発達していて、大脳新皮質(理性の方)が発達していない人は、借金は自分のお金である、と勘違いして、ムダな借り入れをしやすいということですね。
なぜ大脳辺縁系ばかり発達するのか
これは「日頃、そういう行動ばかりとっている」からです。簡単に書くと下の通りです。
- 脳は筋肉と同じく「臓器」である
- だから、筋肉と同じように、「使った部分」が発達するようになっている
こういうのが基本です。これは納得できるでしょう。そして、具体的に脳内でどういう「作用」が起きるのかというと、下の通りです。
- たとえば「デザイナー」は視覚情報を、人よりも多く扱う
- となると、脳の「視覚野」に刺激が多く行く
- 視覚野にたくさんの電気信号が走る
これも大体理解できるかと思います。
- 電気信号が走ると、「古い神経細胞」が破壊される
- そして「新しい神経細胞」が構築される
- こうして「脳のその部分の、新陳代謝」が活発になる
- そうして、その部分が強くなっていく
そのため、このように「目をよく使う仕事」をしていると、視覚野が発達していくわけですね。
そして、これと同様の仕組みで―。
- 「大脳辺縁系」を使うようなことばかりしている人は、大脳辺縁系ばかりが発達してしまい、ますますそういう行動をとるようになる
具体的に説明します。
大脳辺縁系が発達する行動とは?
これはいわゆる「悪習慣」です。(大脳辺縁系は芸術など良い方に働くこともありますが、キャッシングの世界では悪い方に働くことが多いので、ここではあえて悪習慣だけとりあげます)
そして、具体的にどんな行動かというと、大体想像がつくかと思いますが、下のように言えます。
- タバコを吸う
- アルコールを摂り過ぎる
- 食べ過ぎる
- 味付けの濃い食事をする
- 明らかに寝過ぎる(実は、8時間や10時間は体にいいという説もある)
このようなものです。これ以上書かなくても大体わかるでしょう。要はとにかく「ダメな方に流れる」ということですね。
- こういう行動を「したがる」のは、大脳辺縁系の働きである
- その時「それに従う」ことが習慣になると、その人の大脳辺縁系は「さらに発達」してしまう
- なので、ますますそういう行動を「したい時」が増える
つまり、こうした「自堕落」な人は―。
- もともと自堕落だったというより、一度自堕落な行動を取り、二度目もやっていたら、いつのまにか、それが習慣になり、それがその人の「頭脳」になり、そのまま「人生」になってしまった
こういうことなのです。これは、名言や格言が好きな人なら、マザーテレサの言葉と完全に一致するということに気づいたでしょう。
マザーテレサの格言「思考に注意しなさい」
マザーテレサの格言はたくさんありますが、特に有名な名言の1つとして、「思考に注意しなさい」があります。
- 思考に注意しなさい。それは言葉になるから。
- 言葉に注意しなさい、それは行動になるから。
- 行動に注意しなさい、それは習慣になるから。
- 習慣に注意しなさい、それは人生になるから。
このようなものですね。要は、下のようなステップでその人の人生が生成されていくということです。
- ①…思考
- ②…言葉
- ③…行動
- ④…習慣
- ⑤…人生
つまりすべての出発点は「思考」であるということですね。ただ、これは「逆にたどる」こともできて―。
- まず「思考」がどんな風でもいいから、まず正しい「行動」をする
- そうしたら、正しい「思考」が生まれる
- そこから「思考→言葉→行動…」となっていく
こういう発想もあります。実はこれが「禅」の思想で、禅では下のように考えます。
外相整えば、内相自ずから整う
これは「外面がしっかりしていれば、内面もしっかりする」ということ。この「外面」というのは、下のように言えるからです。
- 服装などの「外見」も含むし、立ち居振る舞いなどの「行動」や、「言葉遣い」なども含む
このようになるわけです。
- 「本心」などどうでもいいから、「正しい言葉」を使っていれば、正しい心になるし、「正しい立ち居振る舞い」をしていれば、やはり正しい心になる
ちなみに「服装などの外見は関係ないのでは?」と思うかも知れませんが、これは関係あります。仏教では「外見」も重視します。
たとえば千日回峰行という「一日でも修行を中断したら、自決しなければならない」という修行があります。この修行は、必ず「死に装束」で出かけます。万が一中断したら、いつでも自決するという覚悟を固めるためですね。
