クレジットカードの「学生キャッシング」とは?18才でも5~10万円まで借入可能
クレジットカードの「若年層への融資」とは―。ポイントをまとめると、下のようになります。
- クレカに「若年層への融資」という機能があるわけではない
- 「学生用クレカ」あるいは「若年層でも持てるクレカ」があり、それに「キャッシング機能がついている」ものがある
以下、詳しくまとめていきます。
若年層でも発行できるクレジットカードとは?
若年層でも発行できるクレジットカードは、意外とたくさんあります。主だったものを一覧にすると下の通りです。
- 学生専用ライフカード
- 三井住友VISAデビュープラスカード
- 楽天カード
- リクルートカード
これらは未成年・10代でも18才以上なら持てるという条件なので、18才・19才の、大学・専門学校の一年生・二年生でも発行できるようになっています。
学生のクレジットカードのキャッシング機能
そして、これら「若年層でも持てるクレジットカード」のキャッシング機能についてですが、ポイントをまとめると、下のようになります。
- 全員キャッシング枠をもらえるわけではない
- もらえても、5万円~10万円という少額である
- 学生の場合、利用実績を積んでも10万円を超えることはまずない
- ショッピング枠については、最大30万円程度まである
- 全体で30~50万円という枠があり、キャッシング枠とショッピング枠の合計で計算する
最後が少しわかりにくいかも知れませんが、たとえば、例を出すと下の通りです。
- 全体の融資枠…30万円
- ショッピング枠…30万円
- キャッシング枠…5万円
このような限度額・極度額をもらっていたとしましょう。この場合、下のようになります。
- キャッシング枠で「5万円」借りたら、本来「30万円」まで使えたはずのショッピング枠は、「25万円」までしか使えなくなる
逆に「ショッピング枠で30万円」使ったら、キャッシングは「0円」になるということですね。
ショッピング枠とキャッシング枠の違いは?
クレジットカードを使ったことがないと、キャッシング枠とショッピング枠の違いがわからないかも知れません。この違いを簡単に書くと下の通りです。
- キャッシング枠…「現金」を借り入れる。店頭での買い物はできない
- ショッピング枠…店頭・ネットで「買い物」できる。「現金の借り入れ」はできない
基本的に―。
- ショッピング枠…生活でどうしても必要な場面がある
- キャッシング枠…資金繰りがしっかりしていれば、必要ない
といえます。ショッピング枠がどうしても必要な場面というのは、ネットショッピング(ネットでの買物)です。決済を「クレジットカードしか受け付けていない」というサービスもたまにあるので、そうしたサービスを利用する時は、お金が十分ある人でもクレジットカードが必要になります。
ということで、どうしても必要なものは「ショッピング枠」だけなので、学生のクレジットカードでも、ショッピング枠だけ与えるということが多いんですね。また、仮に「お金が足りない」にしても、そういう場合は大体「何かを買いたい」だけなので、「買い物ができる」クレジットカードであれば、とりあえずOKということなのです。
(こういう理由で、学生のクレジットカードでは、基本的にショッピング枠が中心で、キャッシング枠はほとんど付かない、ということなんですね)
キャッシング機能が必要になる場面とは?
