奨学金は自己破産してもチャラにならない?→連帯保証人に督促が行く

奨学金は自己破産してもチャラにならない?→連帯保証人に督促が行く

奨学金は自己破産してもチャラにならない―。というのは間違いです。ポイントをまとめると、下のようになります。

  • 連帯保証人がいる場合、その人に請求が行く
  • 自己破産した本人は、普通に破産できる
  • 奨学金を借りる時は、みんな連帯保証人をつけている(大体)
  • だから「自己破産できない」と書かれているだけ

実際、連帯保証人がついていない人の場合は奨学金が返済できず、自己破産した事例もあります。

まずその事例から紹介し、次に奨学金の批判に関して「間違っている」という指摘をします。

奨学金で自己破産した実例

40才フリーターの男性が280万円で返済不能に

2015年2月、西日本新聞のWEB版で、『奨学金返せず自己破産、小倉北区の40歳フリーター 月収14万円「283万円払えない」』という記事が掲載され「1.5万のシェアを集める」という、大きな話題になりました。

http://qbiz.jp/article/55587/1/

この記事の男性の状況をまとめると、下の通りです。

  • 手取りは月収14万円
  • 家族への仕送りもしている
  • 奨学金の返済のために、消費者金融などでも借金したが、返済できなかった
  • そもそも、多額のお金を融資してもらえなかった

以下、この男性のニュースに関する報道の一部まとめです。

「もっと早く自己破産するべきだった」

この記事を読んで、金融の知識がある程度ある人だったらすぐに「もっと早く自己破産するべきだった」と感じるはずです。実際、報道でもそうした意見が多く見られました。

この男性の自己破産が遅すぎたというポイントをあげると―。

  • そもそも「40才」である
  • 単純に考えて「卒業から18年」も経過している
  • 40才でフリーターという時点で、もっと早くこうなることは予想できていた
  • ↑(しかも家族への仕送りもある)
  • もっと早く、若くてやり直しが効くうちに自己破産するべきだった

少々厳しい意見かも知れませんが、別に男性を責めているわけではありません。実際この通りなのです。

日本人は、自己破産の決断が遅すぎる

日本人は借金や金融に関する知識がなさすぎるので、専門家からしたらどう考えても債務整理か自己破産しかないという状態でも、まだ頑張って「自力返済」しようとします。

真面目なようですが、残念ながらこれは「本当に真面目」とは言えません。理由は下の通りです。

  • 早めに手を打ってくれた方が、業者・銀行としても助かる
  • 債務整理や自己破産が遅れると、家族にも迷惑がかかる
  • 何より「自分のやり直しのチャンス」が減る
  • つまり「自分」という「一人の人材」を潰してしまう

個人的に、最後が一番大きなポイントだと思っています。つまり自分という人間の再起の可能性をつぶさないことは、社会のためでもあるのです。

本当に社会のためを考えているなら「自分という人材」を「フルに活かせる方法」を考える必要があります。そう考えたら見栄もプライドも捨てて、早く自己破産・債務整理するというのが、一番正しい道だったのです。

(このフリーターの男性も含め、多くの多重債務者の方の場合)

それをしなかったのは―。

  • 自分のことしか見えていなかった
  • 自分のプライドを過大評価していた
  • ↑(本当は、誰も自分のことなどほとんど見ていない)
  • 債務整理の手続きを「難しそう」と面倒臭がった

そして、特にこの「面倒臭がる」というのが、奨学金の延滞に限らず、借入超過者・多重債務者の方では非常に多いのです。

滞納していながら、減免制度などを調べない

滞納者ほど減免制度を知らない、という調査結果

奨学金には、返済の減免制度・猶予制度があります。これは誰でも想像できることでしょう。こういう「公的な制度」には、大抵「お金がない人に対する救済措置」というのが、あるものです。なので、下のようになります。

  • 本当にお金がなかった
  • でも、「何とか返済しなきゃ」という意志があった

こういう場合、この減免制度・猶予制度は、必ず調べるはずなのです。ネットで調べてもすぐ出てきますし、日本学生支援機構からの督促のハガキにも、減免制度や猶予制度がある、ということが書かれています。

にも関わらず、それを「申請しない」だけではなく「知りもしない」ということは督促状も見ていないということなんですね。見たくない気持ちはわかりますが、「こういう人が、本当に真面目でかわいそうな、善良な貧困者なのか?」という疑問はあるでしょう。