「そういう格好」をしているから、覚悟がさらに強くなる、ということです。これがたとえば「ジャージで千日回峰行」だったら、絶対千日も修行を続けるのは無理でしょう。人間が何かを成し遂げるには「それにふさわしい格好」も必要なのです。
借り過ぎを防ぐには「正しい外見」を整えること
ここまで、少々キャッシングやカードローンから話が膨らんでいますが、整理すると、下のようになります。
- キャッシングで借りすぎる人は、科学的な原因は「大脳辺縁系」になる
- 大脳辺縁系の発達を抑えればいい
- そのためには「正しい行動」をする必要がある
- 正しい行動をするには、「正しい外見」を、先に整えればいい
- 少なくとも、禅や仏教ではそうしている
そして、上の整理だとマザーテレサの言葉は、間違っているということじゃないか?と思うかも知れませんが―。
- そもそも、この人は、「もう借り過ぎないようにしよう」と思ったから、そのために「行動や言葉」を変え始めた
なのでマザーテレサの言うとおり「思考から始まる」というのは、間違いではないのです。また、仮に「行動が先」にしても―。
- 行動で「心」が生まれ、その心からまた「行動」が生まれ、…
このように、循環していくので「結局、どちらでもいい」ということです。よくある「ニワトリが先か、卵が先か」という論理になるわけですね。
なので禅の言葉の「外相整えば、内相自ずから整う」と、マザーテレサの「思考に注意しなさい」は、別に相反するものではないのです。マザーテレサの方が「卵」で、禅の方が「ニワトリ」ということですね。
で、具体的にどうすればいいのか?
そして、カードローンやキャッシングでお金を借りすぎてしまう人は、具体的にはどうすればいいのか。一応、法的な対策としては、貸付自粛制度を申請するなどのやり方もあるのですが、下のように言えます。
- これは3ヶ月経過したら無効になるので、結局、本人が「変わろう」としない限りは、根本的な解決にはならない
こういうことが指摘できます。つまり、収支のバランスを整えるような生活習慣をつけない限りは、根本的な借り過ぎの解決にはならない…ということですね。当たり前ですが。
というわけで、ここでは「どうやって、生活習慣を改善するか」という具体的な話をしていきます。『スタンフォードの自分を変える教室』に書かれている内容なので、信用していいでしょう。
小さな「理性的な行動」から始める
理性が発達していない人は、「いきなり難しいことをやろうとしすぎる」という傾向があります。つまり、日頃ジョギングをしていないのに、いきなりフルマラソンをしようとするようなものです。
- 当然、挫折する
- それで「失敗体験」が刻まれる
- そのストレスで、「大脳辺縁系」がまた働いてしまう
- そして、「本能的」な行動をとって、ますます大脳辺縁系が発達していく
このようになってしまうんですね。なので、この逆をやればいいのです。
- 思い切り簡単でいいので、まず「理性的」な行動をとる
- そうすると、少し大脳新皮質が発達する
- なので、翌日はさらにもう少し「理性的」な行動をとれる
- さらに大脳新皮質が発達する
このような風ですね。こうやって徐々に大脳新皮質を鍛えていくことで、いつしか理性的な人間になれる…ということです。
「脳は筋肉である」という発想を持つ
つまり、キャッシングやクレジットカードなどでお金を借り過ぎる人というのは、下のように言えるからです。
- 脳は自分の自由になる、と思っている
- だから、いきなり思考を変えられるはずだ、と思っている
これが、間違いなんですね。実際には―。
- 脳は「臓器」である
- 筋肉と同じで「急に変える」ことはできない
- 徐々に鍛え、徐々に変化させるしかない
- 逆に言えば、「徐々に鍛えれば」、本人も驚くくらい激変する
こういうことなのです。なので、『スタンフォードの自分を変える教室』などで書かれている通り小さな理性的な行動から始めるということが大事なんですね。
よく「三行日記」をつけると継続しやすいと言われますが、これも同じです。その日の自分を反省するという、「享楽的」な人間だったら絶対しないことを「ほんの少し」でいいから、毎日する―。ということの繰り返しで、徐々に大脳新皮質を鍛えていく、ということなのです。
ギャンブル依存症などは、治療できる