クレジットカードのキャッシング機能が必要になる場面は、箇条書きすると下のようになります。
- 公共料金・税金などを、現金で払わないといけない
- クレカのショッピング枠の返済のお金が足りない
- クレジットカード決済に対応していない買い物をしたい
- 投資・ギャンブルをしたい(もちろんダメ)
- 海外で安い手数料で現金を引き出したい
などの場面があげられます。それぞれ補足すると下のようになります。
- 公共料金…公共料金はクレジットカードで払えるが、税金は払えないものがある
- ショッピング枠の返済…クレカでクレカの返済をするという矛盾。しかしこれは実に多い
- カード決済できない買い物…特にお店の場合「現金だけ」は多い。吉野家など
- 投資・ギャンブルをしたい…キャッシング枠だとこれに使えてしまうため、審査が厳しくなる
- 海外…これはクレカのキャッシングの「良い使い方」。両替よりも賢い
ここでは「良い使い方」である外貨両替の代わりのキャッシングについて書きましょう。
外貨両替の手数料より、クレカのキャッシングの方が安い
外貨両替の手数料は複雑で、説明が難しいのですが、簡単に結論だけ言うと、下のようになります。
- VISA・MASTERなどのクレジットカードで、海外の提携ATMに差し込み
- 現金を引き出す(現地通貨で出てくる)
こういうやり方の方が空港や銀行で外貨両替をするより、割安になるということです。理由は下の通りです。
- 空港・銀行では「場所代などのコストが含まれている
- これに対して、クレカは基本的に「数字を動かすだけ」である
- 空港や銀行に両替に来る人というのは「そこで両替しないと困る人」である
- ↑(困らなくても、次の場所を探すより、そこで両替した方がマシな人である)
- これに対して、クレカのキャッシングは「手数料が高ければ、他の提携ATMに行く」ことができる
- 海外にはクレカ対応の提携ATMが山程あり、顧客の奪い合いである
- だからどのクレカも「海外キャッシングの手数料を安くする」
簡単に言うと、空港や銀行での外貨両替は「足元を見られている」ということですね。こう書くと「空港は確かに足元を見られるけど、銀行は違うんじゃないか?」と思われるかも知れません。
普通の感覚だとそうなりますが、これは海外によく行く人だとわかります。
- 海外から帰ってきて、持ち帰った外国の通貨を、「空港で両替し忘れた」という場合―。
- 「街中で両替できる所」が、全然ない
のです。銀行か、大黒屋などの金券ショップしかないんですね。
そして、これらの場所に行けば「両替自体はできる」のですが、「わざわざ次の店を探して回るくらいなら、そこで両替した方が得」なので、みんなそこで両替してしまうのです。
そして、そのように「高い手数料でも、みんな両替する」というのがわかっているので、銀行も金券ショップも、計算ずくで、高い手数料を設定するということですね。
なので、もしかしたら銀行や金券ショップでの外貨両替の方が、空港以上に足元を見られるのです。空港だったら、他の両替店に行くことができますからね。何にしても「外貨両替は、やる場所に関係なく、常に足元を見られて手数料が高くなる」ということです。
VISA・MASTERなら、どこの国でも自由に使える
海外旅行によく行く人や、海外生活をしたことがある人なら熟知しているでしょうが、海外で一番便利なクレジットカードのブランドは、VISAかMASTERです。その他の国際ブランドについては下の通りです。
- JCB…アジアでしか使えない
- アメックス…割と使えるが、VISA・Masterよりは劣る
- ダイナース…アメックスと同じ
このようなことでVISA・Masterが、キャッシングでも買い物でも便利という状況になっています。特に買い物に関しては、小さいお店でも、VISA・Masterのどちらかには対応していることが多いので、2種類もっておくと最強です。
学生の海外旅行やホームステイでも便利
なので、若年層でもクレジットカードを発行する時は、できるだけJCBよりVISA・Masterのどちらかで発行することをおすすめします。かくいう私はJCBしか持っていなくて数年前にVISAの強制解約になったため、あと3年ほど、新規のクレジットカードは作れないのですが、それで海外生活をしていると、やはり少々不便に感じることがありました。
特に現金の引き出しでは、新生銀行の「国際キャッシュカード」を使っていましたが、この手数料はVISA・Masterの2.5倍くらい高いんですね。大体「引き出し金額の4%」ほどを取られるのですが、VISA・Masterだったら「1.5%」くらいでOKなのです。
たとえば月に15万円を生活費で使うとすると下のようになります。
- 1万円の1%=100円
- 15万円の1%=1500円
- VISA・Masterの手数料の場合…約2000円
- 国際キャッシュカードの手数料の場合…約6000円
このようになるわけです。毎月6000円も手数料を払っていたと思うと、我ながらかなり損していたな、と思います。(この両替手数料というのは、海外生活の意外なコストなので、海外生活をしている方は注意してください)
何にしても、このような理由で「学生がクレジットカードを作る場合、Master・VISAのどちらかがいい」と言えます。まだ発行する国際ブランドを決めていない人は、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ「クレカの若年層への融資」
以上、クレジットカードの若年層への融資についてまとめると、下のようになります。
- 若年層でも発行できるクレジットカードを、まず持つ
- それに「キャッシング機能」がついていれば、キャッシングできる
- キャッシング枠は、もらえたとして5万円~10万円
- それ以上大きな極度額になることは、まずない
- ショッピング枠は最大30万円程度までもらえる
- 全体で30万円くらいの枠で、キャッシングとショッピングの合計になる
- クレジットカードのブランドはVISA・Masterがいい
これからクレジットカードを持とうとしている学生さんの参考になれば幸いです。