どんな借金の返済でも、相談すればなんとかなる

これは奨学金だけでなく、消費者金融や銀行カードローンの借り入れでも同じですが、返済できない場合、金融機関に相談すれば、ある程度対応してくれるのです。具体的には―。

  • 返済期日を伸ばしてもらう
  • 「今月は利息の返済だけ」にしてもらう

こうした対応です。これでも無理という場合、「本当に無理」なら、債務整理もすすめてくれるというのが実態です。銀行はもちろん、実は消費者金融やクレジット会社も、決してお金がない人の敵ではないのです。

一定の貸し倒れは、最初から計算している

消費者金融でもクレジットカード会社でも銀行でも、融資した金額のうち、一定割合が貸し倒れになるということは、最初から計算しています。「貸し倒れになっても、その分の損害を回収できる」ように、金利を設定しているのです。

そして、この貸し倒れの件数は、これまでの50年の統計で、かなり正確に予想できます。つまり、消費者金融も銀行カードローンもクレジット会社も、「貸し倒れが出ても、一切損しない仕組み」になっているのです。

(だからこそ、「この仕組みを壊すくらい、貸し倒れのリスクが高い人」に対しては「最初から審査を通さない」わけです)

だから、返済できないということを、それほど重く考える必要はないんですね。それより一番彼らが嫌がるのは、相談されないまま、多重債務状態になって自己破産されること。自己破産されるくらいなら「一部でもいいから、返済してほしい」のです。

なので、個人再生・任意整理といった「もっと軽度な債務整理」を、まず一緒に検討すべきなんですね。難しいかも知れませんが、この「一緒に」というのが大事なのです。

「迷える者は道を問わない」という中国古典の有名な格言もありますが、返済できないなら、まず相談するというのが、キャッシングで延滞する時の鉄則なのです。(延滞するというより「延滞してしまう」というべきですが…)

多重債務者の方々は、生き方を見直す必要がある

カイジの名言「奴らの精神は、まるで病人」の意味

漫画『カイジ』では、カイジをはじめ、多重債務者が一同に会して「ゲームの駒」になります。ある回では―。

  • 地上100mのビルの間に渡された、1本の鉄柱を渡る
  • 落ちたら死亡。渡りきったら2000万円

こういう「ギャンブル」をします。で「命がけ」で参加を決めたのですが、中盤で何人かが落下して死ぬと「お金は要らない!ゲームを中断してくれ!」と主催者に向かって叫びます。

(私もそうですが、多分誰でもそう叫ぶでしょう)

しかし、この主催者・利根川はこの言葉を聞いて、下のように言うんですね。カイジの名言の中で、特に有名なものの1つです。(原文そのままではなく、要約します)

  • 奴らの精神はまるで病人。つまり「どんな時でも本気になれない」という病だ
  • いつでも今の自分を「仮の自分」と思っている。気が変われば、いつでもリセットできる人生だと思っている。
  • だから、真剣勝負に臨んだはずなのに、こうしてすぐに諦める
  • 奴らはこの「仮の人生」から、生涯目覚めない。惰眠を貪り、眠ったような意識で日々を過ごし、死ぬ寸前にようやく、それが自分の人生だったと気づくのだ

本当はもっと長く、大体400文字くらいあるのですが、全文は下のURLでご覧いただけます。↓

http://yboki.hungry.jp/boki/?eid=181

このように、少々長くなりましたが、要するに多重債務者の方のほとんどは、自分の人生を生きていないのです。中には「やむを得ない事情でそうなってしまった」という方もたくさんいて、そうした方は同情に値しますし、支援も必要です。

しかし、そうでない方も多くいるのです。つまり利根川が言うように、いつでも仮の自分として生き、何があっても真剣になれないという方です。

(私もそういう気があるので、自戒として書いていますが)

奨学金の滞納のケースでいうなら?