ここまで書いた通り、人間の行動とか習慣とか思考というものは、大脳新皮質や大脳辺縁系で決まる、科学的なものなのです。なので、普通の病気やけがと同様に「治療」できるわけですね。
キャッシングにはまって多重債務になる原因として―。
- ギャンブル依存症
- ショッピング依存症
などがありますが、これらにしても―。
- それらに刺激を感じる脳神経が作られてしまっただけだから、その神経回路が弱まるように、「使わない」ようにして、逆に他の部分の神経回路が強くなるように、「他のことをすれば」いいわけです
つまり、「生活習慣を切開する」ことはできませんが―。
- 「悪い部分」を弱らせ、「良い部分」を伸ばす
こういうことはできるんですね。時間をかければ。こうして科学的・医学的・脳科学的に考えると、キャッシングの主要な原因であるショッピング依存症やギャンブル依存症も「だいぶ改善しやすい」ということに気づくでしょう。
必要な金額だけ借りる方法・まとめ
このように、そもそものスタートは下のようなものでした。
- キャッシングする時は「必要な金額」だけ借りるべき
- しかし、それができない人たちは、何が原因なのか
- それは「大脳辺縁系だけ」が発達していることである
- では、その状態を抜け出すにはどうしたらいいのか?
こういうことだったんですね。そして、その「抜け出す方法」を「科学的」に説明してきたわけです。
完済した消費者金融・銀行カードローンは、解約する
こう書くと、少々消費者金融・銀行カードローンの方々に申し訳ないかも知れませんが、完済したら、すぐに解約するというのも借り過ぎないためのポイントです。これは誰でもわかるでしょう。
実際、現時点で借金返済に苦しんでいるという方は「全額返済したら、絶対に解約する!」と意気込んでいるかも知れません。私も多重債務者だった頃、とにかく「こいつらを完済して、解約してつぶす」とばかり考えていたので、よくわかります。
(潰すも何も、自分で借金したわけですし、むしろお金が必要な時に助けていただいたわけですから、本当は感謝しないといけないのですが…。当時はこう思っていました。笑)
何はともあれ、この昔の私のように「すでにそう考えている」方もいるかもしれませんが、やはり「借金完済後に、すぐに解約する」というのは、キャッシングの借り過ぎを防ぐのに有効な手段です。
解約すると、その消費者金融・銀行カードローンで借りれなくなる?
私の経験から言うと、銀行カードローン・消費者金融で解約しようとすると「解約されると、今後の申し込みができなくなる可能性がありますが、よろしいでしょうか?」というようなことを言われます。今後の申し込みというのは「追加借入」のことではなく―。
- 後日、その消費者金融・銀行カードローンを使いたくなって、新規の借入審査に申し込んでも、審査に通らないことがある
こういう意味ですね。そして、これで悩んで「では、やっぱり解約はなしでお願いします」と言ってしまう人もいます。(で、またお金が必要になった時にキャッシングして、再び限度額いっぱいまで借りてしまう…ということですね)
解約しても、その後の借入審査は基本的に通る
例外ももちろんあるでしょうが、基本的には一度解約した人でも、再度審査申込みしたら、また借りられるようになっています。もちろん、実際にキャッシングできるかどうかは、最初の時と同様に、年収・職業などの諸条件を考慮して決めるわけです。
なので、絶対に誰でも審査通過するわけではありませんが、前に解約した人だから、という理由で審査落ちすることは、基本的にないといえます。その理由も説明します。
そもそも、信用できる上客である
以前の利用で、返済の延滞・滞納があったなら別ですが、もしなかったら、この人は借り入れして、遅延・延滞なく完済までしてくれたという、非常に「信用できる利用者」なんですね。なので、消費者金融や銀行カードローンとしても、ぜひ融資したい相手なのです。
返済してくれるかどうかわからない、新規の申込者を相手に融資するよりも、こうした「返済実績がある人」に融資する方が、よほど確実ですからね。というわけで、彼ら銀行カードローン・消費者金融の側としても、こういう利用者に対しては、本来融資したいのです。
なので「借りられなくなる可能性があります」というのは、下のように言えるからです。
- あくまで「ただの脅し」であって、実際には、解約した後でも借りられるのが普通
