専業主婦はヤミ金のターゲットになりやすい ~督促の効果が大きいため~
専業主婦を狙うヤミ金は多くいます。『闇金ウシジマくん』の最初のエピソードでも、主人公の丑嶋馨(うしじまかおる)が「自分の収入がある女性は、俺らヤミ金の上客よ」という場面があります。
なぜ、自分の家庭に入っている女性(自分の収入があることが条件)がヤミ金にとって上客なのか。この理由をまとめると、下のようになります。
- 大手の消費者金融で借りられない
- 銀行カードローンなら一応借りられるが、借入状況が悪い自分の収入がある女性・ブラックリストに入っている自分の収入がある女性は、借入不可
- となると、借りられるのは中小業者しかない
- しかし、中小業者もお金がないので「信用度が低い専業主婦」には融資しない
- となると、「ヤミ金で借りるしかない」j
つまり他で借りられないというのが、一番の理由。そして、他の理由としては、下のようになります。
- 若い女性だったら風俗業で返済させることができる
- 専業主婦は世間体を気にするので、「近所にバラす」などといえば、絶対返済する
- 専業主婦本人が返済できなくても、夫・旦那を脅せば必ず返済してくれる
- ↑(これも世間体を気にするので)
つまり、簡単に書くと下の通りです。
- 風俗で働かせられる
- 世間体を気にする
- 夫・旦那を脅せばいい
こういう3つの理由です。これらと、先に書いた他で借りられないという理由が合わさって、『闇金ウシジマくん』の言葉通り「自分の収入がある女性はヤミ金の上客」となるのです。
借入状況の悪い自分の収入がある女性は、銀行カードローンでも借入不可
一般的な専業主婦だったら、無収入でも銀行カードローンで借り入れすることができます。それも、配偶者の同意書なしでOKという銀行カードローンが多いので、夫バレ・旦那バレする事無くキャッシングできる…というのが普通です。
そして、融資枠についても30万円~50万円という、比較的大きい金額を一律で借りることができます。このように、家庭に入っている女性(自分の安定収入があることが条件)にとって、銀行カードローンは本来「申し込みやすい」借り入れ先なのです。
しかし、借入総額・借入件数が多いなど「借入状況が悪い自分の収入がある女性」の場合は、当然ですが銀行カードローンでも融資不可になるんですね。これは別に家庭に入っている女性に限った話ではなく、フリーター・アルバイト・パート・会社員・OLなど、誰がキャッシングする時でも同じです。
よく「家庭に入っている女性(自分の収入があることが条件)でも、銀行カードローンだったらお金を借りるのは簡単」などと書かれていますが、それはあくまで他での借り入れがほとんどない専業主婦の場合。もし他での借り入れが多い専業主婦だったら、これは通じないのです。
大手の消費者金融は最初から融資していない
これも冒頭で書きましたが、SMBCモビット・アイフル・ノーローンなどの「大手の消費者金融」は、最初から、収入のない既婚者の女性に対してはキャッシングしないという方針になっています。別にこれは貸金業法などの法律で決まっているわけではなく、あくまで「大手の消費者金融が自主的に、そうしている」ということです。
これは「専業主婦を借入超過者・多重債務者にしないため」というのもあるし、審査コストが増えると、その補填のために金利を上げないといけないので、全体の利用者の不利益になる」ということです。こうした理由で、大手の消費者金融は最初から収入がない既婚女性に対する融資はしていない、ということなんですね。
なので、銀行カードローンから借りられなくなったら、その専業主婦がお金を借りる先は、あとは「中小の消費者金融」しか残されていないのです。
中小の消費者金融の審査は、むしろ厳しい
多くの人が勘違いしているのは―。
- 大手の消費者金融の審査は厳しく、中小の消費者金融の審査は甘い・緩い
これらしかし、これは間違いです。理由は大手の方が資金力があるので、多少貸し倒れになっても問題ないということ。これに対して、中小業者は資本力がないので、一件の貸し倒れのダメージが、大手よりもかなり大きい、ということなんですね。