これを奨学金の滞納のケースに当てはめていうと滞納している人ほど、減免制度や猶予制度を調べようとしていないというのが、まさにそれでしょう。本当なら、彼らが真っ先に調べなければいけないことです。

「調べる余裕がなかった」と言うかも知れませんが、先に書いた通り督促のハガキなどにも、減免制度のことは書いてあるのです。それを読んでいても無視するというのは、下のように言えるからです。

  • 自分の人生を放棄している
  • 真面目に返済する気も、本当はなかった

こういう証拠でしょう。厳しいかも知れませんが、そうとしか言えないはずです。(でなければ督促状を受け取ったのに、減免制度を知らなかったなどということは、あり得ないのです)

自分の意志で生きていない人が多すぎる

奨学金に関して、今一番問題なのは、もう、奨学金を借りてまで大学に進学する意味がなくなっているということでしょう。このことは、薄々誰もが感づいているはずなのに―。

  • 高卒では恥ずかしいから
  • 高卒では就職できないから

などという理由で、「何となく」大学に進学しています。また、子供を進学させています。

しかし、これだけ外国人も大量に入ってきている今の日本で、もう「日本人の常識」など年々意味がなくなっているし、「ずっと日本だけで生きていける時代でもない」のです。

「高卒では就職できない」というけど「大卒でも就職できない」「できても、ブラック企業が多い」という時代、もはや「自分の生きる糧は、自分でもぎ取る」しかないのです。

つまり、大学というのはもう「就職予備校」ではなく「純粋に学問を極めたい人が行く場所」になっていくんですね。完全にはならなくても、今までよりは遥かにそれに近い状態になっていくということ。

そして「就職のため」「お金のため」というなら、大学や高校に行くより、さっさと中卒で働いてガンガン稼いだ方がいい。稼ぎに直結する勉強だけをした方がいいということなのです。

実はこれは福沢諭吉が『学問のすすめ』で主張したことでもあります。『学問のすすめ』の内容は、学校の先生が朝礼などで「お説教」する内容とは、180度違うのです。

文科省が掲げる「教育の究極目標」は「生きる力の育成」です。これについて論じると―。

  • 生きるとは「衣食住の獲得」である
  • 現代日本は、勝手に農業や狩猟ができない
  • 洞穴に住むことも、動物の毛皮をはぐこともできない
  • つまり、生きるためにはすべて「買う」必要がある
  • 食物連鎖の流れの中で、ビタミンやタンパク質が「流通」しているように、人間の世界では「お金」や「信用」が流通している
  • これらは立派な「栄養素」なのである
  • 進学することは「信用」の獲得には多少なるが、生きるのに直結するのは「お金」の方である
  • だから、教育はまず「お金を稼ぐこと」を教えなければならない
  • 少なくとも「自分の生活費」は自分で稼がなければいけない
  • 自然界に「自分の餌を自分でとらない生き物」は、いない

「十段論法」くらいの長さになりましたが、こうして論じていくと、文科省の理念を実現するためには、子供はもっと働いたほうがいいということになるのです。

これは教育の世界では200年ほど前から言われていて労作教育という「労働と教育の一体化」が、ドイツのケルシェンシュタイナーなどによって、提唱されてきました。

この「労作教育」の思想でも言えるように―。

  • 子供が本気で生きるには「働いて自立させる」ことが必要
  • そうして本気で生きるようになって、その後でさらにお金を稼ぐか、それとも、純粋な学問に打ち込むのかは、本人に決めさせればいい
  • まずは、子供本人を「覚醒」させるため「自力で生きる」ことを教えなければいけない

「生きる」という言葉が、「ただの活字・音声」ではなく「物理的な意味で、本当に子供の人生に降り掛かってくる」ようにするべきなのです。

「べきべき」とべき論を押し付けるつもりはありませんが、実際「生命とは、本来そういうものなのでは?」「途上国の子供は、実際そうして生きているではないか」「今までの日本が異常だったのでは?」と私は思います。

まとめ「奨学金で自己破産はできない?」

以上「奨学金の返済で自己破産はできない」という説の間違いについてまとめました。再度ポイントをまとめると、下のようになります。

  • 自己破産はできる
  • ただし、連帯保証人がついている場合、その人が返済する
  • 大抵は、親や親戚が連帯保証人になっている
  • だから、「親が払わないといけない」という意味で「自己破産できない」と言われる
  • 本人は、問題なくできる
  • 奨学金の制度や金利に問題があるのではなく、もう、数百万円の借金をするだけの価値が、大学にはないことが問題
  • 日本人は「生きる」とか「教育」ということを、もう一度真剣に「生活がかかる状況で」考える必要がある
  • (生活がかかっていない公務員に議論させても、あまり意味がない)

少々教育論が長くなりましたが、奨学金という「借金」のことを考える上で、一番重要なことなので、書かせていただきました。

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