なのでもし解約を告げるときにオペレーターさんに上のように言われても、安心して解約していただいて大丈夫です。
臨時収入が入ったら、すぐに返済に回す
これも借り過ぎないようにするために、重要かつ基本的な方法の一つです。「借り過ぎないというより、早期返済ではないか?」と思われるかも知れませんが、両者は同じものです。
- 早期返済を進めていくと、借入残高が少ないので、ストレスの原因が減る
- ストレスがないと、衝動買いをしなくなる
- ギャンブルもしなくなるから、借金をしなくなる
もちろん、キャッシングにハマる原因というのはいろいろあって、たとえば「生活費」のために借りている…という人の場合、上で書いたように簡単にはいかないでしょう。ギャンブル・投資や浪費と違って、生活費というのは、本人が心を入れ替えたとしても、払わないといけないお金だからです。
なので、貸金業の世界では「生活費のための融資はしてはいけない」というのが、昔から鉄則でした。最近は「一定の金額の範囲内だったら大丈夫」という風になっていますが、それでも「生活費のためのキャッシングは危険」というのは確かです(努力で切り詰められる部分が少ないですからね)。
その点では、ショッピングなどの浪費や、ギャンブル・投資でキャッシングしている…というのはある意味幸せかも知れません。精神構造が変わりさえすれば、これらの出費はゼロにできるからです。そしてこの「心を入れ替える」というのは、そう簡単にできることではないと思われていますが―。
- それはここまで書いた通り、「いきなり心を変えようとする」からできないのであって、まず行動や環境、服装を変えるようにする
- と考えると、心も物理的に変えやすくなる
このように考えるといいでしょう。すでに説明してきましたが、これは禅やキリスト教などの宗教でも、『スタンフォードの自分を変える教室』などの脳科学・心理学でも言われていることです。人間の心は「外面を変えることで、物理的に変えられる」ものなのです。
(逆に言えば、人間に「確固たる心」など、そうそうない…ということですが)
何はともあれ、臨時収入が入るたびにどんどん任意返済に回していくと、ストレスがなくなって浪費をしなくなる…というメリットがあります。なので、早期返済と「借り過ぎ防止」はセット、ということなのです。
「買い物する習慣」を衰えさせることもできる
私も結構ファッションが好きなのでわかりますが、ファッションというのは「買えば買うほど、次のものが欲しくなる」ものです。これはギタリストが、腕を磨けば磨くほど、エフェクター類が欲しくなるというのと同じです。「この音を出すには、どうしてもこのエフェクターが必要」という風になってしまうんですね。なまじ上の世界、達人の世界が見えるだけに「そっちに行きたい」と思ってしまうのです。
(人間は、見えたものは欲しくなってしまうし、見えた世界には行きたくなってしまうのです。逆に言えば、何かを達成するモチベーションを高めるには「見える」ようにするといいのですが)
何はともあれ、ギターでもファッションでも、買い物というのはすればするほど、さらにしたくなるものなんですね。これは裏を返せば―。
- 一度「買い物しない習慣」がつくと、「買い物する興奮」を体や脳が忘れて、それほど買い物したいとは思わなくなる
つまり、以前だったら下のようになります。
- 自分の脳の視覚野に焼き付いていた、ブティックの映像や、同じく聴覚野や嗅覚野に焼き付いていた、デパートのBGM、香水の香り…
このようなものが徐々に薄れていくわけですね。視覚野や聴覚野なども、日々新陳代謝をしていますから、買い物していないうちに、これらの情報が焼き付いた部分が作り変えられていって、「別の情報」が刷り込まれた神経回路が、強くなっているのです。
「別のいい習慣」を刷り込み必要がある
勘がいい人は気づいたと思いますが、上の話は「別の情報が、新たな神経回路に刷り込まれている」ということであり、それがもっと悪い習慣だったら、さらにひどいことになるというケースもあるわけです。たとえば、例を出すと下の通りです。
- ショッピングの習慣を弱めるために、代わりにシンナーを覚えてしまった
こういうのでは、まったく意味が無いわけですね。なので代わりに脳に覚えさせる習慣は、正しいものでないといけないということです。
正しい習慣を、どう身につけるのか?