なので、銀行カードローンで審査落ちする自分の収入がある女性の場合、中小の消費者金融で審査に通ることも、かなり難しいということ。なので「銀行カードローンで落ち、中小業者でも落ち、そのままヤミ金に流れる」…というパターンの専業主婦が多いのです。
専業主婦は世間体を気にするので、督促がしやすい
今の貸金業法では、強引な取り立ては完全に禁止されています。たとえば、例を出すと下の通りです。
- 自宅まで来て怒鳴り立てる
- 自宅のドアなどに「借金返せ」という張り紙を貼る
- 近所の人に、債務者の借り入れのことをバラす
- 家族・親戚・近所の人などに「代わりに借金を返せ」という
などですね。これらは違法行為なので、大手の消費者金融・銀行カードローンや、クレジット会社は絶対にやりません。しかし、ヤミ金は最初からルールの外なので、こういうことも平気でやるんですね。
そして、このようなことをやられると、当然家庭に入っている女性は困ります。男性でも困りますが、特に家庭に入っている女性は「夫・旦那の収入によって生活している」という立場上離婚されたら生きていけないわけです。
夫・旦那の場合、このようなヤミ金の取り立てによって借金がバレて「離婚しましょう」となっても、とりあえず生きていけます。自分の収入はあるわけですから。
しかし、家庭に入っている女性の場合はそれができない。なので、サラリーマンの男性以上に、親戚やご近所の人などにキャッシングがバレることを気にするということです。
借り入れを隠したがる人は、ヤミ金の格好の標的
このように「お金を借りていることを隠したがる人」というのは、ヤミ金の格好のターゲットなんですね。理由は下の通りです。
- 家族に相談できない(しない)
- 自分で全部解決しようとする
- しかし、当然お金はない
- だから、さらにヤミ金から借りることになる
このような無限ループです。ちなみに、この「さらにヤミ金から借りる」場合、下のようになります。
- 同じヤミ金で追加で借りる
- 他のヤミ金で借りる
このような2通りの場合がありますが、後者の場合も、別のヤミ金に見せかけて、実は系列のヤミ金業者…というのが普通です。これはシステム金融などと呼ばれることもありますが、とにかくこのように「借金を隠したがる人」「世間体を気にする人」というのは、ヤミ金にとって「餌食にしやすい」のです。
夫・旦那も同様に世間体を気にするので、楽
さらにヤミ金にとって楽なのは専業主婦だけでなく、夫・旦那も同様に世間体を気にするということ。夫・旦那に請求に行っても払わないようであれば、「ああ、そう。じゃあ、奥さんの借金を親戚やご近所にバラすけど、別にいいよね?」等と言って脅すわけです。
ちなみに、こういう脅迫も「貸金業法違反」なのですが、ヤミ金は先に書いた通り「最初からアウトロー」なので関係ありません。なので、彼らがバラすと言ったら、本当にバラすことが多いんですね。
ヤミ金から借りた家庭に入っている女性も、その夫・旦那の方も、ヤミ金に関する知識を仕入れるうちに彼らは、どんなことでもやりかねない」ということに気づきます。そのため「バラされるくらいなら、100万円払ってしまえ」と思い、支払いに応じてしまうのです。
というように、専業主婦は―。
- 本人も世間体を気にするので、大体払う
- 本人が払えなくても、夫・旦那も世間体を気にして、やはり払う
このように、ダブルで取り立てしやすいわけです。だから、「自分の収入がある女性はヤミ金にとって上客」なんですね。
まとめ「専業主婦を狙うヤミ金に注意」
以上「専業主婦はヤミ金のターゲットになりやすい」ということについてまとめました。最後に要点をまとめると、下のようになります。
- 専業主婦は無収入なので、キャッシングがしにくい
- こういう「借りられない人」は、ヤミ金の一番のターゲット
- 専業主婦は周囲にキャッシングがバレるのを恐れるので、督促の効果が大きい
- だから回収しやすく、ヤミ金にとってリスクがない
- 本人から回収できなくても、夫・旦那から回収できる
- 女性は、いざとなったら風俗で働くこともできる
このように家庭に入っている女性(自分の収入があることが条件)でも喜んで融資してくる中小業者があったら、それはヤミ金の可能性があると考えてください。すべてがそうというわけではありませんが、そういう可能性もある、ということです。