「悪いことばかり、習慣になる」というのは、多くの人が実感していることでしょう。しかし、必ずしもそうとは限りません。
というのは、先に書いた通り
- 多くの人は、良い習慣を身につけようとしたとき、いきなり高いハードルを設定してしまう
こういうことが多いからです。これは筋肉などの肉体と違って、心は自由になると思っているからです。しかし、先にも説明してきた通り―。
- 心というのは、要するに、脳という臓器から生まれた「電気信号」である
- 脳も臓器である以上、一朝一夕では変わらない
- 少しずつ鍛えていくしかない
こういうことなのです。
- 一朝一夕で変わらないということは、時間をかけて鍛えたら、それは「そう簡単には衰えない」
こういうことでもあるのです。
- いい習慣は、体得するのに時間がかかる
- しかし、代わりに一度身についたら、そう簡単には消えない
水の性質である「熱しにくく、冷めにくい」と同様で、科学的に見ても「変化に時間がかかるものは、元に戻るのも時間がかかる」ものなのです。なので、これはむしろ「喜ぶべき」ことなんですね。
ちなみに、スラムダンクが好きな人はここで思い出したでしょうが、桜木花道が山王戦で怪我をした場面でマネージャーの綾子さんがこう言っています(心のなかで)。
この子は短期間で、たくさんのことを身に着けていた。それだけに、失われていくのもまた早い
という言葉です。これはまったくその通りで、運動神経やバスケットボールの技術だけではなく、生活習慣もやはり「短期間で身につけたもの」は、失われやすいのです。逆に「長期間かけて体得したもの」は、そう簡単には失われないのです。なので、繰り返し強調しまうが「時間がかかることは、良いことである」と考えて下さい。
貸付自粛制度を活用するのもあり
もっと具体的な「キャッシングの借り過ぎを防ぐ対策」として、日本貸金業協会が主催している貸付自粛制度というシステムもあります。これは、下の通りです。
- どこのキャッシング業者やクレジットカード会社に申し込んでも、絶対に審査に通らないように、日本貸金業協会が「手回し」をしてくれる
こういうものです。
- キャッシングや借金をやめたいけど、自分の意志ではやめられない
こういう人のための制度ですね。実際、これを利用して借入超過や多重債務を卒業した…という方はたくさんいます。これは物理的な方法としては非常にわかりやすいので、ぜひ検討してみてください。
最低でも3ヶ月は借り入れできなくなる
そして、この貸付自粛制度の期間ですが、最短で3ヶ月となっています。つまり一度貸付自粛制度を適用してもらったら、3ヶ月は、まったくキャッシングをしなくてすむということです。まったくキャッシングできなくなるわけです。
そして、3ヶ月経過後も延長するかどうかは、本人の希望によります。当然ですが、基本的には延長した方がいいでしょう。3ヶ月だけでは、まだ完全に浪費癖やギャンブル依存症が治ったとはいいがたいからです。
大体1年か2年経過したら「もう大丈夫」と考えてもいいので、それからは貸付自粛制度を解除してもいいかと思います。特にクレジットカードについては、高還元率のクレジットカードを申し込むなど、真面目な借り入れとして必要な時もあるわけですから。
ということで、ある程度の期間が経過したら延長する必要はありませんが、1年程度までは、貸付自粛制度はそのまま継続した方がいいといえます。
本人でなければ、貸付自粛制度は申し込めない
貸付自粛制度に関してよくある質問は「本人でなく、家族が申し込むことはできるか?」ということ。これはできません。つまり本人が自分で心を入れ替えて、申し込まないとだめということです。
もちろん、ほとんどの借金依存症の方々は、自分でこうやって申し込むということをしません。そもそも自分が依存症という自覚が、まったくないからです。何でそうなるのかわかりませんが「キャッシングできるお金=自分のお金」と勘違いしているのです。
(だから、本人たちは借金しているという意識が、まったくないんですね。自分のお給料を引き出して、何が悪い…くらいに思っているのです。信じられないことですが)
なので、本人から申し込むということは、やはり少ないものです。しかし、それでも貸付自粛制度のルールとしては「家族や友人ではなく、本人が申請しないとダメ」という風になっています。
なぜ家族ではダメなのか?
これは、法的には、家族であろうと赤の他人だからです。家族が他人ではないというのは、あくまで私達の「心情的」な話であって、法的には完全に他人として扱っているんですね。
他人が、他人の経済活動を妨害してはいけない…というのは言うまでもないでしょう。借り入れを防ぐというのは、要するに「クレジットカードなどを申し込むことの妨害」でもありますから、これは本来他人ではできないのは当たり前なのです。これが当たり前にできるような世界だったら、逆に困りますからね(真面目な人たちが)。
なので、家族でも友人知人でも、貸付自粛制度を申請できないのは当たり前なのです。本人が申し込まないとダメ…ということですね。
どうすれば、本人が申し込むようにできるか?
これはなかなか難しい問題です。というのは、下のように言えるからです。
- 貸付自粛制度を申請しようとしない、借入超過者
- …と一口に言っても、いろんな人がいる
このようになるわけです。
- 家族に対しても平気で嘘をつき、嘘泣きなどの演技をする
- …という人もいれば、家族が「気に入らない」ことをすると、暴力を振るう
このような人もいるでしょう。それぞれで対策は全く異なるので、ここから先は、当サイト・美人キャッシングが説明できることではありません。それぞれの家庭で考えていただく…ということになるでしょう。
ただ、内容によってはたとえば「法テラス」などの組織で、無料相談に乗ってくれる…ということもあります。なので、相談先が欲しい方は、法テラスやその他の行政機関などにアドバイスを求めるといいでしょう。
(それで解決に至るかはわかりませんが、何らかのヒントくらいはあるかも知れません。あるいはカウンセラーや心療内科でもいいでしょう)
借金返済のための借金だったら、債務整理が有効
「借りすぎる」理由にもいろいろあるでしょうが、もし他社でのキャッシングを返済するために、さらに追加で別の借入先からお金を借りている…という場合は「債務整理をする」というのが有効です。
- 自己破産して、借金をチャラにしたり、個人再生によって、5分の1程度に減額したり…
ここでは、これらの債務整理の内容や種類について、解説していきましょう。
自己破産は、実はデメリットがほぼない
まず、一由な自己破産ですが、実はこれは「ほとんどデメリットがない」債務整理になっています。箇条書きしていくと、下の通りです。
- 自己破産する時点で持っている貯金や自動車・自宅などは、全て手放す
- しかし、その後のお給料や貯金などは、完全に自分のものになる
- 仕事をやめる必要もなく、戸籍などにも記録は残らない
- 一部の職業を除けば、職場に知られることもない
家族については、同居していたら知られるでしょうが、同居していなければバレない…ということが多いです。
(もちろん、家族が連帯保証人になっていないなど、「その借り入れに、一切関わりがない」という条件ですが)
一部の資格・職業のみ制限される
自己破産の唯一のデメリットといえるのが―。
- 自己破産から数ヶ月~半年程度の期間、一部の資格が必要な職業が制限される
具体的には宅建主任・警備員・旅行業取扱主任者…といったものですが、これらの資格がないとできない業務は、一定期間できない…ということがあります。ただ、これは、下の通りです。
- 仕事を即座にクビになるわけではなく、その資格が「必要な業務」ができないだけで、その他の業務だったら、問題なくできる
こういうことがまず指摘できます。もちろん、「資格が必要な業務」をできないならクビ…と言われてしまうこともあるかも知れませんがもし長期休暇をとれるなら、とるという方法もあります。
このように、人によっては「仕事ができなくなる」ということもありますが、基本的にはほとんどの人は大丈夫なのでこの点は安心して下さい。
(そもそも、人間が仕事をした方が、税金も払ってもらえて国としてもありがたいので、仕事を制限するということは、国としてもあまりやりたくないのです。国にとっては「自己破産者が、すぐに経済活動に復帰してくれる方が嬉しい」わけです)
これが自己破産の唯一と言ってもいいデメリットですが、これさえ気にならない・問題ないようであれば、自己破産は平気でしてしまって構いません。もちろん、キャッシング業者や銀行カードローンに迷惑をかけるわけですから「平気で」というわけにはいきませんが、法律で認められている以上は、別に大きな問題はないということです。
消費者金融・銀行カードローンの側もこうした債務整理による貸し倒れは、最初からある程度計算して、「貸し倒れができても、コストを回収できるだけの金利」を設定しています。なので、お互い様というか「別に貸し倒れになっても、それほど気にする必要はない」ということなんですね。消費者金融・銀行カードローンの側も、大したダメージは受けていないのです。
(貸し倒れになっても、ダメージがないような金額しか、そもそも融資しないですしね。個人に対しては)
個人再生とは?借入総額を5分の1に減額できる
個人再生は自己破産よりもっとソフトなもので借金総額を減額するというもの。そして、減額できる割合は最大で「5分の1」となっています。正確には―。
- 「500万円~1500万円」の借り入れだと、5分の1まで減らせる
- 1500万円以上だと、「300万円まで」とか「10分の1」という風にもなるが、1500万円以上キャッシングできる人はいないので、事実上「最大で5分の1まで減らせる」というルールになる
このようになるわけです。
借入総額が500万円未満だったら?
もし借入総額が「500万円未満」という場合は一律で「100万円まで」減額できるとなっています。
- 借入総額500万円だったら、100万円なので5分の1
- 400万円だったら、それが100万円になるので「4分の1」
- 借入総額300万円なら「3分の1」
このような風ですね。ちなみに「キャッシング総額100万円」だったら、減額はありません。「全額返済すること」となります。これは別に、100万円くらい誰でも働けば返済できるので問題ないですよね。もし働けないというなら、借金返済というよりもはや生活保護の世界になります。
(もちろん、心身の事情で働けないことは当然あるので、これは別に生活保護の善悪を論じているわけではありません。債務整理とか個人再生とは、別の話になる…ということです)
ということで、個人再生の「減額できる幅」について説明してきましたが、このように自己破産まで行かなくても、借金を大幅に減らして、自力返済できるようになるので、自己破産をしたくない人は、個人再生を選ぶわけですね。自宅・マイホームや、マイカーも手放さなくていいですし。
このように「自己破産でなくても、かなり効果的な債務整理」もあるわけです。「借金返済のために、よそで借金している」という人は、ぜひ個人再生も検討してみて下さい。
任意整理…内容はなんでもありの債務整理
実は債務整理で一番よく適用されているのが「任意整理」です。任意というのは自由という意味で、「内容が自由な債務整理」ということですね。
自由と言ってももちろん、「業者・銀行がOKしてくれたら」ということです。双方の合意によって成り立つ…ということですね。
そして、任意整理の具体的な内容としては、下の通りです。
- 借金や利息の減額
- 過払い金の返還
こういうどちらかがメインになっています。減額についても内容がいろいろあり―。
- これまでの元本や利息を全部減らす
- 元本は減らさないが、利息だけ全部なしにする
- これまでの利息は払うが「ここからの利息」(将来利息)は払わない
こうしたものです。これらのどういう内容でも「自由」なのですが、このように内容に制限があまりないので、債務整理では、任意整理が一番多いパターンになっています。
特定調停…任意整理を裁判所でする
最後の特定調停については下の通りです。
- 内容は任意整理と同じで、それを裁判所の仲介で行う
裁判所には「司法委員」の方々がいますが、この司法委員が仲介に入ってくれる…ということですね。
そして、こうなると自分で司法書士・弁護士などの専門家に依頼する必要がないということで「料金がなくても、任意整理ができる」というのが特定調停のメリットとなっています。弁護士・司法書士に払うお金がない…という人でも、費用に関係なく債務整理ができる…というわけですね。
特定調停のデメリット・短所は?
当然ですが、特定調停にもデメリット・短所はあります。簡単にまとめると、下のようになります。
- ある程度、自分で債務整理を勉強しなくてはいけない
- 裁判所に何度か足を運ぶ必要がある
そのため、下のように言えます。
- 任意整理をする程度のお金があって(大体20万円くらい)
- 司法書士・弁護士に全部丸投げしたい
こういう方であれば、特定調停より任意整理をした方がいい…ということになります。
「特定調停はメリットなし」と、司法書士・弁護士は書いているが…
弁護士・司法書士の方々も、知っての通り多くのサイトを開設されています。それらのサイトの中には特定調停にはメリットがありませんと書いているものもありますが、それは嘘です。ここまで書いた通り「司法書士・弁護士にお金を払わなくていい」というメリットがあるわけですね。
言うまでもなく司法書士・弁護士としては「特定調停をされると困る」わけです。なので「メリットはない」とか「個人ではできない」などと書いて、借入超過者や多重債務者の方々が、特定調停をしないようにしているわけですね。
もちろん、そうでない司法書士・弁護士の方々もいます。上のような「妨害」としての情報発信をしている弁護士・司法書士の方々は、ほんの一部ですが「そういう人もいる」ということは、知っておいてください。
(そもそも、生物の世界がすべて殺し合いで成り立っているわけですから、人間がビジネスのために、この程度の嘘をつくのは当たり前なのです
)
法律は、弁護士などに有利なように書かれている
さらに余談ですが、貸金業法などの法律も、実は弁護士・司法書士などに有利なようにかかれています。たとえば、債務整理を始めたら、貸金業者は督促や取り立てをしてはいけないというルールがあります。これは、下の通りです。
- 自分で債務整理をした場合でも、同じ
- 別に司法書士・弁護士に依頼する必要はない
となっているのですが、貸金業法の条文を読むと、まるで、司法書士・弁護士に相談しないと、そうならないかのようになっています。わざとややこしく書いているのですが、よく読むと―。
- 司法書士・弁護士に依頼しなくても、要は債務整理を始めた時点で、督促されなくなる
こういうことがわかります。しかし、これを「ものすごくわかりにくく」書いているんですね。絶対わざとやっていると、個人的には思います。
シェイクスピア「ロミオとジュリエット」の名言
この「法律が庶民の味方をしない」というのは、古今東西共通の現象です。シェイクスピアの名作「ロミオとジュリエット」では、下のような名言で、それを語っています。
「この世も、この世の法律も、君の味方ではないのだ」
かなり辛辣な一言ですが、全くその通りです。世間や政府が、いつでも自分を守ってくれると思ったら大間違いです。自分の人生は、自分で守らなくてはいけません。
これは別に政府を敵視しろとか、司法書士・弁護士を疑えということではありません。信じ過ぎず、疑い過ぎずということです。
- フランクリンの言葉で言えば「中庸」であり、仏教でいえば「中道を行く」ということ
ですね。バガボンドでは、板倉勝重が「真ん中が一番いい」と言ってますが、そういうことです。「どちらにも偏らず、ただ無になる」ということです。
まとめ「キャッシングで借り過ぎない方法」
以上、クレジットカードやキャッシングなどで、借り過ぎを防ぐ方法についてまとめてきました。最後に整理すると、下のようになります。
- 借り過ぎは精神的な問題だが、精神は要するに「脳という臓器の問題」である
- 脳の大脳新皮質が発達していないことに問題があるので、「大脳新皮質が発達するような行動」をとればいい
それも―。
- いきなり難しいことにチャレンジするのではなく、「少し理性的な行動」をとるようにする
- それも「一分で終わるような」カンタンなものがいい
そうやって「少しずつ、大脳新皮質に電流が流れるようにする」ことで、リハビリのように、徐々に大脳新皮質が活性化していくわけです。そして、下のように言えます。
- 一度大脳新皮質が働き始めたら、さらに「理性的な行動」がとりやすくなり、さらに大脳新皮質が発達し…という好循環が始まる
こうして好循環が始まったら、もうこちらのものです。あとは「自動的に」キャッシングの借り過ぎもやむでしょうし、ギャンブル・浪費などの悪癖や依存症も終わっていくでしょう。
その他「貸付自粛制度」を日本貸金業協会に申請するというような具体的かつ法律的な方法もありますが、最終的にはやはり、キャッシング依存症というのは「生活習慣」の問題です。なので、ここで書いたような「脳の改造」を、ぜひ意識してください。